朴大統領に非難続々 「セウォル号」沈没から1年の日に長期南米外遊 (1/2ページ)

2015.04.16


旅客船セウォル号沈没事故の現場に近い韓国南西部・珍島を訪れ、関係者の説明を聞く朴槿恵大統領(左から2人目)=16日(聯合=共同)【拡大】

 韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領にまた火種が増えた。304人が死亡・行方不明となった旅客船「セウォル号」沈没事故から1年となる16日に、南米4カ国歴訪に出発するためだ。側近への巨額裏金疑惑も深刻化するなかでの長期外遊(27日帰国)に、遺族や野党らが批判を強めている。朴氏は出発前、沈没現場に近い珍島(チンド)を訪問したのだが…。

 「遺族にお見舞い申し上げる」

 朴氏は16日、珍島でこう語った。遺族が真相解明のために要求している船体引き揚げについて検討することを表明したが、確約はしなかった。遺族の多くは、朴氏の到着前に現場を離れて、抗議の意思を示した。

 南米のコロンビアとペルー、チリ、ブラジルを歴訪する朴氏の外遊日程が発表された10日以降、韓国では「惨事から1年の日に出国するなんて、冷た過ぎないか」(遺族)、「前代未聞の権力型不正が明るみに出たのに、大統領がまるで他人事かのように海外歴訪に出かけるというのは納得し難い」(野党・新政治民主連合の報道官、ハンギョレ新聞、14日付)などと批判が噴出している。

 野党は、事故1周忌と巨額裏金疑惑を理由に「歴訪を延期すべきだ」と主張したが、大統領府は「国益を考慮するとやむを得ない判断だ」などと説明している。

 修学旅行中の高校生や引率教師ら261人が死亡・行方不明となった檀園(タンウォン)高校がある安山(アンサン)市では16日午後、追悼式典が行われる予定だったが、船体引き揚げの確約がなかったと遺族側が反発し、中止となった。

 

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