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老人ホーム化する刑務所、「出るのが怖かった」−高齢化で医療費増も

Bloomberg 4月16日(木)6時32分配信

問題解決に向かう努力は始まったが道のりはまだ長いと、龍谷大学の浜井教授は言う。地域定着支援センターも数少ない要員で作業をしているし、犯罪者に対する社会の偏見もまだまだ強いからだと浜井氏。

出直し

元受刑者を受け入れる老人ホームを探すのも至難の業だ。日本ではすでに特別養護老人ホームに入所できていない高齢者が52万人もいる。また、今後高齢者の独り暮らしは増加をたどる一方で、地域社会や家族の絆が薄れる中、支援を必要とする高齢者も増えるだろう。

しかし、現在進行中のプログラムが受刑者に一筋の光明を与えていることも確かだ。社会福祉士の伊豆丸氏が3月に佐世保刑務所で講義をした際、参加した受刑者は出所後の人生に安堵と希望を見いだしていた。

参加者の1人は、窃盗などで過去10回服役経験があった高齢受刑者だった。元建設作業員で、60代後半に差しかかり、仕事が見つからない。両親や兄弟を亡くし、帰る場所もないので、犯罪を繰り返した。

「こうした支援をしてくれるところがあるなんて知らなかったので、うれしかった、出所してからの生活に希望が持てる。年が年なので出直すなんて言える年齢ではないが、真面目に出直したいと心に決めた」と男性は述べた。

記事についての記者への問い合わせ先:東京 Kanoko Matsuyama ,kmatsuyama2@bloomberg.net

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上野英治郎 ,yokubo1@bloomberg.net,acordeiro2@bloomberg.net,bbremner@bloomberg.net

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最終更新:4月16日(木)6時32分

Bloomberg