トップページ文化・エンタメニュース一覧タレントの愛川欽也さん死去
ニュース詳細

タレントの愛川欽也さん死去
4月17日 7時45分

タレントの愛川欽也さん死去
k10010051341_201504171228_201504171230.mp4
「キンキン」の愛称で親しまれ、テレビの司会や俳優として幅広く活躍したタレントの愛川欽也さんが15日、肺がんのため東京都内の自宅で亡くなりました。80歳でした。
愛川さんは、東京都の出身で、劇団の俳優座を経て昭和42年から始まったラジオの深夜番組に出演し、ディスクジョッキーとして人気者になりました。その後、テレビのバラエティー番組やクイズ番組の司会などで活躍し「キンキン」という愛称と「おまっとさんでした」という名ゼリフでお茶の間に親しまれました。
昭和53年に、テレビ番組で共演したタレントのうつみ宮土理さんと結婚し「キンキン」「ケロンパ」の愛称のおしどり夫婦として知られました。また俳優として、映画「トラック野郎」シリーズで主演の菅原文太さんの相棒「やもめのジョナサン」役を演じ人気を集めたほか、テレビでもNHKの大河ドラマ「元禄繚乱」や連続テレビ小説「ほんまもん」などに出演し、時代劇から現代劇、それにミステリーまで幅広い役を演じられる俳優として才能を発揮しました。
平成12年には、劇団「キンキン塾」を作って若手俳優の育成にも努めたほか、平成19年には自分が書いた小説「黄昏れて初恋」を映画化し、みずから監督も務めるなどマルチタレントとして活躍しました。愛川さんは、平成21年に自身の劇団の拠点として、小劇場「キンケロ・シアター」を東京・目黒区に開設し、劇団の公演や、自身が監督を務めた映画の上映を行ってきました。18日からは、愛川さんが主演し、監督・脚本も務めた8作目となる最新映画で、反戦への思いを描いた「満州の紅い陽」が上映されることになっています。
愛川さんは先月、20年にわたって司会を務めた民放の人気情報番組「出没!アド街ック天国」を1000回記念を最後に降板していました。
愛川さんの事務所によりますと、愛川さんは去年の冬に体調不良を訴え、検査を行ったところ肺がんと診断され、東京都内の自宅で治療を続けていたということです。しかし、15日容体が急変し、午前5時10分すぎに自宅で亡くなったということです。葬儀は愛川さんの希望で、親族のみですでに執り行われたということです。

峰竜太さん「受け入れられない」

「出没!アド街ック天国」に、番組開始当時から出演してきた俳優でタレントの峰竜太さんは「けさのテレビを見て知りましたが、全く想像していなかったので受け入れられません」と話しました。そのうえで「愛川さんに最後に会ったのはことし2月の『アド街ック天国』の1000回記念の収録で、その時、愛川さんは『収録ができるかどうか分からなかったんだよ』と話していました。私は、妻のうつみさんが『大丈夫、大丈夫』と言っているのを信じていましたが、今思えば、あの収録は最後の力を振り絞ってやったんだなと思います」と振り返りました。
そして「20年間そばにいて学んだ愛川イズムをこれからの仕事で発揮できれば、恩返しにつながるのではないかと思います。『愛川さん、最後までかっこよかったよ』と伝えたいです」と話していました。

松方弘樹さん「非常に寂しい」

愛川さんが司会を務める番組にゲストとして出演したことのある俳優の松方弘樹さんは「健さん(高倉健)、文さん(菅原文太)、そしてキンキンと先輩方の相次ぐ訃報に接し、非常に寂しい思いでいっぱいです。心よりご冥福を御祈り申し上げます」とコメントを出しました。

原点となった戦争体験

昭和9年、東京の下町、豊島区巣鴨で生まれた愛川さんは、小学生のときに戦争を体験しました。
愛川さんは、戦時中、小学4年の時に家族から離れ、たった1人で長野に学童疎開し、巣鴨の自宅が空襲で焼けてからは、母親とともに埼玉や茨城、それに秋田といった疎開先を転々として過ごしました。
そのころの体験を愛川さんは、平成17年に放送されたNHKの番組の中で、「学童疎開のときから実は栄養失調で、昭和20年、敗戦の年の冬に脱走して、それからおふくろと疎開先を転々としました。何でこんなにおふくろと2人で、旅人のように疎開をしてたかというと、僕ら親子はどこの田舎に行っても歓迎されなかったんです」と振り返っています。
こうした空襲や疎開先での体験が、その後、愛川さんの手がけた作品にも色こく反映されています。
このうち、愛川さんが平成16年に発表した小説「泳ぎたくない川」では、自身の体験を基に、母親から離れて学童疎開する1人の少年が戦時下を力強く生き抜く姿が描かれています。
また、愛川さんは、10年ほど前から自主製作映画の監督や脚本、舞台の演出なども本格的に行っていて、このうち、平成22年に公開された映画「昭和の赤い灯」では、戦争の足音が近づくなか、軍国主義が強まる日本で翻弄され続けた若者たちの姿を描くなど、自身の体験を通して作品の中で平和を訴えてきました。
18日から東京・目黒区の劇場で上映が始まる、愛川さんの最後の作品となった映画「満州の紅い陽」は、戦後の満州を舞台に戦争の悲劇を描いたもので、愛川さんの反戦への思いが込められています。
また、愛川さんみずから運営していた有料のインターネットテレビ「kinkin.tv」で、愛川さんが司会を務めた番組「愛川欽也パックインジャーナル」でも自身の戦争体験から反戦を訴え続けていました。

関連ニュース

k10010051341000.html

関連ニュース[自動検索]

このページの先頭へ