これまで外資マネーが大量に流入してきた中国当局は、過度の人民元高を抑制するために米国債を購入してきたが、景気減速を背景に中国からの資本流出が加速しており、米国債を購入する必要性が低下していることが背景にある。
中国商務省が発表した1〜3月期の対中投資の統計でも、日本から中国への直接投資実行額は、前年同期比12・3%減の10億6000万ドル(約1260億円)。米国から中国への投資も40・4%減と大きく落ち込んだほか、東南アジア諸国連合(ASEAN)からの投資も31・2%減った。
外資の流出を受けた中国は、人民元の拡大を急いでいる。ロイター通信は、中国がAIIBによる融資と決裁に使う通貨に人民元を加えるよう加盟国に働き掛けると報じた。中国が設立したシルクロード基金とAIIBに対し、特別な基金を設け人民元建ての融資を行うよう促すというが、中国主導の組織で融資体制も不透明、使う通貨が人民元という銀行が信頼を得られるかは不透明だ。
中国はこうした疑念にどう答えるのか。