韓国:朴政権の金銭授受疑惑 自殺直前「首相に資金」証言
毎日新聞 2015年04月17日 21時01分(最終更新 04月17日 22時52分)
【ソウル大貫智子】韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領の側近に対する金銭授受疑惑が韓国政界を揺るがしている。建設会社会長が自殺直前、韓国紙に李完九(イ・ワング)首相へ選挙資金として渡したなどと証言したため、与党内からも李氏の辞任は不可避との声が出始めた。朴大統領にとって首相職は何度も任命に失敗してきた「鬼門」で、再び国民の支持離れを招いている。
韓国紙・京郷新聞は15日付朝刊で、李氏が出馬し、当選した2013年4月の国会議員補選の際、建設会社会長の成完鍾(ソン・ワンジョン)氏が李氏側に現金3000万ウォン(約330万円)を渡したとの証言を掲載。
さらに、成氏の元側近が「13年4月4日午後4時に選挙事務所に着き、スポーツ飲料の箱に入れて渡した」と明らかにしたと伝えた。成氏は9日早朝、同紙のインタビューに応じ、同日自殺した。
これに対し、李氏は全面否定。「金を受け取った事実が明らかになれば(首相を)辞任する」と語った。検察側は特別捜査チームを編成し、15日には成氏の建設会社を家宅捜索。今後、李氏の選対関係者らから事情聴取する方針だ。
韓国では29日に国会議員補選を控えており、与党・セヌリ党内では早期辞任を求める動きが広がっている。同党の金武星(キム・ムソン)代表は16日、朴大統領と緊急会談。韓国紙によると、金代表は李氏の首相辞任は不可避との見方を伝えた。朴大統領はこの日、中南米へ外遊に出発しており「戻ってから決める」と話したという。
帰国は27日の予定。当面、世論の動向を見守る考えと見られるが、韓国ギャラップ社が17日に発表した世論調査によると、朴政権の支持率は前週比5ポイント減の34%に下落。特に朴大統領の堅固な支持基盤と言われる南東部の大邱(テグ)市・慶尚北道(キョンサンプクド)で14ポイント減の51%に急落するなど、国民の不信感は強まっている。
遺体で見つかった成氏のズボンのポケットからは、李氏をはじめ朴政権の歴代の青瓦台(大統領府)秘書室長や選対幹部ら計8人の名前や金額を書いたメモも見つかっている。