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イワナ食堂、災難乗り越え15日再開・栗原

イワナ料理を手にする数又さん(左)と妻の八千代さん

 国内で初めてイワナ養殖に成功した栗原市栗駒沼倉耕英南の養魚場で、1月に全焼したイワナ料理の食堂が15日に営業を再開する。経営する数又貞男さん(63)が、以前の食堂に隣接する自宅の台所などを改装しての再出発。本格的な観光シーズンを前に保健所の営業許可が下り、地震など度重なる災難を乗り越えてきた味を提供する。
 自宅の客間(8畳)を12人座れる食堂にした。県水産技術総合センター内水面水産試験場が開発した、通常の2倍の大きさに育つ雌イワナ「伊達いわな」のかば焼き丼や刺し身を新メニューに載せる。
 イワナの雌は秋の産卵期、餌を食べなくなり身がやせるが、伊達いわなは卵を生まないため脂が乗った状態で食べることができる上、成長が早い。数又さんは2年前に試験場から稚魚を譲り受け、養殖していた。
 食堂「岩魚(いわな)の館」が全焼したとき、数又さんは「秋までに食堂を再建できれば」と考えていた。だが、常連客が営業用の食器を送ってくれたり、「いつ再開するの」との問い合わせを受けたりする中で、「応援してくれる人がいる。頑張ろう」と自宅改装で営業を早めることを決めた。
 耕英地区は栗駒山麓にある戦後の開拓地。シベリア抑留後に入植した数又さんの父が炭焼きを経て1971年、イワナ養殖に成功した。食堂は85年開業で観光客に人気だったが、2008年の岩手・宮城内陸地震で養魚施設が全壊。11年の東日本大震災の福島第1原発事故後は放射能汚染の風評被害に悩まされた。
 数又さんは「2度の震災を耐え忍んできただけに、食堂焼失のショックは大きかった。それでも多くの人たちの応援で前を向くことができた。おいしいイワナを提供し、栗駒観光の発展につなげたい」と口元を引き締めた。
 連絡先は0228(46)2136。


2015年04月15日水曜日

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