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ALS進行のタンパク質特定 名大などのチーム

 運動神経細胞が壊れ、全身の筋肉が徐々に動かなくなっていく原因不明の難病「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」の進行に、「TGF―β1(ベータワン)」というタンパク質が大きく関わっていることを、名古屋大などの研究チームが突き止めた。進行を遅らせる治療につながる成果という。17日付の米科学誌セル・リポーツ電子版で発表した。

 名大環境医学研究所の山中宏二教授(神経内科学)らは、脳内で神経細胞の働きを助けて保護する「グリア細胞」がALSの進行に関与していることを過去に発見。今回は遺伝子操作でALSを発症させたマウスを調べた結果、症状が進むにつれてグリア細胞の1つで、タンパク質「TGF―β1」が増加していることを確認した。

 ALSを発症したマウスのTGF―β1を増やすと病気の進行が加速し、逆に働きを抑える薬剤を投与したところ生存期間が2割近く延びた。このタンパク質が神経保護機能を弱めていると考えられるという。

 ALSは発症後3〜5年で人工呼吸器での生命維持が必要になることが多いが、有効な治療法は見つかっていない。実際の患者でもこのタンパク質の増加が見られるといい、山中教授は「発症後に進行を遅らせる治療が期待できる」と話している。

(中日新聞)

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