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 広島空港で起きたアシアナ航空機の事故で、事故機の左の車輪の軸付近に赤い棒状の金属部品が絡みつくなどし、正常に回転しなくなっていたことが国土交通省の調べでわかった。接地後は滑走路左側にそれ、左に反転して停止しており、機体の制御は極めて困難な状態だったとみられる。

 国の運輸安全委員会の航空事故調査官は、この金属部品が、滑走路の手前東側で損傷していた計器着陸装置(ILS)のアンテナの一部と推定。「かなりの低空で進入し、主脚が引っかけた」と分析している。

 事故を起こしたエアバスA320型機は、左右に向きを変えられる前脚と、機体中央で向きが固定された左右二つの主脚があり、それぞれに車輪がついている。国交省などによると、損傷は左の主脚が最も激しく、車輪がパンクしてほぼ90度横を向き、右の主脚と前脚の損傷は軽微だった。