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ロシア イランへのミサイル輸出禁止を解除4月14日 7時21分
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ロシアのプーチン大統領は、イランへの高性能の地対空ミサイルシステムの輸出を禁止した措置を解除し、イランの核開発問題の最終的な解決に向けた枠組みで合意したことを受けて、ロシアの国益を優先させ兵器の輸出を可能にしたものとみられます。
ロシア大統領府は13日、プーチン大統領が、高性能の地対空ミサイルシステム「S300」を、イランへ輸出することを禁止した措置を解除する大統領令に署名したと発表しました。
ロシアは2007年にイランと「S300」を売却することで合意していましたが、イランに対する国連の制裁決議を受けて、5年前からミサイルなどの兵器を輸出することを禁止する措置を取ってきました。
これに対してイランは、スイスの裁判所で訴訟を起こし、ロシアが契約に違反したとして40億ドルの賠償金を支払うよう求めていたと伝えられています。
今回、禁輸措置を解除したことについて、ロシアのラブロフ外相は「これまでの禁輸措置はロシアが自主的に行ってきたもので、国連安保理の決議によって規制されていない」と説明しています。
イランの核開発問題を巡っては今月、欧米など6か国とイランが最終的な解決に向けた枠組みで合意したことから、ロシアは、ウクライナ情勢を巡って対立する欧米への配慮よりも、自国の国益を優先させ兵器の輸出を可能にしたものとみられます。
ロシアは2007年にイランと「S300」を売却することで合意していましたが、イランに対する国連の制裁決議を受けて、5年前からミサイルなどの兵器を輸出することを禁止する措置を取ってきました。
これに対してイランは、スイスの裁判所で訴訟を起こし、ロシアが契約に違反したとして40億ドルの賠償金を支払うよう求めていたと伝えられています。
今回、禁輸措置を解除したことについて、ロシアのラブロフ外相は「これまでの禁輸措置はロシアが自主的に行ってきたもので、国連安保理の決議によって規制されていない」と説明しています。
イランの核開発問題を巡っては今月、欧米など6か国とイランが最終的な解決に向けた枠組みで合意したことから、ロシアは、ウクライナ情勢を巡って対立する欧米への配慮よりも、自国の国益を優先させ兵器の輸出を可能にしたものとみられます。
米がロシアに懸念伝える
ロシアのプーチン大統領がイランへの高性能の地対空ミサイルの輸出を禁止した措置を解除したことについて、アメリカ国務省のハーフ報道官代行は13日の記者会見で「ケリー国務長官がラブロフ外相と電話で会談し、現段階での解除は建設的ではないと伝えた」と述べ、ロシア側に懸念を伝えたことを明らかにしました。
一方でハーフ報道官代行は、ロシアがミサイルを売却したとしても、イランに対する国連安全保障理事会の制裁決議の違反には当たらないという認識を示しました。
そのうえで「今回のことが交渉当事国の結束を乱すことはない」と述べました。
今回、アメリカがロシアへの厳しい批判を避けた背景には、イランの核開発問題の最終的な解決に向けて今後も難しい交渉が続くことから、この問題でロシアとの対立を深めることは得策ではないという考えがあったとみられます。
一方でハーフ報道官代行は、ロシアがミサイルを売却したとしても、イランに対する国連安全保障理事会の制裁決議の違反には当たらないという認識を示しました。
そのうえで「今回のことが交渉当事国の結束を乱すことはない」と述べました。
今回、アメリカがロシアへの厳しい批判を避けた背景には、イランの核開発問題の最終的な解決に向けて今後も難しい交渉が続くことから、この問題でロシアとの対立を深めることは得策ではないという考えがあったとみられます。