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大規模スクラムの失敗から学んだこと #AgileJapan2015
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大規模スクラムの失敗から学んだこと #AgileJapan2015

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AgileJapan 2015講演資料

AgileJapan 2015講演資料

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  • 1. 大規模スクラムの失敗から学んだこと ∼急成長をとげるAirレジの組織拡大の取り組み∼ ㈱リクルートライフスタイル 塚越 啓介・佐橘 一旗
  • 2. 自己紹介 • Itsuki Sakitsu - エンジニア • 初期からのスクラム導入推進役 • Keisuke Tsukagoshi - エンジニア • スクラム支援、コーチング
  • 3. 大規模スクラムって?
  • 4. 普通のスクラム Product Owner Scrum Master Team Product
  • 5. 大規模スクラム? Product Owner Scrum Master Team Product
  • 6. 大規模スクラム? Product Owner Scrum Master Team Product
  • 7. 大規模スクラム PO Lead Company Board UX Specialist Portofolio Architect PO Lead Architect Releaser Architect Releaser Product Product Scrum Support
  • 8. 本日お伝えしたいこと スケールアップしても スクラムの原理原則はかわらない スクラムの導入に最も重要なのは 「Why」「検証と適応と透明性」
  • 9. アジェンダ 1. Airレジとは? 2. なぜスクラムに取り組んだのか? 3. 大規模アジャイル開発、検証と適応からの学び 4. 今後、挑戦したい課題 5. まとめ
  • 10. 1. Airレジとは? About AirREGI
  • 11. 無料で簡単に使えるPOSレジアプリ
  • 12. Aサービ ス Bサービ ス
  • 13. 2.なぜスクラムに取り組んだ のか? Why SCRUM?
  • 14. 我々は何故、 • スクラムを行うのか? • 未経験の事業領域、試行錯誤の必要性 • スケールする必要があったのか? • 相互に連携する複数のサービスを、全体整合性を 保ちつつも並行して立ち上げたい
  • 15. ぶっちゃけた話
  • 16. 当たり前を当たり前に やりたいから
  • 17. 当時の状況 要件決まってないから 開発できない
  • 18. 当時の状況 要件決まってないから 開発できない これ、全然イケテナイ 言われたから作るか
  • 19. 当時の状況 そんな話きいてないけど
  • 20. 当時の状況 こんなスケジュール無理 にきまってるじゃん
  • 21. 当時の状況 こんなスケジュール無理 にきまってるじゃん
  • 22. 目指したもの • 率直な意見を言い合える文化 • チームが協力してものづくりを行える文化 • 常に成長を続けられる文化
  • 23. なぜスクラムをはじめたのか 当たり前を当たり前に やりたいから
  • 24. 3. 大規模アジャイル開発、検 証と適応からの学び How we learned, tried and adopted
  • 25. 組織拡大の歴史 2014/03 現在2014/06 さらに拡大 Scrum 試験導入 既存体制 Product / Component 機能組織 全面 適用 WF体制 2013/11 組織拡大
  • 26. 組織拡大 2014/03 現在2014/06 さらに拡大 Scrum 試験導入 既存体制 Product / Component 機能組織 全面 適用 WF体制 2013/11 組織拡大 Phase1. Scrum試験導入
  • 27. 組織拡大 2014/03 現在2014/06 さらに拡大 Scrum 試験導入 既存体制 Product / Component 機能組織 全面 適用 WF体制 2013/11 組織拡大 Phase2. Scrum全面適応
  • 28. 組織拡大 2014/03 現在2014/06 さらに拡大 Scrum 試験導入 既存体制 Product / Component 機能組織 全面 適用 WF体制 2013/11 組織拡大 Phase3. 組織の拡大
  • 29. 2.1. WFからスクラムへ How we started SCRUM
  • 30. 組織拡大 2014/03 現在2014/06 さらに拡大 Scrum 試験導入 既存体制 Product / Component 機能組織 全面 適用 WF体制 2013/11 組織拡大 Phase1. Scrum試験導入
  • 31. はじまり • 「今のプロセスを改善したい」 • Scrum Boot Campを購入 • まずはカタチから
  • 32. WF開発 Product
  • 33. WF開発 + スクラムチーム ProductProduct
  • 34. 当初導入できたこと • アーティファクト • プロダクトバックログ、スプリントバック ログ(KANBAN) • セレモニー • 計画ミーティング、朝会、振り返り、スプ リントレビュー
  • 35. やってみた結果 • 開発タスクが漏れなくなった • 他メンバーが何をしているか見えるようになった • 案件や進め方に対して意見が出せるように
  • 36. スクラムよかった! • 知見者がいない状態でも導入効果はある • 形だけの導入でも効果はでる
  • 37. スゲーうまくいった
  • 38. スクラムうまくいったから 他のチームも 全部スクラムでやろう!
  • 39. 2.2. スクラムの全面適応 How we adapted
  • 40. 組織拡大 2014/03 現在2014/06 さらに拡大 Scrum 試験導入 既存体制 Product / Component 機能組織 全面 適用 WF体制 2013/11 組織拡大 Phase2. Scrum全面適応
  • 41. スクラム+WFチーム Product
  • 42. 全面スクラム化 Product Product
  • 43. 何が起こったか
  • 44. SMってタスクの管理す る人でしょ! スクラムだから納期は コミットしないでしょ? ユーザーストーリー作っ たからあとよろしく!
  • 45. あれ?
  • 46. なんか違う
  • 47. スクラムよかった! • 知見者がいない状態でも導入効果はある • 形だけの導入でも効果はある
  • 48. 正しくは
  • 49. スクラムよかった • 知見者がいない状態でも導入効果はある • 形だけの導入でも効果はある ただし、チームメンバーの多く が能動的かつ課題感を共有して いる場合に限る
  • 50. 落とし穴 • トップダウン導入による、やらされスクラム • 形だけの導入によるスクラムの誤解の顕在化 • 不安感からくる手段の目的化
  • 51. Whyの有無で 効果は全然ちがう
  • 52. 形だけの導入による成果と障害 • 成果 • プロセス自体の定期的改 善 (振り返り) • コミュニケーションの改 善 (チーム、KANBAN) • スコープをきることでリ リースサイクルを向上 (プロダクトバックログ) • 障害物 • スクラムのバズワード化 • POのコミット力低下 • メンバーの自発性がなか なか育たない
  • 53. 事例1.スクラムのバズワード化 • 「スクラム」だから○○やらないとダメ • 「スクラム」をやることが目的になってしまう 原因 Whyの欠如 不安からプロセスに縛られる 対策 Whyを考えるワークショップの実施 相互に聞ける環境づくり /やってみせる 成果 プロセスではなくゴールを 意識できるようになった
  • 54. 事例2.POのコミット力低下 • 案件の投げっぱなし、情報共有不足 • POとチームの関係性悪化 原因 お互いの状況が見えていない わからないことをすぐに聞けない 対策 先ずは物理的な距離を近づける 成果 すぐに聞ける状況と、不満を口にしにくい環境
  • 55. 事例3.メンバーの自発性がなかな か育たない • SMがタスクを作成、アサイン • 振り返りがお通夜 原因 SMが自分で仕切ってしまう 対策 自己評価/他者評価のフィードバック実施 成果 自分が無意識でやっていたことへの気づき
  • 56. 取り組みまとめ • 組織的にスクラムに対する理解を深める • ワークショップ、コーチング、相互相談 • 席替え実施 • POと開発チームを近くに • 自己評価/他者評価 • SMチェックシート実施
  • 57. 2.2. スクラムから大規模ア ジャイル開発へ How we scaled
  • 58. 大規模アジャイル開発
  • 59. 全面スクラム化 Product
  • 60. POの意思を統一する人 PO Lead Product
  • 61. アーキテクト整合性 PO Lead Product Architect
  • 62. リリース案件、リリース前QA PO Lead Architect Releaser Product
  • 63. プロダクトが増える PO Lead PO Lead Architect Releaser Architect Releaser Product Product
  • 64. 全体の意思を統一する人 PO Lead Company Board PO Lead Architect Releaser Architect Releaser Product Product
  • 65. 全体のUI/UXを統一する人 PO Lead Company Board PO Lead Architect Releaser Architect Releaser Product Product UX Specialist
  • 66. 全体のアーキテクト PO Lead Company Board PO Lead Architect Releaser Architect Releaser Product Product UX Specialist Portofolio Architect
  • 67. 全体のスクラム支援 PO Lead Company Board PO Lead Architect Releaser Architect Releaser Product Product UX Specialist Portofolio Architect Scrum Support
  • 68. PO Lead Company Board PO Lead Architect Releaser Architect Releaser Product Product UX Specialist Portofolio Architect Scrum Support
  • 69. Portfolio Backlog Release Train SysQA RTE Release Train SysQA RTE PB PB PB Company Board Architects UX Specialist Scrum Support
  • 70. スクラムの儀式 Sprint 計画MTG リファインメント スプリント レビュー 朝会 DemoDay SM, PO ナレッジ共有会 開発アーキ別 共有会 Scrum of Scrum 振り返り
  • 71. 組織拡大 2014/03 現在2014/06 さらに拡大 Scrum 試験導入 既存体制 Product / Component 機能組織 全面 適用 WF体制 2013/11 組織拡大 Phase3. 組織の拡大
  • 72. 我々は何故、 • スクラムを行うのか? • 未経験の事業領域、イテレーション開発の必要性 • スケールを志すのか? • 相互に連携する複数のサービスを、全体整合性を 保ちつつも並行して立ち上げたい
  • 73. スクラムから大規模スクラムへ • 成果 • 開発できる案件が増えた • ナレッジ蓄積スピードの加 速 • 障害 • 組織的課題が見えづらい • リーダーTに対する依存 • 組織にアーキテクチャが
 おいつかない
  • 74. 事例1. 組織的課題が見えづらい • 全体の可視化が忘れられやすい • 各チームだけでなく、全体最適はとれてる? 原因 チームのことにフォーカスしてしまう 対策 全体像の可視化、各立場での情報共有 成果 大規模アジャイル開発体制自体の改善
  • 75. PO Lead Company Board PO Lead Architect Releaser Architect Releaser Product Product UX Specialist Portofolio Architect Scrum Support
  • 76. PO Lead Company Board PO Lead Architect Releaser Architect Releaser Product Product UX Specialist Portofolio Architect Scrum Support
  • 77. PO Lead Company Board PO Lead Architect Releaser Architect Releaser Product Product UX Specialist Portofolio Architect Scrum Support
  • 78. 事例1. 組織的課題が見えづらい • 全体の可視化が忘れられやすい • 各チームだけでなく、全体最適はとれてる? 原因 チームのことにフォーカスしてしまう 対策 全体像の可視化、各立場での情報共有 成果 大規模アジャイル開発体制自体の改善
  • 79. 事例2.リーダーTに対する依存 • リーダーチームの意思決定待ち • チーム間でのコミュニケーション不足 原因 PM : メンバー = リーダーT : チーム 対策 リーダーTの解散  ※サポート型のリーダーチーム 成果 各チーム間連携の向上
  • 80. 事例3. 組織とアーキテクチャ • 技術的負債の顕在化 • 人が増えてもなかなか開発速度があがらない 原因 コンウェイの法則 組織の大きさとアークテクチャの乖離 対策 アーキテクチャの見直し プラクティス(TDD, CI/CD)の導入 成果 挑戦中 バグ発生率は低下中
  • 81. スケールアップにより発生した 問題 • チームで発生したことは抽象度があがって再 発する • 急成長するプロダクトにあわせて、組織だけ でなくアーキテクチャもスケールする
  • 82. 4. 今後挑戦したい課題 Our current impediment list
  • 83. 事例1. 組織的課題が見えづらい • 全体の可視化が忘れられやすい • 各チームだけでなく、全体最適はとれてる? 原因 チームのことにフォーカスしてしまう 対策 全体像の可視化、各立場での情報共有 成果 大規模アジャイル開発体制自体の改善
  • 84. 改めて、 検証と適応と透明性
  • 85. 組織拡大と可視化の重要性 • 組織拡大 = 意思を持つ人の増加 • 可視化は「事実」を顕在化させる • 意見は受け入れづらいが、事実は受け入れ やすい • 目的が共有できていれば、課題を解決する 意思を共有できる
  • 86. 改めて、検証と適応と透明性 プロセス、スループットの 更なる可視化
  • 87. プロセス、スループットの 更なる可視化 • 大規模化に伴って登場人物が増えたが、アジャ イルさの阻害要因になっていないか? • 個別のレビューも塵が積もれば山となる
  • 88. PO Lead Company Board PO Lead Architect Releaser Architect Releaser Product Product UX Specialist Portofolio Architect Scrum Support
  • 89. 大規模のプロセスを どう可視化するのか? 案 件 リ リ ー ス プロセス プロセスプロセスプロセス ・どれだけのプロセスを実践している? ・各プロセスにどれだけコストがかかっているのか? ・そのプロセスの意味と目的は?権限移譲出来ない? ・全体のスループットを明らかにし、更なるROI改善を
  • 90. 5. まとめ Summary
  • 91. スクラムから学んだこと • Whyを理解/共有をすること • 物理的な距離を近づけること • PMをそのままSMにしないこと (SMは我慢す ること)
  • 92. 大規模化から学んだこと • 全体の可視化を改めて行うこと • リーダーチームもサポート型に • 組織構造にあわせたアーキテクトを作ること
  • 93. まとめ スケールアップしても スクラムの原理原則はかわらない スクラムの導入に最も重要なのは 「Why」「検証と適応と透明性」
  • 94. 失敗から学んだことを お伝えしてきましたが
  • 95. 結局やってよかった?
  • 96. YES!
  • 97. Scale Upしてよかったこと • 仲間が増える • できることが増える • 学ぶことが増える
  • 98. 出来る、大規模アジャイル開発 失敗から学ぶことが出来れば大丈夫! そのためのWhyと透明性
  • 99. 出来る、大規模アジャイル開発 失敗から学ぶことが出来れば大丈夫! そのためのWhyと透明性 一つでも皆様のお役に立てるものがあれば 幸いです
  • 100. 課題を解決する仲間 絶賛募集中! • http://www.career.recruit-lifestyle.co.jp/