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【愛川欽也さん死去】
「アド街」降板後すぐ…5カ月前のインタビューで「おおざっぱに生きてきた」
「俺、小っちゃい頃からおしゃべりだったんだよ。そのおしゃべりが生きたんだね」
昨年11月、司会を務めていたテレビ東京系「出没!アド街ック天国」の取材でインタビューした。愛川さんがその後、半年を待たずに番組を降板し、亡くなるとは想像もしていなかった。取材時の愛川さんは饒舌(じょうぜつ)で、気っぷのいい「キンキン」そのものだったからだ。
「ラジオ番組でリスナーにキンキンって呼んでもらって、それからテレビの司会もやるようになった。俺、ドラマ以外の番組で、台本はいらないんだよ。放し飼いみたいなもんだな」
本人がそう振り返ったように、声やトークを生かした仕事が活躍の幅を広げてきた。洋画の吹き替えやアニメ「いなかっぺ大将」の「ニャンコ先生」の声も担当。「おおざっぱに生きてきた。たまたま長く続いた番組が多いけど、何も考えていない」。そう謙遜(けんそん)したが、屈託なく、親しみやすい語り口が視聴者に愛され、数々の長寿番組を下支えしてきたのは疑いない。