【ニューヨーク=稲井創一】米ゼネラル・エレクトリック(GE)が17日に発表した2015年1~3月期決算は、最終損益が135億7300万ドル(約1兆6000億円)の赤字となった。前年同期は29億9900万ドルの黒字。今月10日に発表した傘下の金融子会社、GEキャピタルの事業縮小に伴う費用が膨らんだ。株式市場は織り込み済みで、17日のGE株は前日終値付近で推移している。
15年1~3月期の売上高は12%減の293億5600万ドル(約3兆5000億円)となった。
GEキャピタルの主に不動産関連事業を縮小したことが響いた。損益面では不動産評価損などを約160億ドル計上した。
一方、注力する産業分野の売上高はドル高のマイナス要因があったが電力関連や鉄道関係などが底堅く1%の減収にとどまった。
GEは08年金融危機を契機に収益性は高いものの業績変動リスクの大きい金融事業を縮小する方針に転換。18年に全営業利益に占める金融事業の割合(14年は42%)を10%以下にする目標を掲げている。今月10日にはGEキャピタルが保有する不動産や金融資産、約265億ドルを売却すると発表した。
代わりにガスタービンや航空機エンジンなど産業分野を強化することで、安定して持続的に稼ぐ収益基盤の構築を目指している。
今回の金融事業の縮小も製造業回帰の戦略の一環だ。今後手掛ける金融業務は本業の産業機器の販促を支援するリースや融資機能などに絞る考えだ。
GEキャピタル、最終損益、ゼネラル・エレクトリック、赤字、決算