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中ロと向き合うG7の役割

2015/4/18付
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 ロシアの領土拡張や中国の海洋進出など、冷戦後の国際秩序を乱す試みにどう対処するか。日米欧とカナダの主要7カ国(G7)がドイツで外相会合を開いた。

 会合後の共同声明では、ロシアによるウクライナ領のクリミア半島編入を「国際法違反」として改めて非難した。政府軍と親ロシア派武装勢力の対立が続くウクライナ東部の情勢についても、ロシアが今年2月の停戦合意の完全履行に向けて影響力を行使するよう求め、そうしなければ対ロ制裁は緩和されないとクギを刺した。

 東シナ海や南シナ海での中国の海洋進出をめぐっては、海洋安全保障に関する外相宣言で「威嚇や強制、力によって領土や海洋に関する権利を主張しようとするいかなる試みにも反対する」と明記。南シナ海で進める大規模な埋め立てなどに強い懸念を示した。

 G7は民主主義や法の支配といった価値観を共有する。こうした主要国が結束し、国際秩序を揺るがす中ロの行動を強く戒めたのは当然だ。より重要なのは中ロの暴走にどう歯止めをかけ、国際秩序の枠組みに戻していくかだ。

 これまでG7は、ロシアについては仲間に引き入れる形で自己変革を促そうとしてきた。だが昨春のクリミア編入をきっかけにG8の枠組みから除外した。中国はもともとG7に加わっていない。

 今後も制裁などを軸に外から圧力をかけるのか、あるいは中ロを取り込んで関与を強めるのか。こうしたアプローチの基本認識も詰めていく必要があるだろう。

 中国が創設を進めるアジアインフラ投資銀行(AIIB)をめぐっては、G7の足並みの乱れを指摘する声も出ている。英独仏伊の欧州勢がこぞって参加を決め、日米とカナダは見送ったからだ。

 G7内にもそれぞれの国益がある。すべてに共同歩調をとる必要はないが、中ロとの向き合い方で各国にかなり温度差があるようにもみえる。国際秩序の「番人」の自覚を忘れず、6月の首脳会合でさらに議論を深めてほしい。

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