全国的に問題になっている老朽空き家の解消を目指した空き家対策推進特別措置法が2月から一部施行され、5月26日に全面的に施行される。「倒壊の危険」などの理由から市区町村長が「特定空き家」と判断すると、勧告などを経て最終的に解体・除去の行政代執行ができるようになった。同法と連動して土地の固定資産税の減免特例措置も除外されるなど空き家を放置していた所有者に厳しい規定が盛り込まれており、増え続ける一方で、なかなか進まない空き家解消の切り札に、と期待されている。
議員立法で昨年11月に成立した同法は、空き家を「年間を通して居住や使用実績がない建物」と定義。さらにそのうち、(1)そのまま放置すれば倒壊など保安上危険となるおそれがある(2)衛生上有害となるおそれがある(3)適切な管理が行われていないことにより景観上問題(4)周辺の生活環境を保つために放置することが不適切――と市区町村長が判断したものを「特定空き家」とし、解体・除去の対象にできるようにした。
国土交通省と総務省は同法に基づき都道府県や市区町村の役割や実施体制の整備などを示した空き家対策の基本指針を策定。これを受けて市区町村は空き家の実態把握や所有者の意向調査をし、空き家対策計画を策定する。
同法でこれまで自治体の税務担当部署しか利用できなかった固定資産情報を、市区町村が空き家所有者の把握に限って利用することができるようにしたことと、特定空き家の実態把握のための立ち入り調査や、行政代執行で解体・除去ができるようにしたのが大きな特徴だ。
少子高齢化や地方の過疎化などで空き家は増え続ける一方で、昨年公表された総務省の住宅土地統計調査によると、2013年10月現在の空き家は820万戸で、全住宅に占める空室率は13・5%に上る。各自治体は対策に頭を悩ませているものの、同月時点で401の自治体が空き家に関して防犯・防災や環境、景観などの面から何らかの条例を施行しているが、残りの約1300の自治体は条例を制定していなかった。
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