彼らは、私の主張の本質を読み誤っている。私はファクト(事実)に基づいた、公平で論理的な意見にしか興味がない。
公平と言っても、私の場合は日米双方の国益にかなう方向に偏る。だから、ファクトに基づく主張が、立場次第で偏るのは構わない。しかし、ファクトを無視した非論理的な主張は、国を問わず批判する。
祖国の米国であっても、ファクトの無視は見過ごせない。だから私は「『リメンバー・パールハーバー』は米政府のプロパガンダだった」と主張するし、東京大空襲や原爆投下は戦時国際法違反だったと考えている。占領期にGHQ(連合国軍総司令部)が施した「ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム」が、日本の伝統的価値観を破壊する目的だった事実も指摘する。
現在、米国では「慰安婦20万人強制連行説」を載せたマグロウヒル社の教科書を、19人の歴史学者が擁護している。
彼らが資料を十分読み込んだとは思えない。将来、「ファクトを無視した歴史学者」として、年表に名前を刻みたい自虐願望があるように思える。
■ケント・ギルバート 米カリフォルニア州弁護士、タレント。1952年、米アイダホ州生まれ。71年に初来日。80年、法学博士号・経営学修士号を取得し、国際法律事務所に就職。83年、テレビ番組「世界まるごとHOWマッチ」にレギュラー出演し、一躍人気タレントとなる。現在は講演活動や企業経営を行っている。最新刊は『不死鳥の国・ニッポン』(日新報道)。