ニューヨーク=金成隆一
2015年4月18日11時11分
泥沼の内戦が続くシリアの病院で働く医師が16日、米ニューヨークの国連本部で会見し、市民が塩素ガスの攻撃にさらされたとして当時の病院内の映像を使いながら被害を証言した。医師は「私たちはミサイルやたる爆弾で殺されてきたが、ここに毒物が加わった」と述べ、国連安全保障理事会に行動を求めた。
証言したのは、シリア北西部サルミンの病院で働いていたモハメド・テナリ医師。安保理の非公式会合で証言後、会見に応じた。シリアの医療機関を支援するNGO代表者も同席した。
説明によると、3月16日、勤務先に患者が次々と搬送された。口から泡を吹き、せき込み、ゼーゼーとあえぐ息づかい。医師たちは服を脱がせ、全身を洗った。子ども3人を含む一家が死亡する惨事も。映像には混乱に陥る院内で、目を見開き、鼻から泡を吹く幼児らに心臓マッサージをする医師の姿が収められている。安保理では涙する大使もいたという。
PR比べてお得!