自衛隊のクーデター未遂
私たちの暮らすこの社会は意外にもろいものです。
ちょっとバランスを崩しただけで、世情というものはとたんに移ろい、昨日までは信じられなかった事態が頻繁に起こるようになります。そしてそれは日本も例外ではありません。
実際に、二年ほど前から何度か「クーデター未遂」が起きています。私が把握しているだけでも、熊本、郡山、北富士、朝霞で、2009年から2010年の二年間で、実に四度もクーデターが起きています。いずれも未遂でとどまったので、公(おおやけ)になってはいません。しかし私たちの知らないところで、すでに反乱軍と鎮圧部隊の戦闘行為が行なわれているか、そこまで行かなくても戦闘部隊の出動やにらみ合いという事態に発展しているケースは確実にあります。いずれにしても、それは日本の国家転覆を企む勢力と、それを阻止しようとする勢力、またその両方の対立を利用して「漁夫の利」を得ようとする勢力が存在し、彼らは「時」の情勢を計算に入れながら、その時を伺い、隙(すき)あらば実行しようと狙っています。そして実際に、クーデターが実行寸前までいったケースがあります。
どれも未遂に終わったクーデターでしたがその中でも、朝霞(あさかすみ)の陸上自衛隊での計画は決行寸前までいったギリギリのケースでした。それは2010年10月24日日曜日のことで、陸上自衛隊・朝霞駐屯地に隣接する朝霞訓練場で、首相と衆参両議院の議長を迎えて中央観閲式が行なわれる予定でした。決起部隊はここで三人の身柄を押さえたら、すぐさま部隊をヘリコプターで永田町に差し向け、議員たちが事態を把握する前に国会を制圧する計画だったようです。この計画が発覚したのは、その数日前まで30数機ものヘリコプターの大編隊が東京上空を飛んでいたことがきっかけでした。しかもそれを大勢の人が目撃しています。
訓練にしては何か違う・・・異様な光景に何かを察知した人が上空のヘリを撮影し、すぐさまある情報筋に鑑定を依頼しました。送られた写真を見たその情報筋は、すぐに「これはOH-1だ」と判断しました。OH-1は川崎重工業が製造している陸上自衛隊の偵察用ヘリコプターで、敵に気づかれにくい超低空飛行を得意とし、隠密に忍び込むという任務の特性から「ニンジャ」の愛称を持つ特殊なヘリです。そして昼夜を問わず敵の情報偵察が可能な装備を持っています。それは偵察用ですから通常は編隊などを組んで飛ぶことはまずありません。それが何機も固まって飛んでいたのは、一体なぜなのか?
その瞬間、ピンときたのが、近く予定されていた朝霞での中央観閲式でした。
観閲式では主催者である防衛大臣のほか、観閲官である首相、それに衆参両議長という国会の3人のリーダーがそろいます。その場で3人を拘束してしまえば、無血クーデターが完了します。残った国会議員が臨時政府を組閣し、すぐ非常事態宣言を発すれば反乱部隊を鎮圧できるかもしれませんが、反乱軍はそれも承知だったようで、朝霞からヘリで国会に乗りつける算段をつけており、大勢の人に目撃された時速290キロで航行できるOH-1の編隊は、そのための予行演習であった可能性があります。
情報筋による永田町への水面下への警告が功を奏したようで、もともと左派である衆議院議長の横路孝弘氏は出席を取りやめました。決起部隊にとっては三人がそろわなければ意味がありません。そしてクーデターは直前になって中止されたのです。この話の延長で私が関心を持っているのは、仮にクーデターが成功した場合、決起部隊は誰を国のトップに据えようとしていたのかという点です。
これまでのクーデター計画はいずれも未遂か失敗に終わりました。
しかし仮にそれが成功しても、今の日本では暴力的な方法で政権を掌握した勢力が、国民の支持を得られるとは到底考えられません。ですから今の状態でクーデターを起こすのは無謀です。しかしそれでもクーデターを起こしたい連中は、どうあっても起こしたいのです。そのためにその下地作りを、ずいぶん前から始めています。まず日本全体に社会不安を起こし、政情を不安定にさせ、経済的に酷い状態にさせ、国民の不満・鬱憤が高まるようにし仕向けます。自衛隊の将校たちが自主的に決起しやすいように、国に対する不信感と憎悪を煽りたて、クーデターの機運を高めます。やがて政権に対する国民の怒りが溜まりに溜まり、自衛隊が決起しやすい情勢が整ったところに、何かのきっかけで、一気に革命の火の手が上がるという筋書きです。
ですからこれまでのクーデター未遂は、その途上で血気にはやった一部の自衛隊将校が先走り、散発的なクーデター未遂が起きているという現状なのです。しかしクーデターを画策している連中は、今はまだことを起こすには時期尚早なので、未遂や計画倒れに終わるようにと画策しているのです。その影で、本当の計画そのものは着々と進んでいます。
・・・。2010年秋に、尖閣諸島沖日本領海内への中国船侵入問題が起こりました。
しかしそのときの日本政府の態度は、国民はもちろん、海上保安庁をも失望させました。悪いのはどう見ても中国なのに、あろうことか政権は中国をかばい、ビデオを公開せず、それをネットに公開した身内であるはずの海上保安庁職員を処罰しました。ですから命をかけて領海を守っている海上保安庁職員たちの怒りは相当なものです。こうした政府の態度は何も民主党だけではなく、自民党時代から変わってはいません。2008年に起きた航空自衛隊幕僚長であった田母神(たもがみ)俊夫氏の論文問題でも、彼は日本は侵略国家ではないと至極まっとうなことを述べただけなのです。論文の中身に中国人や韓国人が不快感を覚えたとしても、それは主観の問題なのでほっておけばよかったのに、当時の自民党政権も卑屈なほど中国と韓国の世論におもねり、本来身内であるはずの田母神氏を処罰しました。
この一件以来、自衛隊内部では公然と政権批判が行なわれるようになりました。それもこれも、クーデター計画の一つなのです。裏で糸を引いている連中にしてみれば、政権運営がお粗末で、国民に怒りと不満が溜まってくるほど都合がいいわけです。経済が低迷し、国民のための政策がどんどん削られ、暮らしが疲弊すればするほど、国民は動揺しクーデターは成功しやすくなります。かのナチスもそういう状況で台頭しています。そのために民主党政権がろくな政策を実行できないようにと仕向けているのです。政府が政策を実行できないように、官僚たちにサボタージュさせ、本来トップリーダーであるはずの首相が何も判断できないように、首相に情報を渡さないという作戦が行なわれています。そのために、東日本大震災が起きたときも、官邸は大混乱し、放射能拡散に関する重大情報では開示が遅れに遅れました。
日本でクーデターを起こしたい連中とは、一体誰なのでしょうか。
政府や官僚を陰で操り、日本を経済的に弱体化させ、自衛隊に決起をそそのかしてクーデターを画策しつつ、血気にはやった一部の部隊が先走れば、米軍を使ってこれを阻止する。そんな権力と実行力を持った連中とは一体誰なのでしょうか?
答えは、政府、官僚、財界、自衛隊、マスメディアの幹部、そして米国政府と米軍です。この世界はすべて二重構造でできています。つまり政府や官僚、役人の中に、財界やメディア、自衛隊の中にも、表に見えている権力構造とは別に陰の「裏の構造」があるのです。本当の権力を握るのは裏にいるグループであり、誰からも隠れた密室ですべての物事が決定され、それが表を支配しているのです。表の構造は常に社会的な監視の目があって、あらゆる決定が面倒でありで、彼ら本当の権力を握る連中にとっては裏で動かすほうが都合がいいのです。仮に問題が起きても、表の人たちがその責任を取らされるだけで、彼らは痛くもかゆくもありません。クーデター計画も、政府や役人、自衛隊、それに米軍や米国政府内部の「陰にいる」グループが関わっています。
しかし彼らは常に連携しているわけでもなく、それぞれの立場から自らの利益を考えて動きます。ちなみに東日本大震災において、自衛隊に対する国民の信頼度や親近感は急上昇しました。災害地への復興支援や決死の放水活動など、テレビや新聞は連日、自衛隊の貢献度を報道し続けました。自衛隊内部の陰の「計画グループ」は、これで下地ができたと考えていることでしょう。
闇の勢力は日本でのクーデターをどのように成功させようと考えているのでしょうか? 元気がなくなったとはいえ、まだまだ経済的にも社会的にも安定している平和な日本で、突然クーデターなどできるはずがありません。そこで彼らは経済基盤を弱体化させることを狙っています。もうすでに日本は酷い状態になっていますが、それでもまだいわゆる豊かな中間層がどっかりと居座っています。そこで彼らが考えていることは、民主党を使ってもっと酷い悪政をさせることで、国民の暮らしを奈落の底へ突き落とすことです。増税させたい財務省の言いなりである与謝野馨氏を政権に入れるという暴挙も行いました。今の時点での増税、それは党としての自殺行為以外の何ものでもありません。
そういうことがわからないとは思えません。ではなぜそうするのでしょうか。
それは裏の権力者の後ろ盾を得たからです。国民やマスメディアから何と言われようと、陰の権力者の後ろ盾があれば首相の座に居られます。大増税を打ち出し、年金制度は改悪、福祉予算は大幅カット・・・国民も馬鹿ではありません。野田首相も財務省の言いなりですから、ほどなくしてメディアにバッシングされるでしょう。で、どうするか?
実はとっておきの「隠し玉」が用意されています。
それは北朝鮮による拉致被害者の救出です。すでにある拉致被害者らを、北朝鮮から日本に連れ戻すことで、両国の裏の合意がとれているようです。それはロシア政府に太いパイプを持つさる民間の学者で芸術家、社会運動家でもある方の尽力で、プーチン大統領(当時)の仲介で北朝鮮と話がついているそうです。北朝鮮は日本と友好関係を築きたいと考えていたこともあり、話はすぐにまとまりました。ただし北朝鮮は、「国内経済が大変で外貨が欲しい。拉致被害者一人につき7兆円払ってほしい」という交換条件であったそうです。実際にはプーチン氏が仲介料として同額を要求し、中国経由で身柄を引き受けることからその邪魔をしない代わりに、中国政府への駄賃としてやはり同額支払う、という条件を提示され、その時の麻生首相はこれを了承したようです。
あとは身柄を引き受けに行くのみ、という状態で政権が交代されましたが、鳩山氏も菅氏も、このカードを使いませんでした。闇の権力者に「まだ早い」と止められたようです。しかしそう遠くない時期に、その時がやってくるそうです。拉致被害者の帰国が実現されることで、民主党の支持率は回復するでしょう。つまり、北朝鮮に拉致を認めさせ、被害者5人の帰国が実現したことで喝采を浴びた小泉潤一郎政権と同じ手を使おうというわけです。ただ、このたびの大震災勃発で、この計画がしばらく延期になった可能性もあります。
「ついに宇宙人が最終戦争後のシナリオを用意しました」
田村珠芳著 徳間書店
抜粋
@@@@@@@@:*****@@@@@@@@*****@@@@@@@@:****@@@@@@@@:****@@@@@@@@:****
« 「うつ」の原因の一つは食事にある | トップページ | 「常識」の向こう側 »
コメント