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「緊張せずできた」 村上、納得の再出発 フィギュア

産経新聞 4月16日(木)21時13分配信

 来季の現役続行を決めた村上が、納得の演技で再出発の第一歩を記した。「1番(滑走)だったので、あまり緊張せずにできた」。SP最終組のトップバッター。満員の場内が刻んだ手拍子での激励に「いつもと違ってうれしかった」と聞き耳を立てる余裕すらあった。序盤の3回転フリップで回転不足を取られたが、最高難度のレベル4の評価を得たスピンやステップを堅実に刻み、巻き起こった大歓声に笑顔で応えてみせた。

 7位に終わった世界選手権(中国・上海)から帰国後は「かなりの不調」に陥り、進退にも悩んだ。母親や山田満知子コーチらと話し合いを重ねる中、「(心の)奥ではやりたい気持ちがあった」と決断。好物を口にする“ご褒美”の期間には3日で見切りをつけて炭水化物の摂取を控えた。新たに体幹トレーニングの導入を決めるなど、来季を見据えながら今大会に臨んでいる。

 18日のフリーは「(SPより)もっと不調」と苦笑する。ただSPをうまくまとめた自信は、復調に向けた好材料だ。「明日1日、何もない。あとはフリーのことだけ考え、少しでも戻せるようにしたい」。20歳の巻き返しはまだ始まったばかりだ。(奥村信哉)

最終更新:4月16日(木)21時13分

産経新聞