知事に川内再稼働同意撤回求める 市民団体、争点回避発言も批判 [鹿児島県]
関西電力高浜原発(福井県高浜町)の再稼働差し止めを認めた福井地裁決定を受け、九州電力川内原発(鹿児島県薩摩川内市)の再稼働に反対する市民団体「ストップ再稼働! 3・11鹿児島集会実行委員会」は16日、伊藤祐一郎知事に対し、再稼働への地元同意表明を取り消すよう求める申し入れ書を提出した=写真。
申し入れ書では「新規制基準は緩やかにすぎ、原発の安全性は確保されない」とした福井地裁決定を「住民の不安に正面から向き合い、原発の危険性を明快にえぐった」と評価。伊藤知事が昨年11月の再稼働同意表明でその理由を「原子力規制委員会により安全性が確保された」「命の問題は発生しない」と述べたことについて、「知事発言の前提は崩れた。同意を撤回すべきだ」と訴えている。
実行委の荒川譲共同代表(81)から申し入れ書を受け取った県原子力安全対策課の岩田俊郎(しゅんろう)課長は「(知事に)趣旨は伝える」と述べた。実行委は規制委の田中俊一委員長と薩摩川内市の岩切秀雄市長、改選された新県議51人全員にも、同様の申し入れ書を送る。
提出に当たり実行委の6人が県庁で会見。伊藤知事が15日、昨年11月の同意には4月の県議選で原発問題が争点化するのを避ける狙いがあったと発言したことについて、荒川共同代表は「承服しがたい。選挙への介入で越権行為だ」と批判。向原祥隆事務局長(58)は「県民の安全を守る知事としての適性を疑う」と切り捨てた。
=2015/04/17付 西日本新聞朝刊=