李政権が推し進めた海外での資源開発に絡み、約250億ウォン(約27億5000万円)を横領した疑いで、建設関連会社「キョンナム企業」前会長で、与党セヌリ党前議員の成完鍾(ソン・ワンジョン)氏が検察の事情聴取を受けていた。
だが、成氏は9日、自殺。成氏は死の直前、京郷新聞の電話インタビューに応じ、朴氏側近2人に裏金(計約8900万円)を渡したと証言していたのだ。
韓国メディアによると、その2人とは、金淇春(キム・ギチュン)前大統領府秘書室長と許泰烈(ホ・テヨル)元大統領府秘書室長で、自殺した成氏のポケットからは、朴氏と近い有力政治家らを含む8人=別表=の名前と金額を記したメモも見つかった。リストの中には、朴政権を揺るがしかねない超大物の名もあった。
『徹底比較 日本vs.韓国』(河出書房新社)などの著者で韓国事情に詳しいノンフィクションライターの高月靖氏は、「韓国内で最も物議を醸しているのが、李完九(イ・ワング)首相と、李丙●(=王へんに其)(イ・ビョンギ)大統領府秘書室長が(メモで)名指しされていたことだ。李丙●(=王へんに其)氏は2012年の大統領選で選対責任者を務めた側近中の側近で、李完九氏は2月に就任したばかりの新任首相。2人とも具体的な金額こそ明示されていないが、疑惑が事実なら政権は致命的な打撃を受けることになる」と話す。
韓国内で「親朴ゲート」と呼ばれるこの裏金疑惑を受けて野党は政権への攻勢を強めている。
朝鮮日報によれば、前出の新政治民主連合・鄭議員は「内閣は総辞職するべきだ」と主張。「現在繰り広げられている腐敗は朴大統領が10回ほども弾劾されるべき事案だ」とも迫ったという。