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「デザイン」という思考(概念)をまとめてみる。

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デザインとはなにか。という問に対しては
説明がとてもむずかしい。
だから、概念的になってしまって、ぼんやりして申し訳ないですが
わたしが15年間くらい、いろいろみてきて、いま思う「デザイン」についての触りを、まとめてみました。

今回の視点的な部分を、先生たちの作品をみながら考える

デザインとは、といっても、いろんな場所、視点、世界で条件が変わってしまうので
まずは、今回の視点的な部分を考えていきます。
いくつかの作品を用意しました。
こういった思考をもとに、考えを展開していきます。

水玉というものと戦い続ける

via 写真:time out tokyo 様からお借りしました。

草間彌生さんは、脅迫されているかのように、追い立てられるように
ずっと水玉というパターンと向き合っている。
死や、生きることと向き合うことと同じ、というようなことを
前にインタビューで言っていたような気がする。

トウメイとはなにか。

だいぶ前にツイートされてた原研哉さんの言葉。
透明の定義とは?
人の目は何をもって透明と認識するのか。
デッサンで描いたガラスのコップは透明?それとも、紙の上だから不透明?

ファスナーの船

via 写真:公式ページからお借りしました。スケッチも素敵なのでぜひ。

鈴木康広さんの「ファスナーの船」は
水面をすべる船がファスナーの形をしている。
船が走ると、水がファスナーのように見えるのだ。

船が「ファスナーで何かを開いている」ように錯覚する。

パターン(テキスタイル)としての追求

via 写真:tambourine 2001 a/w 各テキスタイルのアーカイブはこちら

ドットを組み合わせて丸にしたり
線を組み合わせて波形にしたり
モチーフとしての自然をシンプルな形に落としこむミナ・ペルホネンのファブリック。
布地は、様々なものに変化する。
たとえば、服、かばん、椅子、カーテン。
素材としての布地にどれだけのシンプルさと
個性を表現していくことができるのか。
そういう挑戦。

もののありかたを認識して、再定義する

たとえばモチーフであったり
様々なものに変化するものであったり
錯覚であったり
知覚、聴覚、触覚などの感覚に語りかけるものであったり
そのものの「ありかた」を理解した上で
拡張していく。

そういうのが、デザインの根本にあるのかなと思うのです。

可能性を見つける。
新しい着眼点をさがす。
パズルのように、組み合わせを変えてみる。

デザイナーは、全く新しいモノを生み出す発明家なわけではない。
いまこの世界にあるモノで、新しい使い方を考える。
それが時々、新しい価値観を生み出すこともあるのです。


人によって研究テーマは違うし
テーマと違うものも考えてみたくなることもあるけれど
根底にある基本のテーマは同じだったりします。

デザインの思考

デザインは、どこにでも存在します。
街も、人も、パソコンも、ソフトも、服も、生地も、あなたがいま手にしている何かにも。

それらを見た時、
「これがこうなったらもっといいのに」
と思うことはありませんか。

もしそう考えることができるなら、デザイナーのスタート地点には立っています。

そして、何を研究してみたいかを考え
定義して、自分の価値観もひっくり返して、
調査して、勉強して、またひっくり返して。
どこかで落ち着く地点を見つけて、着地する。

時間を置いてまた、考えはじめるかもしれない。

デザインの思考は、そういうプロセスの繰り返しでできています。

「デザイン」と「センス」は、イコールではない

デザインとセンスを一緒にしてしまうひとがいますが
わたしは違うと思っています。

「デザイン」=考えていくプロセス
「センス」=感じているもの、見ている色、感覚

なので。
センスが鋭いひとや、眼の色なんかで見えている色が違う、なんていう才能ももちろんあって、そこから発想されていくものは、普通の人と違う考えになりやすいので注目されやすいだけ。
デザイン思考自体は、誰でも身に付けることができるんじゃないかなって想います。

考えるのは、タダですからね。
自分のイメージをスケッチに起こすだけでも、デザインというものは成立するのです。


具体的な仕事に落としこむとき

具体的な仕事に落としこむ際には、この思考を使って
さらに調査や勉強で得た知識や
技術や、手順を展開していきます。

手や、頭をうごかして。
新しい刺激のために、体を動かして旅をするひともいます。
デザインの思考を鍛えることで、しごとのクオリティーが上がっていくのです。

人が、表現できるツールは少ない

人は、基本的に目でしか色を感じられません。(体でも実際は感じてるそうですが)
匂いは、鼻から。
味は、口から。
感覚は、全身に。

表現できるのは、口か、表情か、手足だけ。

体ひとつで表現できるものは、限られているんです。
音が、ドレミファソラシドしかないのと同じ。

手先からアクセスできるコンピュータもありますね。

ツールが少ないからこそ、色や、触覚や、雰囲気や、声に頼りがちになる。
けれど、そこに突破口があるかもしれないと
デザイナーは(たぶん)考えるんです。
利用したり、除外したり、ツールとしてスイッチのon off を切り替えたりね。


★終わりのない研究テーマ

デザインというものに終わりはないのです。
流行になってしまうものや、普遍的になっていくものがあり
私自身も探している最中です。

わたしがつくるものは、「かわいいとはなにか」というテーマに基いています。
「かわいい」っていろいろあります。
女子がよく言うコミュニケーションとしての「かわいい」
少女趣味てきレースや装飾がもとになった「かわいい」
ありえないような魔法のような意味での「かわいい」
小さくてすばらしいものを指す「かわいい」
頼りなくて手を伸ばしたくなる「かわいい」・・などなど

「かわいい」だけをテーマにしたって
たとえばその対象を「自分だけ」に絞ったところで
一生かかってもおわらないなぁと思うのです。

だから、安易に「デザインとは」ということができない
(わたしにはまだまだ恐れ多い)のですが
チャレンジとして、書いてみました。

ご参考にどうぞ。


*各著名人、ブランド様のお名前、考えをお借りしましたが、私の中で受け取った解釈ですので、ご本人さまたちとは直接の関係は全くありません。ご了承ください。

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