東京地検刑事部は3日、寝たきり状態になった男性(62)の財産3000万円を着服したとして業務上横領容疑で、男性の成年後見人だった妹塩野さと江容疑者(57)=東京都大田区=を逮捕した。
ほかに男性の財産計約1億5000万円が使途不明になっており、刑事部は塩野容疑者の関与を捜査している。
調べなどによると、男性は2002年、東京都三鷹市でひき逃げ事故に遭って寝たきり状態となり、東京家裁八王子支部が03年、男性の財産を管理する成年後見人に塩野容疑者を選任。
塩野容疑者は07年2月、男性に支払われた交通事故の保険金計3000万円を着服した疑い。横領した金は遊興費や会社の設立資金などに充てていたという。
家裁が塩野容疑者の財産管理状況を調査する過程で不正が発覚し、07年6月に同容疑者を解任。男性側は損害賠償を求め東京地裁に提訴し、約1億4500万円の支払いを命じる判決が確定したが、塩野容疑者は支払っていないという。