アイスティーを飲み過ぎると、腎臓に驚くほど負担がかかる可能性があることが、米アーカンソー医科大学(リトルロック)のAlejandra Mena-Gutierrez氏らの症例報告で示され、「New England Journal of Medicine」4月2日号に掲載された。
説明のつかない腎不全を有する56歳男性の腎生検を実施したところ、腎組織に多数のシュウ酸結晶が見つかった。シュウ酸は黒ビールや紅茶、インスタントコーヒー、チョコレート、大豆飲料、全粒粉のパン、ほうれん草など多くの食品や飲料に含まれている。同氏らによると、紅茶による多量のシュウ酸塩摂取に関連した腎結石の報告はこれまでもあったが、生検で証明された腎障害の報告はこれが初めてだという。
この男性は毎日16杯のアイスティーを飲んでおり、この習慣が腎不全の原因である可能性が疑われた。米国の平均シュウ酸塩摂取量は1日約150~500mgで、1日推奨量の40~50mg以下を上回っている。紅茶にはシュウ酸が100mlあたり約50~100mg含まれており、この男性は1日あたり1,500mgを摂取していたと推定される。
Mena-Gutierrez氏らは、シュウ酸塩濃度の高値により生じた腎障害は腎不全の理由としてあまり認識されていない可能性があるとし、「有害になりうる量は個人の体質や医学的状態に左右される」と述べている。ただし、本症例ではアイスティーの摂取が男性の腎不全と関連づけられたに過ぎず、原因であることは証明されていない。(HealthDay News 4月1日)
http://consumer.healthday.com/public-health-information-30/food-and-drug-administration-news-315/too-much-iced-tea-may-trigger-kidney-problems-697963.html
Copyright © 2015 HealthDay. All rights reserved.