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聖マリから患者受け入れを 川崎市が近隣病院に要請

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  • 公開:2015/04/17 03:00 更新:2015/04/17 03:00
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 聖マリアンナ医大病院(川崎市宮前区)の医師が精神保健指定医資格を不正取得し取り消し処分を受けた問題で、川崎市は16日、市内の精神科診療体制を維持するため、近隣病院に患者受け入れを要請する考えを明らかにした。

 市によると、同病院の精神科受診者数は1日当たり平均約130人(2013年度)で、県全域で進めている精神科救急医療体制にも協力している。今回の不正取得問題で指導医を含む20人が資格を取り消され、常勤の指定医は5人に減少。病院側は当分の間、「神経精神科」の診療態勢を縮小するとしている。

 市役所で同日会見した市健康福祉局の坂元昇医務監は「人権に関わる重大な問題。病院に対して厳正に対処したい」と強調。資格を取り消された医師に大学側が懲戒免職や停職などの処分を下した場合を想定し、「最終的にどれくらいの指定医を確保でき、他の病院で患者を吸収できるのかなどを話し合いたい」と述べた。

 その上で、同医大病院が担っている精神障害がある患者の受け入れについて「市立川崎病院や、横浜市内の総合病院などにもお願いしたい」とし、地域の精神科医療体制を維持するための方策を検討する考えを示した。また、身体合併症がある患者の受け入れなどについては、「早急に医療継続のために努力してほしい」と要望した。


◆強制入院28人に関与
 川崎市は16日、精神保健指定医資格の不正取得で取り消し処分を受けた聖マリアンナ医大病院の医師が2010~14年度、本人の同意なしで強制的に入院させられた患者28人の判定に関わっていたと明らかにした。28人のうち4人は、不正取得した医師本人が判定していた。市は保健所などに勤務する市職員の指定医に依頼し、28人への判定が妥当だったかどうか、当時の診断書などから確認する。

 市によると、28人は、複数の指定医の判定に基づき、他人への危害や自傷の恐れがあるとして市長が決める「措置入院」となった患者。残る24人は指導医が判定していた。28人のうち1人は聖マリアンナ医大病院に入院し、27人は別の病院だった。現在も入院中の患者はいない。

 病院側は15日、措置入院に「不正取得の11人は関わっていなかった」とし、指導医については触れていなかった。16日になって「内部調査を院内に限っていた。他の病院に入院した患者については記録がないため、確認していない」と説明した。大学と病院側は調査委員会で事実関係を調べている。

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