2015年4月15日20時22分
関西電力高浜原発3、4号機(福井県)の再稼働を禁じた福井地裁の仮処分決定について、原子力規制委員会の田中俊一委員長は15日の定例会見で「十分に私どもの取り組みが理解されていない点がある」とし、事実関係に誤認があると反論した。今後の審査や検査については「粛々と、というか、我々の仕事としてやらなきゃいけない」として、進める考えを示した。
田中委員長は、新規制基準が合理性を欠くとした判断に「(新基準は)福島第一原発事故の教訓を踏まえ、世界でも最も厳しいレベルにある。どういう意味で使われているのか真意はわからない」と述べ、基準や審査内容を直ちに見直す考えはないとした。そのうえで事実誤認を指摘。使用済み燃料プールに水を送る設備の耐震性が「Bクラス」とされたのは、最も高い「Sクラス」だとした。
最大級の地震の揺れを原発ごとに想定する基準地震動が「地震の平均像をもとに策定する」とした点についても誤認とした。規制委によると、地震の揺れを予測するための法則は過去の地震の平均から導き出している。ただ、原発に最も影響が大きくなるよう活断層などの条件を設定。過去に想定を超えたことも踏まえ、不確かな部分を見込んで設定しているという。
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