けさのここに注目も、この格納容器内のロボット調査について水野倫之解説委員に聞きます。
Q:事故から4年たつのに、溶けた燃料どこにあるかわかっていない?
A:内部の線量は数千mSv以上ととてつもなく高く、
簡単に調査できず、燃料の状態はわからず、どう取り出すのかメドも全く立っていない。
今回は、廃炉の最難関となる溶けた燃料の取り出し方法を決めるための第一歩の調査。
Q:調査はどのように行われる?
A:格納容器は、厚さ3mのコンクリートに覆われた巨大な容器。
現状、中へ入るルートは点検用の貫通部だけ。直径はわずか10㎝。
Q:そんなに細い?
A:ここを通すために3年がかりで開発されたのが、ヘビ型ロボット。
高さ7㎝、長さ60㎝と細長く、貫通部ではまっすぐ進み、容器に入るとコの字型に変形。
カメラや温度計、線量計を搭載し、格納容器1階の通路を走行しながら、遠隔操作で内部の様子や、金網の下の地下に溶けた燃料が広がっていないかどうか撮影。
ただ強い放射線で、ロボットは10時間ほどしかもたないと見られていて、容器内を半周するのが精いっぱい。
東電はもう1台を来週投入して全体を調べる予定。
Q:調査はうまくいく?
A:作業員は様々な事態を想定したロボットの操作訓練を1年近く繰り返してきた。
ただ大きな障害物があれば乗り越えられないかもしれず、やってみなければわからない。
現在、政府と東電は溶けた燃料を、格納容器を水で満たした上で取り出すこと、またそれが無理な場合は容器の横に穴をあけて取り出すことなどを検討。
今回仮に溶けた燃料をとらえることができたとしても、それだけで全体像が把握できるわけではなく、さらなる調査が必要。
今回の調査結果を次に生かすためにも、東電は調査内容はすべて公表して内外から知見を集め、確実でそして何より安全な取り出し方法の検討を急いでもらいたい。