ニュースウオッチ9 (ニュース)
台湾は、原発事故から4年たった今も、福島県など5つの県で生産・加工された食品の輸入を停止する措置をとり続けている。日本側は輸入停止の解除を求め続けてきたが、台湾は日本からの輸入食品に対する規制をさらに強化する方針を明らかにした。台湾でも人気の「龍角散ののどすっきり飴」についても、先月末以降店舗から商品が撤去され、大量に返品されている。この製品は埼玉県などの工場で製造されているが、台湾当局が回収を要求してきた。メーカーの藤井隆太社長は、「同社の医薬品を輸入規制されている県で製造されているためではないか」とみている。
先月、台湾当局は「輸入を停止している5県で生産された疑いのある商品が見つかった」として、商品の回収が求めた。背景には、消費者団体から規制の強化を求める声が高まるなど、消費者の根強い反発がある。これを受けて、台湾の衛生当局はきのう、輸入規制を強化する方針を明らかにした。日本から輸入する食品に都道府県ごとの産地証明の添付を義務づけ、乳幼児向けなど一部食品については放射性物質の検査を求める新規制を来月にも実施するとしている。青森県りんご輸出協会の太田一民理事長は、「台湾の消費者が青森りんごに対して不信感・不安を持つ」と話す。
日本はこれまで、食品の安全性について繰り返し台湾に示してきた。先週には、王金平立法院長をはじめ約40人が千葉県東金市を視察し、「輸入解禁という声が高まるよう期待している」と話した。しかし、規制は強化される。台湾の馬英九総統は、「周りの国にならい、厳しすぎず優しすぎないよう対応したい」と話している。菅官房長官は、台湾側に科学的根拠に基づいた対応を求めていく考えを示した。