JASRACの「独占禁止法違反」が最高裁で確定か?
「JASRACが新規参入を妨害している」という東京高裁の判決が確定する見通しだ。
28日に最高裁が判決
「日本音楽著作権協会(JASRAC)」の音楽著作権使用料の徴収方法が「独占禁止法違反」に当たるかという訴訟で、最高裁は高裁判決を見直す際に必要な弁論を聞かずに28日に判決を言い渡すことを決めた。
東京高裁の「JASRACの徴収方式が新規参入を妨害している」という判決が確定する見通しだ。
JASRAC、放送局と「包括契約」
JASRACは著作権管理業界での業界シェアの9割超を占めている。
各放送局はJASRACと曲が流れた回数や時間を問わず、各局の放送事業収入の1.5%を使用料として徴収するという「包括契約」を結んでいる。
新規参入会社が提訴
提訴したのは2006年に著作権管理業界に新規参入した「イーライセンス」だ。
公正取引委員会は2009年にいったん「JASRACの徴収方法は独占禁止法にあたる」と排除措置命令を出したが、JASRACからの不服申し立てを受けて独占禁止法に違反しないという審決を出した。
この審決の取り消しを求めて「イーライセンス」が提訴した。
東京高裁、公取委の審決を取り消し
一審となる東京高裁は2013年、JASRACの徴収方式についてこのように指摘し公正取引委員会の審決を取り消した。
新規参入を著しく困難にし、他の業者の活動を排除する効果がある
この判決を受けて公正取引委員会が上告していた。今回、最高裁が高裁判決を見直すために必要な口頭弁論を開かずに判決を出すと決めたことから、この東京高裁の判決が確定する見通しとなった。
ネット上には「ようやく」という声
この見通しを受けて、ネット上には多くの反響が寄せられている。
今回のこれは、公正取引委員会が「問題ない」→イーライセンスが「おかしいだろゴルア」→東京高裁が「おかしいよね」→最高裁も「おかしいよね」ということ。公正取引委員会はJASRAC側だった訳だ。それもどうなんだ、という話。
— nea (@neajazz) 2015, 4月 15
JASRACはもっと罰せられるべき
— 鵺 (@kurakumo_nue) 2015, 4月 15
続き。1曲ごとに徴収する方法が本来なのに、手間がかかるとして便宜上一律徴収しているJASRACだけど、イーライセンスが一曲ずつ徴収できているので、手間がかかるという言い訳ができなくなった、ということかね。
— Honda Koichi (@gateballism) 2015, 4月 15
JASRAC以外の著作権管理団体が管理する楽曲については、放送での使用を制限しているという事例は存在する。だからといって、包括契約自体を無くす事になれば、放送での音楽使用が極端に少なくなる事も予想される。聴取者不在の論争になっているように思えるのだが。
— take2-chances (@t2cjp) 2015, 4月 14
JASRACを独禁法上適法だとした公取委の審決を取り消した判決が確定しそうらしいですね。確定すれば審決やり直し、というか何年かかるのこれ
— 鈴折 (@sin_Lv98) 2015, 4月 14
JASRACの次はNHKの徴収方法もどうにかならないかな…
— ガキオン (@gakiooon) 2015, 4月 14
見通しどおりに最高裁で東京高裁の判断を支持する判決が出た場合、公正取引委員会は再び審決をやり直すことになる。
- 出典元:JASRACの徴収方式「参入妨害」 高裁判決確定へ - 朝日新聞デジタル(4/15)
- 出典元:著作権料上告審判決へ…JASRACが私的独占 - 読売オンライン(4/14)