安倍晋三首相の「2つの演説」に関心が集まっている――。最初の演説は、4月22日にインドネシアの首都ジャカルタで開催されるアジア・アフリカ会議(バンドン会議)60周年首脳会議出席に当たって行うものだ。二つ目の演説は、同26日~5月3日の訪米中の29日に米上下両院合同会議で行う。
「反省」はするが 「侵略」は使わない
両首相演説は8月15日に予定されている「戦後70年談話」に向けた試金石となるもので、前者のバンドン会議演説には先の第二次世界大戦への「反省」が盛り込まれ、後者の米議会演説では戦後の米国との「和解」とその後の日米同盟による国際貢献をアピールする。
この二つの演説で「反省」と「和解」というワーディングを使うが、「戦後70年談話」についてはどうやら安倍首相の強い意向から「侵略」という言葉は盛り込まれないようだ。となると、中国や韓国からだけでなく米国からの反発も予想される。
それでも安倍首相が未来志向型の「安倍談話」にすることに拘っているのは、先の大戦での日本による植民地支配に対するお詫びとアジア諸国への侵略に関する歴史認識が歴代の首相と異なっているという、強い想いからきている。単に「村山談話」を上書きすればいいという問題ではないと考えているのだ。
そうした安倍首相を強気にしているのは、東京株式市場の日経平均株価が瞬間風速にせよ2万円の大台を回復した(4月10日)ことと、第18回統一地方選挙第1弾(同12日)で自民、公明両党が圧勝したことである。
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