JASRACの「独占禁止法違反」が最高裁で確定か?

2015年04月15日 17時28分

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123RF
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「JASRACが新規参入を妨害している」という東京高裁の判決が確定する見通しだ。

28日に最高裁が判決

「日本音楽著作権協会(JASRAC)」の音楽著作権使用料の徴収方法が「独占禁止法違反」に当たるかという訴訟で、最高裁は高裁判決を見直す際に必要な弁論を聞かずに28日に判決を言い渡すことを決めた。

東京高裁の「JASRACの徴収方式が新規参入を妨害している」という判決が確定する見通しだ。

JASRAC、放送局と「包括契約」

JASRACは著作権管理業界での業界シェアの9割超を占めている。

各放送局はJASRACと曲が流れた回数や時間を問わず、各局の放送事業収入の1.5%を使用料として徴収するという「包括契約」を結んでいる。

新規参入会社が提訴

提訴したのは2006年に著作権管理業界に新規参入した「イーライセンス」だ。

公正取引委員会は2009年にいったん「JASRACの徴収方法は独占禁止法にあたる」と排除措置命令を出したが、JASRACからの不服申し立てを受けて独占禁止法に違反しないという審決を出した。

この審決の取り消しを求めて「イーライセンス」が提訴した。

東京高裁、公取委の審決を取り消し

一審となる東京高裁は2013年、JASRACの徴収方式についてこのように指摘し公正取引委員会の審決を取り消した。

新規参入を著しく困難にし、他の業者の活動を排除する効果がある

この判決を受けて公正取引委員会が上告していた。今回、最高裁が高裁判決を見直すために必要な口頭弁論を開かずに判決を出すと決めたことから、この東京高裁の判決が確定する見通しとなった。

ネット上には「ようやく」という声

この見通しを受けて、ネット上には多くの反響が寄せられている。

見通しどおりに最高裁で東京高裁の判断を支持する判決が出た場合、公正取引委員会は再び審決をやり直すことになる。