寺社液体被害:9府県33カ所で確認…パトロール強化指示

毎日新聞 2015年04月16日 12時37分(最終更新 04月16日 12時45分)

鎌倉時代の秘仏「如意輪観音」を納めた厨子に残る液体の跡=奈良県桜井市の談山神社で2015年4月10日、小関勉撮影
鎌倉時代の秘仏「如意輪観音」を納めた厨子に残る液体の跡=奈良県桜井市の談山神社で2015年4月10日、小関勉撮影

 奈良や京都などの神社や寺で油のような液体がまかれた事件で、警察庁の金高雅仁長官は16日、被害を9府県33カ所で確認していることを明らかにした。10日に全国の警察にパトロールの強化や初動捜査の徹底を指示しており、各府県警は文化財保護法違反や器物損壊容疑で捜査し、防犯ビデオの解析や液体の鑑定を急いでいる。

 警察庁によると、15日までに被害が確認されたのは奈良県が最多で世界遺産の東大寺大仏殿など19カ所。他に京都府4件▽千葉県3件▽兵庫県2件▽茨城・香川・静岡・滋賀・新潟の各県が1件だった。金高長官は「貴重な文化財の価値を損なう悪質な事案で続発の防止に努める」と述べた。【長谷川豊】

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