天皇、皇后両陛下は16日午後、東京都八王子市の「高尾みころも霊堂」を訪れた。霊堂には労働災害で亡くなった人々がまつられており、戦後を支えた経済発展の中で失われた命を、70年の節目に慰霊した。

 両陛下は、それぞれ胸の前で白菊の花束を持って霊堂の拝殿内を進み、供花台の前で一礼。花束を供えると、深々と頭を下げて拝礼した。

 霊堂には24万8千人が合祀(ごうし)されている。年間の労災死者数が1961年の約6700人から一昨年には1千人余りまで減ったことについて説明を受けた天皇陛下は、その推移を示すグラフを見ながら「平成になってからずいぶん減ってますね」と述べた。皇后さまは、胆管がんやアスベスト(石綿)が原因で亡くなった人が含まれていないことを気にかけていた。