ロードバイクで会社からの帰り道、客を乗せようとしたタクシーのドアが突然開き、気付いた時には車体ごと身体が路肩の茂みに吹き飛んで、信号機のボックスに頭強打した。その直後、地面に埋まってたキロポストに胸を強打して肋骨4本ヒビが入った。インターネットでも割とスポーツ自転車の事故の話を聞くけれど、いざ自分がやられるとなると気が動転する。
スローモーションの走馬灯の如く見えるのは遅くまでサラリーマンが働くオフィスビルであったり、忙しく行き交う自動車の列であったり、買い物で賑わう繁華街といったものの光。スマホで事故の写真を撮るパパラッチの声の声も聞こえる。相手のドライバーがクソ適当なこと言ってるのが遠くで聞こえ、怒りがマックスに達し鼻水がビーーーーーーーーーーーーーと出続けるが声が出ない。夜の日本橋を駆け抜ける救急車のサイレンはギラギラと星のように、まるで天地がひっくり返ったかのように、光り輝いていた。
幸いにも手も指も足も全部付いているので、命が危険な目には合わずに済んだが、自転車用のヘルメットがパーティングラインで真っ二つになってるの初めて見た。ヘルメットしてなかったらマジで死んでるか頭がパーになっていた可能性があると言われた。荷物入れてたメッセンジャーバッグ背負ってなければ頚椎をやっていたと言われたので本当に運が良かった。ときに救急車で運ばれて身元確認のために救急隊員が千葉の実家に連絡したらしいが「彼はうちの子ではありません」と言われたのが昨晩のハイライト。それでも世界は優しさに満ちている。