福井地裁の高浜原発3、4号機再稼働差し止め仮処分決定で、関電側は決定を不服とする異議と、一時的に効力を止める執行停止を同地裁に申し立てる意向を示している。同地裁またはその次に審理する高裁で認められるか、本訴訟に持ち込んで勝訴しなければ、決定の効力は継続し、再稼働できない状態が続く。
地裁での審理期間について住民側弁護団は「半年から1年程度かかるのでは」との見方を示す。執行停止については「仮処分で認められたケースはほとんどない」という。
申し立てが認められなかった場合、名古屋高裁金沢支部に保全抗告するとみられる。認められれば再稼働できる。退けられた場合、最高裁への特別抗告や許可抗告があるが、「ハードルはかなり高い」(住民側弁護団)としている。
関電側は裁判所を通じて住民側に提訴を求める「起訴命令」を出すことができ、この本訴で仮処分決定を覆すことができれば効力は消える。
仮処分は通常の訴訟で争うと時間がかかるため、当事者の権利を守る目的で暫定的に行う手続き。関電によると、地元同意の手続きなど再稼働に向けた取り組みは進められるが、発電はできないという。