東邦ガス環境写真コンテスト作品募集
2015年6月17日〜23日
ラシック
編集局デスク平和背負う旅人<人はみな平和を背負う旅人なり>。朝刊一面に毎日掲載している「平和の俳句」で、先週紹介した金沢市の女性の作品です。 なるほど、多かれ少なかれ、だれしも安らかな暮らしを望み、平和への願いを抱いて生きている。そう考え、ふと連想しました。まさしくお二人が今、平和を背負われている旅人なのではないかと。天皇、皇后両陛下です。 同じ日の紙面は、両陛下が太平洋戦争の激戦地パラオを訪問された記事を大きく報じていました。戦後七十年の節目に当たる戦没者慰霊です。天皇陛下は晩さん会で「先の戦争で亡くなったすべての人々を追悼し、その遺族の歩んできた苦難の道をしのびたい」とお言葉を述べ、翌日は日米の兵士たちが倒れたペリリュー島で深く拝礼されました。 戦後六十年に当たる十年前にはサイパンを訪れ、犠牲者を追悼されています。日本兵や民間邦人が次々身を投じたバンザイクリフに向かって黙とうされる二人の姿は強く心に残りました。すべての戦没者を悼み、慰霊の旅を続ける思いの深さに感じ入ります。 この二月二十三日に五十五歳の誕生日を迎えた皇太子さまは、会見で述べられました。「謙虚に過去を振り返り、戦争を体験した世代から戦争を知らない世代に、悲惨な体験や日本がたどった歴史が正しく伝えられていくことが大切だと考えています」と。 長女愛子さまは先の大戦について直接両陛下から聞いているほか、皇太子さまもお二人から聞いた話を愛子さまに伝えているそうです。両陛下の終わらぬ慰霊の旅と平和の祈り。その思いを皇太子さまや愛子さまも分かち合い背負っていかれるのでしょう。 新聞も平和を背負う旅人であろう。そう心を新たにしています。 (名古屋本社編集局長・臼田信行) PR情報 |
|
Search | 検索