警察関係者は「一部の遺族、家族らが追悼式をボイコットするために彭木港を離れた。16日には一部の行方不明者家族が彭木港に残り、焼香所を訪ねた朴大統領の行く手を阻もうともした」と話した。
事故1周年当日に彭木港入りした遺族、家族26人も午前10時25分に安山への帰途に就いた。その後、セウォル号家族協議会を支援する一部団体は、コンテナを利用した焼香所の外側に「引き揚げをめぐりふざけたことをして、家族を2度殺す政府は目を覚ませ」「真相究明を阻む大統領令を直ちに廃止しろ」などといった横断幕を張り巡らし、中に入れないようにした。
遺族、家族らは公式には「大統領訪問反対」には言及しなかった。しかし、支援ボランティアは「朴大統領との会うのを拒むために立ち去ったものだ」と話した。
全南地方警察庁の関係者も「午前9時ごろに安山のセウォル号家族協議会関係者が『世論対策で大統領が焼香所を訪れるのを阻止しろ』というメッセージがモバイルメッセンジャー経由で彭木港にいる協議会メンバーに送られた。朴大統領の訪問を阻むのが目的だった」と話した。家族協議会と遺族、家族らは朴大統領の訪問を純粋なものとは見ておらず、「遺族、家族を慰める姿を見せるためのイベント」と受け止めた格好だ。
朴大統領は彭木港で遺族、家族らの要求について、「真相究明に関連しては、国会で『セウォル号特別法』が制定され、官民合同による真相究明特別調査委員会が発足し、直ちに追加調査が行われる」としたほか、「遺族、家族と被害者の苦痛を和らげるため、被害賠償、補償が速やかに行われるように最善を尽くしたい」と述べた。
しかし、大統領の言葉を聞く遺族、家族は現場にはいなかった。遺族、家族らを慰め、事故1周年を国民団結の場にしようとした朴大統領の彭木港訪問は、社会の分裂ぶりを見せ付けただけでわずか27分間で終わった。