米航空宇宙局(NASA)の主任科学者が地球外生命体について「10年以内に確かな兆候が得られ、20〜30年以内に決定的な証拠がつかめると確信している」と発言し、欧米で大きな話題となっている。この女性研究者は、調査で生命の源となる水の存在する可能性が高い複数の天体を確認済みであることを主な理由に挙げ、地球外生命体の発見に強い自信を示した。NASAの他の研究者も太陽以外の恒星のハビタブルゾーン(生命居住可能領域)で地球に良く似た惑星が多数、見つかっている点を指摘し、彼女の主張に同意している。(SANKEI EXPRESS)
宇宙関連の米ニュースサイト、スペースドットコムや米CBSニュース、米CNNテレビ(いずれも電子版)などによると、この衝撃発言は7日に米ワシントンDCで開かれたパネルディスカッションで、NASAの女性主任科学者、エレン・ストファンさんから飛び出した。
ストファンさんは、遅くとも2045年までに地球外生命体の決定的な証拠が得られると明言。「私たちは、どこをどのように探すべきかを理解している」と述べ、地球外生命体との遭遇に自信を見せた。
ストファンさんの自信には確たる理由がある。NASAは3月、ハッブル宇宙望遠鏡を用いて木星の第3惑星「ガニメデ」の地下に巨大な海がある証拠を発見。同じ3月には、NASAの無人探査機ドーンが地中に水分があると見られている火星〜木星間の小惑星帯にある準惑星「ケレス」の周回軌道に到着した。
NASAはガニメデには厚さ150キロの氷層があり、その下に深さ約100キロの海が広がっているとの見方を示し、「地球外生命体のいる可能性が出てきた」としている。準惑星ケレスについても表面のクレーターなどに明るく輝く白い点があり、研究者は氷や塩分の堆積物が太陽光を反射していると分析。表面からは水蒸気の放出も観測されている。
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