全町民が避難を続ける福島県双葉町の震災と原発事故の記憶を多くの人に伝えようと、筑波大が16日、町とともに集めてきた資料の写真をホームページ(HP)で公開した。避難中の町民に国内外から届いた千羽鶴や、震災直後に避難した町内の小中学校の様子などが見られる。

 双葉町は96%が放射線量の高い帰還困難区域で、避難指示解除のめどが立っていない。筑波大の白井哲哉教授らは2013年6月、震災に関わる資料の保全や調査を進めるための協定を町教委と結び、数千点の資料を集めた。

 HPでは、埼玉県加須市の旧騎西高校にあった町民の避難所に届いた千羽鶴や寄せ書き、避難所で使われていた「仮設更衣室」の写真を公開。双葉中の教室の黒板は、震災当日が卒業式だったために「みんなはなれても友だちだよ」などと生徒たちの書き込みが残されたままになっている。