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専門家「原子力規制委は社会に問うべき」4月15日 5時31分
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福井県にある高浜原子力発電所の再稼働を認めない仮処分の決定で裁判所が「新しい規制基準は緩やかすぎて原発の安全性は確保されていない」という判断を示したことについて、専門家は「どこまでやれば受け入れられるのか、原子力規制委員会は社会に問うべきだ」と指摘しています。
高浜原発3号機と4号機の再稼働を認めない仮処分の決定の中で、福井地方裁判所の樋口英明裁判長は「厳格な基準にすべきだが、新しい規制基準は緩やかすぎて安全性は確保されていない」という判断を示しています。
この点について、科学技術社会学が専門の東京電機大学の寿楽浩太助教は「電力会社や規制当局は事故をなるべく起こさないよう安全性向上の対策を尽くすという立場であるのに対し、裁判所は、深刻な事故の起こる可能性が高いか低いかではなく万が一にでも事故が起きて、被害が受け入れられないものであるならば、原発を動かすことは認められない場合もあるという立場に立っている」として原発の安全に対する考え方が違っているとしています。
そのうえで、「原子力規制委員会はどんな危険をどこまで取り除くのかについて現状の考え方に固執せず、絶えず見直すとともに、どこまでやれば受け入れられるのか、社会に直接的に問いかけるべきだ」と指摘しています。
一方、日本地震学会の元会長で、京都大学名誉教授の入倉孝次郎さんは決定について「地震の揺れだけでなく、津波による被害や火山、人為ミスなどさまざまな面を総合的に考慮する必要がある」と指摘しています。
このように専門家の間にはさまざまな見方があり、今回の決定をどう受け止めるべきか、議論が広がりそうです。
この点について、科学技術社会学が専門の東京電機大学の寿楽浩太助教は「電力会社や規制当局は事故をなるべく起こさないよう安全性向上の対策を尽くすという立場であるのに対し、裁判所は、深刻な事故の起こる可能性が高いか低いかではなく万が一にでも事故が起きて、被害が受け入れられないものであるならば、原発を動かすことは認められない場合もあるという立場に立っている」として原発の安全に対する考え方が違っているとしています。
そのうえで、「原子力規制委員会はどんな危険をどこまで取り除くのかについて現状の考え方に固執せず、絶えず見直すとともに、どこまでやれば受け入れられるのか、社会に直接的に問いかけるべきだ」と指摘しています。
一方、日本地震学会の元会長で、京都大学名誉教授の入倉孝次郎さんは決定について「地震の揺れだけでなく、津波による被害や火山、人為ミスなどさまざまな面を総合的に考慮する必要がある」と指摘しています。
このように専門家の間にはさまざまな見方があり、今回の決定をどう受け止めるべきか、議論が広がりそうです。