文化審議会(宮田亮平会長)は16日、2015年度からおおむね6年間の文化芸術振興に関する基本方針を下村博文文部科学相に答申した。文化芸術が雇用や産業の創出につながると指摘し、歴史的な町並みを生かした観光振興や海外への情報発信の強化を打ち出した。政府は答申に基づき、月内にも第4次基本方針として閣議決定する。
答申は安倍政権が掲げる「地方創生」の一環として、文化資源の活用によって地域への観光客や移住者を増やす取り組みを支援すると明記。20年東京五輪を「日本の文化や魅力を世界に示すチャンス」と位置付けて、官民連携で訪日外国人の大幅な増加を図る考えを強調した。また、文化芸術を担う人材育成にも力を入れるとした。
文化振興の具体策では特徴が共通する文化財をまとめて「日本遺産」に選定。アニメや漫画、ゲームなどを含む文化的な資料の収集、保存を国立国会図書館などと協力して進める。文化芸術活動に参加したり、寄付したりする国民を20年までに倍増させるといった数値目標も盛り込んだ。〔共同〕
宮田亮平、下村博文