スマホ:狙われる初心者 家庭でルール作りを
毎日新聞 2015年04月18日 07時57分(最終更新 04月18日 10時03分)
4月に入り、子どもの高校進学などでスマートフォン(スマホ)を新たに購入する家庭も多いのでは。スマホは便利な半面、よく知らずに使うとさまざまなトラブルに巻き込まれる危険がある。国や情報セキュリティー会社は、特にスマホ初心者とその家族向けに、最新の注意情報を出すとともに、家庭でのルール作りなどを呼びかけている。
●巧妙な架空請求
スマホ利用者が狙われる深刻なトラブルの中には「ワンクリック請求」と呼ばれる架空請求もある。独立行政法人「情報処理推進機構」(IPA)は1日、この新たな手口について注意を呼びかけた。
問題のサイトにアクセスすると、スマホ画面に「登録完了」との表示が現れ、アダルトサイトへ電話するよう求める表示が出る。自動的に電話発信するのをキャンセルしたり、取り消そうと電源を切ったりしても、同じ画面が繰り返し出て、インターネットに接続できなくなる。
正常に戻すには、閲覧履歴を消去するなどの方法があるが、初心者には分かりにくい。IPAは「4月はスマホを初めて手にする利用者も多い」として、動画(https://www.youtube.com/watch?v=f7DbLwEGX-Q)でも詳しく解説している。
別の手口では、サイトにアクセスすると、スマホに架空請求画面が表示され、シャッター音が鳴る。これは自分の写真などの情報が業者側に漏れたと誤解させ、業者に連絡をとらせることを狙っているとみられる。IPAは「業者への連絡は絶対しないこと」と注意する一方、操作方法が分からない場合は相談窓口(03・5978・7509 平日午前10時〜正午、午後1時半〜5時)を案内している。
●人気動画サイトも
情報セキュリティー大手のトレンドマイクロ(東京都渋谷区)によると、悪質業者の手口は巧妙化している。
昨年から今年にかけてあった手口では、人気動画サイトに悪質業者が広告を出し、不正サイトへ誘導するリンクを掲載する▽有名ブランドの割引を広告するページが偽サイトだった−−など信頼して利用するサイトに不審な仕掛けがあるケースも。このほかに交流サイト「フェイスブック」が何者かに乗っ取られ、友人に偽サイトの案内を出して被害が拡大した例もあった。