お嬢様大学卒アラフォー女性の末路「夫の給与減でパートで働く毎日」

2015年4月15日 11時50分 (2015年4月16日 21時10分 更新)
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バブル崩壊直後に入学した4人のそれぞれの今

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「1日パートに出ても日給は8000円くらいしかもらえません。一応、面接ではそういわれましたけど。税金を引かれ、何だかんだで手取りは7000円ちょっと。8時間労働という条件ですが拘束時間は実質9時間半くらい。もっと収入を増やしたいのですが40歳の主婦女性パートの採用はほとんどありません。とても好景気とは思えないです」

 こう語るのは、現在、東京都葛飾区に住むパート主婦・渡辺典子さん(仮名・43歳)だ。1995年に関西の名門お嬢様大学・K女子大学を卒業後、地場中堅食品メーカーで総合職として働いていたが27歳で結婚を機に退職。夫の転職による転居で東京に越してきて今年で16年目になる。

 今は週2回、大手運送メーカーで事務補助の派遣パートに出ている。年収は約80万円弱、手取りで約70万円だ。同い年の零細機械メーカーに勤務する夫の稼ぎは数年前の給与カットで今、年収500万円程、景気動向が変わったといわれる今でも昇給はない。

 渡辺さんと夫の収入を合わせた世帯収入は580万円(年収)だ。厚生労働省が実施した国民生活基礎調査(2013年)による40代の世帯平均年収額648万9000円を70万円ほど下回っている。そのため公立校とはいえ、小学校4年生、小学校2年生の2人の子を抱えての東京都内での一家4人の生活はかなり厳しいと渡辺さんは話す。

「マンションの家賃が約8万円、何とか子どもにも自分たちと同じだけの教育は受けさせてあげたい。だから塾や水泳教室といった学費は子どもふたりあわせて合計で10万円ほど。私のパート代はすべて子どもの学費に消えてしまいます。それでも足りないくらいです」

 確かに夫の年収500万円といっても、そこから住民税や社会保険料を差し引くと手取りは400万円ほど。なので実質的な手取りは世帯で約470万円といったところだ。ここから年間の家賃96万円、子どもの年間教育費120万を差し引くと254万円。1か月21万円で1家4人暮らしていかなければならない。

唯一の勝ち組は公務員夫婦で世帯年収1700万円

 渡辺さんがK女子大学に入学した1991年は、バブル崩壊の直前で“失われた20年”と呼ばれ長く続く不況期の始まりとされる年だった。それでもまだ華やかなバブル経済期の残り香があったためか大学時代はとても不況を実感することはなく学生時代を謳歌した。その楽しかったK女子大時代、渡辺さんを含む“仲良し4人組”は、今、見事に「勝ち組」と「負け組」、勝ち組から負け組へと転じた者とその明暗をわけている。

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