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【アシアナ機事故】
着陸前から「ガタガタと揺れ」「違和感」 何が起こったのか
一歩間違えば大惨事だった。14日夜、アシアナ航空のA320が大破した広島空港の事故。原因の究明が始まる中、乗客らは着陸前から大きな揺れと「違和感」を感じていた。乗客らの証言をもとに事故の状況を再現した。
ソウル発の162便は14日の出発前、機内放送で乱気流があることを知らせていた。午後8時5分ごろ、広島空港の東西に延びた約3千メートルの滑走路に東側から着陸しようとしていた。
着陸の10分ほど前から機体はガタガタと左右に大きく揺れた。乗客の岡崎みどりさん(52)は「体を持っていかれるような揺れだった」と振り返る。「頭を抱えろ」。どこからか男性の怒声も響いた。
「高度の下がり方が荒く2回、ふっと下がった」。8列目に座っていた男性(29)も違和感があったことを証言した。到着を知らせる機内アナウンスの約5分前にも上下に揺れた。
「ドン」と突き上げるような激しい着陸とともに機内の照明が消え、真っ暗に。前方からカートが飛び出し、女性客に当たった。非常灯だけがともる中、酸素マスクがぶらさがった。
着陸の瞬間、機体はバウンド。悲鳴に交じって「ファイア、ファイア」と英語の叫び声も。慌てた様子の客室乗務員が韓国語で何かを叫んでいた。