アニメ版マララさん:ブルカの女性教師、印パで人気爆発

毎日新聞 2015年04月18日 11時43分(最終更新 04月18日 12時54分)

「ブルカ・アベンジャー」のポスター。ヒロインはブルカをまとって敵と戦う=制作会社「ユニコーン・ブラック」提供
「ブルカ・アベンジャー」のポスター。ヒロインはブルカをまとって敵と戦う=制作会社「ユニコーン・ブラック」提供

 ◇「ブルカ・アベンジャー」、女子教育や女性の権利を守る…

 【ニューデリー金子淳】全身を覆うイスラム教徒の女性用の衣服「ブルカ」をまとったスーパーヒロインが活躍するパキスタンの人気アニメ「ブルカ・アベンジャー」が、パキスタンや隣国アフガニスタン、インドで人気となっている。女子教育や女性の権利を守る主人公の女性教師が悪役と戦うアクションアニメ。男女格差が激しいとされる南アジアで人気が広がっており、教育効果にも期待が集まっている。

 パキスタンでは2012年10月、女子教育の普及を訴えるマララ・ユスフザイさんがイスラム過激派に銃撃される事件があった。一方、インドでも児童労働や女性に対する性犯罪が後を絶たず、女性や子供の権利保護は共通の課題となっている。

 アニメはパキスタンの人気歌手でもあるアーロン・ハルーン・ラシード氏が制作。主人公は学校の女性教師で、ペンや本を投げつけて戦う「タクト・カバディ」という架空の格闘技の達人。子供たちがピンチに陥るとブルカをかぶって駆けつけ、学校を閉鎖しようとする悪徳政治家などを懲らしめる。

 インドでは今月から子供向け教育チャンネル「Zee Q」で放映が始まった。「Zee Q」の担当者、アパルナ・ボスレさんは「印パ両国は文化が似ているので、インドの子供にも理解しやすい。教育の重要性を描いたアニメで、作品の質も高い」と評価する。制作者のラシード氏は「(アニメを通じて)平和や男女平等、教育の大切さを子供たちに伝えたい」とコメントした。

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