高浜原発:福井地裁仮処分に田中氏「事実誤認がいっぱい」
毎日新聞 2015年04月15日 18時42分(最終更新 04月15日 19時11分)
原子力規制委員会の田中俊一委員長は15日の定例記者会見で、関西電力高浜原発3、4号機(福井県)の再稼働を差し止めた福井地裁の仮処分決定について、「事実誤認がある。新規制基準は世界で最も厳しいレベルだと理解されなかったのは残念だ」と述べ、基準を見直さない方針を示した。
田中委員長は冒頭、「我々の取り組みが十分に理解されていない」と発言。決定が新規制基準を「合理性を欠く」などと否定したことについて、「原発事故の教訓からかなり厳しい要求をしている。今のところ見直す必要性は感じていない」と述べた。
決定は「使用済み核燃料プールの給水設備の耐震性を最高クラスにしていない」などとして「規制方法に合理性がない」と断じた。これに対し、田中委員長は「給水設備は最高クラスに分類している」と反論。想定する地震の最大の揺れ「基準地震動」について「信頼性を失っている」と指摘されたことについても誤認とし、「(決定には)事実誤認がいっぱい書いてある」と不快感を示した。【鳥井真平】、