こんにちは、パオロ・マッツァリーノです。
私はいま、興奮を抑えきれません。なぜなら、図書館である本を読んでいたら、日本史の常識を覆す衝撃的な記述に出会ったからです。
それは、『はじめての道徳教科書』という本です。原文はやや冗長なので、要約してお伝えします。
私たちが今日あるのは、自分自身を直接生み育ててくれた父母のおかげだけではありません。
私たち一人ひとりを生んでくれた父親と母親にも、それぞれに両親がいますから、自分にとっての「祖父母」は4人です。その祖父母もそれぞれ両親を持っているから8人……
このように30代さかのぼると、21億人を超える祖先が、自分の「いのち」をつなぐために存在していたことになります。
仮に1世代を30年と考えると、30代前は約900年前、平安時代です。
なんということでしょう! 平安時代の日本の人口は21億人を超えていたことが、計算によって証明されました。少子化なんてどこ吹く風。現在の10数倍もの人間が、狭い日本の国土にひしめき合い、肩寄せ合い、ふれあいながら生きていた平安時代。
想像してください。平安京の朱雀大路は、きっと毎日、渋谷駅前スクランブル交差点のようなにぎわいを見せていたのでしょう。今日も道が混んでおるのぅ。麻呂は急ぐのじゃ。麻呂の牛車を通しておじゃれぇ……。
この道徳教科書の計算をさらに続けると、奈良時代には軽々と100億人を突破、縄文時代には……ああ、計算する手がふるえます。悠久のロマンを感じずにはいられません。
私は今日、確信しました。日本の教育に欠けているものは道徳ではなく、歴史と算数であることを。
[ 2015/04/16 18:22 ]
未分類 |
TB(-) |
CM(-)