固い握手を交わすキューバのラウル・カストロ議長とアメリカのオバマ大統領。
日本時間の今日午前、米州首脳会議の開会式で2人は顔を合わせ、言葉を交わした1月に国交正常化交渉が始まって以来、2人が会うのは初めて。
北米・中南米の35カ国が参加する米州首脳会議にはこれまでアメリカの意向により参加できなかったキューバが初めて参加した。
雪解けムードを国連のパン・ギムン事務総長も歓迎した。
1959年、キューバ革命で親米政権を倒して以降、キューバは革命の指導者、フィデル・カストロ氏のもとで反米路線を貫いてきた。
国交断絶から53年。
去年、アメリカは国交正常化の方針を表明。
兄、フィデルの後を継いだラウル・カストロ議長も歓迎する。
アメリカにとって敵対関係の解消はキューバ市場進出による経済効果のほか、キューバと蜜月関係にあるロシアをさらに国際社会で孤立化させることにも大きな効果がある。
オバマ大統領はワシントンを出発する前、キューバが強く求めていたテロ支援国家指定の解除に応じる考えを示している。
また、9日には両国の外相が国交断絶以来初めての会談を行い、未解決の課題について協議継続で一致するなど首脳会談に向けた地ならしは急速に進んでいた。
明日には半世紀ぶりの首脳会談が実現すると見られている。
激しい対立を経て国交正常化の動きを進めるアメリカとキューバ。
明日、首脳会談が実現すれば両国の政策転換の象徴と言える歴史的瞬間になりそうです。
1950年代のアメリカ車が走るキューバの首都ハバナ。
この光景も大きく変わることになりそう。
アメリカとキューバのトップ会談が改善されることを素直に歓迎したいと思います。
こういうアメリカの多元的な外交を私たちの国も学びたいものです。
去年12月、横浜市内の河川敷で当時17歳の男子専門学校生が暴行され、その後、死亡する事件があった。
警察は今日、この事件で友人の男子高校生3人を逮捕しました。
取り調べが行われていた鶴見警察署から中継。
今日昼前に逮捕された男子高校生3人は先ほどまでこちらで取り調べを受けていました。
暴行と保護責任者遺棄致死の疑いで逮捕されたのは、横浜市鶴見区のいずれも17歳の男子高校生3人。
警察によると3人は去年12月、鶴見川の河川敷で専門学校生だった山口亘さんに対し酒を飲ませて殴ったり蹴ったりした上、何度も川に突き落とすなどの暴行を加えた後、そのまま現場に放置して死亡させた疑いが持たれている。
3人と山口さんは同じ中学校の出身で事件当日は未明から早朝にかけて負けた人が酒を飲むゲームをしていたとのことで、山口さんは大量に酒を飲まされ寝込んだところを暴行され、川に落ちて溺れたと見られている。
3人は容疑を認めているということで警察は事件のいきさつなどを慎重に調べている。
昨日、茨城県の海岸で156頭のイルカが打ち上げられたことを受け、今日、海洋学の専門家が現地入りし大量に打ち上げられた原因の調査に乗り出した。
こちら茨城県鉾田市の海岸では2日目にもかかわらず、イルカが大量に打ち上げられています。
サーファーが早朝から沖に戻す作業を進めています。
今朝、地元のサーファーらが衰弱したイルカを海に戻そうとするが波に押し返されて海岸に戻ってきてしまう。
茨城県鉾田市上空です。
たくさんのイルカが広範囲にわたって打ち上げられています。
茨城県鉾田市などの海岸に打ち上げられたイルカ。
その数は156頭に上った。
地元の人たちや海上保安庁の関係者がイルカをクレーンで引き上げるなどして次々と救出したが、衰弱死したイルカはおよそ100頭に上ることがわかった。
今朝早くから衰弱死したイルカがそりに乗せられ、1カ所に集められた。
1カ所に集められたイルカはこれからテントの中に運ばれ、解剖が進められて、死因が特定されるということです。
今日は国立科学博物館などの専門家が現地入り。
海岸に張られたテントでイルカが打ち上げられた原因を調べるため、解剖が行われた。
専門家によると、死因につながるような傷や病気はこれまでに見つかっていないとのことだが、イルカの内臓などを研究室に持ち帰り寄生虫や環境汚染物質がないか、詳しく調べることにしている。
女性を殺害した疑いで逮捕された名古屋大学の19歳の女子学生が高校の同級生に毒を盛ったとされる事件で、女子学生が別の人にも毒を飲ませたという趣旨の供述をしていたことがわかった。
今年1月に逮捕された名古屋大学の19歳の女子学生は去年12月、名古屋市昭和区の自宅アパートで知人の森外茂子さん77歳を首を絞めて殺害した疑いが持たれている。
逮捕後、女子学生は人を殺してみたかったと容疑を認めた上で、高校生の頃、同級生に毒を盛ったと供述、同級生だった男子生徒から劇物のタリウムが検出され、男子生徒は視力が著しく低下する後遺症が残り、警察が傷害容疑で捜査している。
また女子学生は、別の人にも毒を飲ませたという趣旨の供述をしていたことが関係者への取材で新たにわかった。
しかし、男子生徒の事件とは異なり供述を裏づける証拠が少ないとのことで、警察は慎重に調べている。
アメリカ・カリフォルニア州で無抵抗の容疑者の男に複数の保安官が殴る蹴るの暴行を加える様子が報じられ、市民の反発を招いている。
これは9日、地元テレビ局が放送したもので個人情報を盗んだ疑いを持たれた男が車を乗り捨て、盗んだ馬に乗って逃走した。
男は落馬し、追い詰められて地面に伏せるが、保安官2人が無抵抗の男に殴る蹴るの暴行を加え、ほかの保安官も加わった。
保安官事務所には抗議のメールや電話が殺到し、会見した幹部は10人が暴行に加わったと述べ、厳正に対処するとしている。
アメリカでは今月4日にも白人の警察官が黒人男性を背後から射殺する事件が起きたばかり。
脳腫瘍で余命2カ月と宣告されながら大学バスケットボールの公式戦に出場し、全米で話題となった女選手が10日、亡くなりました。
19歳でした。
オハイオ州の大学のバスケットボール部所属だったローレン・ヒルさん。
脳腫瘍で余命2カ月と診断された去年11月、公式戦でシュートを決めるとの彼女の夢をかなえようと協会が特例で開幕を早めた公式戦に出場し、試合は全米に生中継された。
麻痺に苦しむ手でシュートを決めたヒルさん。
この試合から5カ月後の今月10日、病院で息を引き取ったとのこと。
病と闘いながら決して夢をあきらめないと語っていたヒルさん。
彼女が始めた小児ガン研究の寄付には1億8000万円を超える金額が集まっているとのこと。
外国人観光客も多く訪れるリゾート地で車が爆発し、ケガ人が出ている。
タイ南部のリゾート地、サムイ島の商業施設で10日、駐車場に停めてあったトラックが爆発した。
地元警察によると、この爆発でタイ人6人のほか、12歳のイタリア人の少女がケガをしたいが、いずれも軽傷だとのこと。
トラックは偽造のナンバープレートで地元警察は車に仕掛けられた爆弾が爆発したものと見て捜査を始めた。
ジハード=聖戦で死ぬ準備はできているなどとイスラム国を支持する書き込みをネットで行い、アメリカ陸軍基地での自爆テロを計画したなどの疑いでカンザス州の男がアメリカ司法当局に逮捕された。
ロイター通信によると、男はFBIのおとり捜査の対象となっていてFBIの捜査員が自爆テロ用の偽物の爆弾製造を手伝い、現在、ご覧いただいていますのはドローンと呼ばれる小型無人機のカメラを通した映像です。
高さは100mぐらいまで上がれるそうなんですが、現在はスタジオの照明にもぶつかることなく器用に水平にホバリングしていますね。
このように安く、手軽で、通常のヘリコプターでは飛べないような場所にも行けるので様々な利用方法が世界中で提案されています。
今、空の産業革命として大きく注目されているんです。
ところが、このドローン、利用者の急増に伴って墜落事故も相次いでいます。
これから始まるというルールづくりはどうあるべきなのでしょうか。
低空から鳥のような目線で急上昇する。
橋を真上から撮影することもできる。
これらの映像は、人が乗らない小型のヘリコプター、無人機ドローンで撮影されたもの。
人が立ち入ることができない災害現場での活用も始まっている。
通常のヘリとは違い、安く、手軽に撮れる低空の映像を各地の自治体は観光のPRに活用している。
夏の夜空を彩る大輪の花火を真横に見ることもできる。
これまでできなかった風景の撮影が誰でも可能になり、人気に火がついた。
この映像は、スノーボードをする男性をドローンが追いかけて撮影している。
ここドローンマルチコプター売り場となっていてすぐ目につくところに売り場があります。
東京都内の家電量販店は展示コーナーを増設し、20種類ほどのドローンを置いている。
中国製などが中心だが日本のものもある。
どれが一番売れてるんですか?当店ですと、こちらが第1位にものになっています。
1万2800円、これですね。
この店には1万円台から40万円近くするものまである。
価格の差は飛ばせる時間や距離など、機体の性能による。
初めてこういうものを動かすって人も多いわけですね?親子で買いにこられる方もいらっしゃれば、お孫さんと買いに来て、一緒に楽しんでされる方もいらっしゃいますので本当に年齢層は広くなっています。
アメリカではネット通販大手のアマゾン・ドット・コムがドローンで自宅に荷物を届ける計画を打ち出し、話題となった。
アメリカのドローン関連市場は2020年までに1兆8000億円規模に拡大するとの試算もある。
2013年の6000億円から3倍にも膨らむ。
日本でも熱い視線が注がれている。
既に実験的な取り組みも始まっている。
香川県高松市では今年1月、港からおよそ8kmの離島に医療機器を運ぶ試みが成功した。
都内の靴販売店ではドローンが買い物客の目の前まで商品を運ぶサービスも。
このドローンによる経済効果は空の産業革命と呼ばれるほど大きな期待を集めている。
ほとんどの企業からすると、空というものは全く無縁だったんですよね。
そこに対して非常に安価で誰でも飛ばせるもの、まあ誰でも空が活用できるものが出てきましたので。
今までまったくなかった市場が一気にでき始めたというところが産業革命といわれるゆえんだと思うんですよね。
この企業は別々の場所にいる人がウェブ上で会議できるサービスを提供している。
今後、災害時などにドローンから送られる生の現場映像をウェブ会議でも見られるようにする予定。
地図の行かせたい場所をクリックすると、その場所にドローンが飛んで行って、その場の映像がこのような形でリアルタイムに映ると。
これを見ながら実際の現場の様子を見て、リアルタイムに意思決定をして、問題解決であったりとか、対策、これが今までよりも圧倒的にスムーズにできるようになっていくと。
ドローンへの期待が高まる一方で安全運行に関しては、今結構、問題になってるのが、こういったものにルールが正直ほぼないというのが今のところの問題にはなっておりますので。
誰でも手軽に買えるドローンだが思い通りに飛ばすのは簡単ではない。
初心者講習に日下部キャスターが参加した。
これから飛ばす練習をやります。
座学の後は実技講習。
この日は悪天候のため、練習は室内で行う。
おおよそ運転とか操縦は苦手なんだけど。
あ、動いた。
ちょっと早いですね。
幾つかの操作を同時に行う必要があるのだが…これどうするんでしたっけ。
ああ〜、だめ。
いっぺんに全部のことは全くできません。
やっぱりすごい一点に集中しちゃうし、周りの状況はわかりづらいですね。
利用者の増加に伴い事故も各地で相次いでいる。
神奈川県大磯町では去年11月、マラソン大会を撮影していた機体が突然墜落。
運営スタッフが顔に軽傷を負った。
広島では橋の老朽化点検をしていた機体が墜落し炎上。
県が委託して飛ばしていた機体だった。
福島では、日本原子力研究開発機構による試験飛行で重さ5kgの機体が民家の屋根に積もった雪に接触し墜落。
さらに、インターネットの投稿サイトには事故を起こした利用者が自ら公開した動画が多数存在する。
こちらはイベント会場で男性が子どもたちを前にドローンを低空飛行させる映像。
中には、ぶつかりそうになったり、ドローンに少年が手を伸ばす姿もあった。
この動画に対し、サイトにはプロペラでケガをしかねないなどとコメントが相次いだ。
去年、ネット上に投稿されたこの映像。
ドローン墜落の一部始終が記録されており、投稿者は墜落までの様子を字幕で実況している。
現場は、福岡県にある小学校の正門前。
ここですね、この間を通ってますね。
この苅田小学校のカラータイルのこれが見えてこれを通り越して向こうにトンと落ちた感じですね。
校長は墜落事故が起きていたことをこの動画で初めて知ったと言う。
たまたま人が通ってなかったら、ケガもしなかったし、命にかかわるようなこともなかったけれどももしうちの子どもがいたり、歩行者がいたら、大変なことになっていたと思います。
墜落はどうやって起きたのか。
校庭を離陸した機体は一気に高度を上げ、校舎の上空に。
空中で暴走!と記す投稿者。
機体はコントロールを失い、その後も、もうどうすることもできない、さらには、JRの高圧線に接触の危険と続く。
一歩間違えば大事故につながりかねない状況だ。
最後には、民家に墜落を覚悟との字幕、そして…操縦不能になる可能性のあるものを飛ばせば事故が起きる可能性は大きいと。
ちょっと甘い、軽い。
こう話すのは、測量会社を経営する金子和夫さん。
ドローンによる空撮も新たな事業として展開している。
金子さんは不慣れな操縦者による事故が相次いでいることに危機感を持っている。
揺れ始めましたね。
これ完全に落ちる。
完全に見失ってるみたいですね、操縦してる人がね。
普段の撮影の方法を見せてもらった。
ヘルメットしなきゃいけない。
これ、いつもされるんですか?はい。
別に義務づけられてるわけじゃない?そうですね。
これをかけて、こういう体勢ですねそうすれば、何があっても、一応、目を開けて操縦ができるっていうことで。
風速もはかり、GPS機能にトラブルがないか、バッテリーの残量はあるかなどの確認作業をして問題がなければ飛ばす。
上空からの安定した映像。
機体の構造から学んだという金子さん。
初心者が簡単に操作できるという考えは間違っていると話す。
離陸と着陸が一番気をつかって、離陸するのもやっぱり操縦してちょっとでも傾くと、もうこれが打って、ばらばらになっちゃいますから、あと着陸も本当に気を使います。
ドローンの普及が進むアメリカでも利用者たちが、動画を次々に公開している。
これに対し航空当局は、空の安全を脅かしかねないと神経をとがらせている。
ドローン愛好家の1人、ジェイソン・ヘインズさん。
趣味で撮影した動画を公開してきた。
先月9日、1通の警告状が彼のもとに届いた。
差出人はアメリカ連邦航空局。
その内容は…アメリカではドローンに関する法整備はまだ途中だが、商業利用は原則禁止されている。
ヘインズさんの動画には広告が表示されていた。
当局はこれを商業利用に当たるとして警告したと言う。
当のヘインズさんは私たちの取材に、こうコメントを寄せた。
今週火曜日、ドローンが国土交通省の会議室に運び込まれた。
研究者やメーカー、物流企業の関係者らが一堂に会し、ドローンの活用方法について話し合うため。
相次ぐ事故を受け、国交省は活用法と並行してドローンを規制する検討も始めている。
住宅街で飛行することの危険性やマンションの盗撮の対応なども話し合われている。
ドローンの産業利用の可能性を研究する一方で、国交省でのルールづくりにも参画する東京大学大学院の鈴木教授。
ルールづくりについて個人のマナー向上を促すガイドラインと業務で使う際の法整備とを分けて考えるべきだと指摘する。
飛ばすためのライセンスですとか、安全な機体であるかどうかという認証、また飛ばす際の飛行計画ですとか、事故を報告するとか、そういった制度を整備していかないと、業務として使うときは安心して使えないんじゃないかなということで。
来年の夏には日本でサミットが開かれる。
スタジオの中でまたドローンを実際に飛ばしてみました。
現在映っているのがドローンからの映像だということなんですけれども比較的小型で、こちらは操作しやすいタイプなんだそうですけれども現在はこのように、スタジオ内にきちんと専門の業者の方をお呼びしまして、このように今、コントロールをしていただいております。
やはりきちんとした講習を受けたりですとか、また使用の際のマナーというのは忘れてはいけないですし、大事にしたいですよね。
広島県で起きた土砂崩れのときに取材に行ったんですけど、このもっと大きなやつを実際に使ってさっきの映像の中にもあったんですけどね、確かに便利なんですけれども、別に僕は水を差すわけじゃないんですけどね、僕らのメディアで働いている人間は、ドローンと聞くとやっぱり軍事目的でイラクとかアフガニスタンという戦争の場所に空爆で使われて民間人が大変多くの被害を受けているということを思い出しちゃうんですよね。
ただ、公共的な目的であっても、商業的な目的であっても、民間が利用するときでも、どこか心の片隅にドローンというのはいろんな意味で軍事から始まって広がっていったんだなということを考えているといろんなことに役立つんじゃないかと思うんです。
私は実際にドローンを手にしたわけですけれども飛ばすのは本当に簡単にできるんです。
そこが今までのラジコンのヘリと違うところで人気が出る理由でもあると思うんですけど、ただ、飛ばしてからのコントロールこれがかなり訓練が要る感じなんです。
風もありますしね。
とにかく今はルールがほとんどない中で、安全性の確保というのは利用者のマナーに頼っているのが現状ですね。
とにかくドローンがテロとかプライバシーの侵害とか、悪用されることへの警戒、これはもちろん怠ってはいけないんですけれども一方で先ほど金平さんが言ったように災害現場での支援などドローン技術が持つ様々な可能性、この芽を摘んでしまわないように、今利用者ができることは最低限のマナーを守ることが1つですね。
5年前に宮崎県で起きた家族ら3人を殺害した事件で去年、死刑判決が確定した人物がいます。
一審で死刑を求めた被害者の遺族や死刑判決を下した裁判員の思い、そして何よりも、面会を重ねることによって罪と向き合う死刑囚本人の胸の内をTBSの記者が取材しました。
確定死刑囚となり5カ月が過ぎた。
奥本章寛死刑囚は妻、妻の母、生後5カ月の長男の3人を殺害し、去年11月に死刑が確定した。
死刑囚になると面会は原則、肉親以外は厳しく制限される。
このため「報道特集」では関係者を通じて奥本死刑囚に今の心境を聞いた。
年を越してからは、いつ死刑が執行されてもおかしくないと感じています。
事件と向き合うことが一番の償いだと思っていますが向き合うことは本当に苦しいです。
3人を殺してしまったあのときに引き戻されるからです。
閉ざされた世界での生活。
拘置所内で流れるラジオのニュースを聞くことは外の世界に触れられる数少ない機会。
イスラム国の日本人人質事件は本当にショックでした。
世界の子どもたちのために活躍していたジャーナリストが亡くなる一方、死刑が決まってただ執行を待つだけの自分がこのまま生きていていいのだろうかと気が重くなりました。
代われるものなら代わりたいと本心から思いました。
拘置所に通い続ける夫婦がいる。
奥本死刑囚の両親。
少し顔を見せたら痩せたみたいなんですけどね。
比較的元気でした。
ドア越しにお互いに出るときに手を振って出るんですけど、これが最後かなっていうのは毎回緊張感はあります。
事件は2010年3月に起きた。
奥本死刑囚は宮崎市の自宅で生後5カ月の長男の首を絞めて殺害。
さらに妻と同居していた妻の母をハンマーで殴るなどして殺害した疑いで逮捕・起訴された。
当時22歳、前科、前歴はなかった。
高校を卒業後、航空自衛隊に入り3年間勤務した後、建設会社で土木作業員として働いていた。
裁判員によって審理されるこの裁判。
起訴内容に争いはなく、刑の重さが焦点となった。
過去の裁判官だけの裁判では家庭内での事件については被害者が3人以上であっても複雑な家庭環境などが考慮され無期懲役になった例は少なくない。
奥本死刑囚の犯行の動機は何か。
以前からたび重なる叱責を受けていた妻の母から何度も頭をたたかれた上、出身地を差別的な発言で見下されたことが犯行の直接のきっかけとなった。
もう限界だった。
妻の母から逃げるため、殺害するしかないと思った。
一方、被害者参加制度を利用して法廷に立った遺族がいる。
奥本死刑囚の妻の弟、Aさん。
母、姉、甥の3人を殺害されたAさんは意見陳述の場でこう訴えた。
そして、一審の宮崎地裁は…奥本死刑囚は死刑判決をどう受け止めたのか。
およそ3年間、10回にわたる面会を繰り返した宮崎市で自分の家族3人を殺害した奥本章寛死刑囚。
一審での死刑判決をどう受け止めたのか。
記者がその思いを聞いた。
刑務官に伴われ面会室に現れた奥本死刑囚。
写真に比べ頬がこけ、やつれた印象だった。
今、どんな思いでここで過ごしていますか?ただ自分のしてしまったことを後悔する毎日です。
夜中によく思い出すんです、3人を殺してしまったときのことを。
死刑が言い渡されたとき、どんな気持ちでしたか。
ショックがなかったと言えば嘘になりますが、自分がやってしまったことを考えれば当然だと思いました。
裁判員裁判であるため、初公判から求刑まで審理期間は6日間だった。
審理期間は正直短かったです。
自分の思いをちゃんと伝えることができませんでした。
一方、裁判員を務めた会社員の男性は、判決後の取材にこう答えた。
妻の母から逃げたいだけなのに、なぜ妻と息子まで手にかけたのか。
一審の時点では奥本死刑囚自身、その理由を言葉にして説明することができなかったと言う。
その後、二審で実施されたおよそ4カ月間に及ぶ心理鑑定。
臨床心理士は奥本死刑囚の心理状況を、こう書いた。
被告人にとっては義母、妻、この3人が一体であり自分一人だけが別世界にいるという孤独感を抱いていた。
義母を加えた3人を殺害するしかないと視野狭窄に閉ざされたものと考えられる。
つまり奥本死刑囚は妻と子どもを妻の母と一体として見てしまった。
このため3人を一緒に殺害するしかないという心理状況に追い詰められたと指摘した。
二審の福岡高裁宮崎支部は、その内容のほとんどを信用性があるとして証拠採用した。
しかし、裁判員裁判の量刑を左右するほどの不合理な点はないとして、再び死刑を言い渡した。
この山あいの小さな町で奥本死刑囚は生まれた。
過疎化が進む小さな町での待望の子ども。
奥本死刑囚は家族だけでなく町の人たちからも大きな愛情を受けて育った。
3人兄弟の長男。
小学校から高校まで剣道一筋の生活だった。
高校へは剣道の推薦で進学し、主将まで務めた。
事件を起こした直接のきっかけ。
それは妻の母の誤解でこの故郷を差別的な発言で見下されたことだった。
これまで味わったことがないほどのショックを受けました。
自分がバカにされるのは仕方ないですが、故郷の何の関係もない人たちまでがバカにされたことが、どうしても許せなかったんです。
地元・求菩提地区では小中学校時代の同級生や支援者らが支える会を立ち上げていた。
支える会では刑を軽くするよう求める嘆願書200通以上を最高裁に提出した。
会には、奥本死刑囚の両親の姿もあった。
父、浩幸さんと妻の和代さんは息子が起こした事件をテレビのニュースで初めて知った。
2人はすぐに事件現場の宮崎市に向かったが逮捕された奥本死刑囚とは会うことさえできなかった。
人目を避けるためこの港に車を停め、車内で1週間過ごした。
しかし、そんな2人を救ったのは地元・求菩提の人たちだった。
奥本死刑囚が上告してからおよそ1年。
一審での判決後、ずっと悩んでいた男性がいた。
奥本死刑囚の妻の弟、Aさん。
母、姉、おいの3人を殺害されたAさんは一審で死刑を強く求めていた。
奥本だけが悪いわけではない、Aさんは自ら面会を重ね、奥本死刑囚が反省を深めつつあることを感じるようになったと言う。
そして重い決断に踏み切った。
最高裁に異例の上申書を提出した。
殺害された母、貴子の日頃の言動から、奥本を追い込んでいったのは、そして最後にあの事件を起こさせてしまったのは、むしろ母、貴子の方ではなかったかという思いがあって、被告、奥本だけが悪いわけではないということを家族である自分は感じていたからです。
まだ死刑と決めないでほしいとした上で、Aさんは…命は大切で、とても重要なものですそれは奥本の命にしてもそうです。
自分としては、第一審の裁判員裁判をやり直してほしいと感じています。
そして、最高裁の判決が言い渡された。
最高裁はAさんの上申書に言及することなく、改めて死刑を言い渡した。
判決後、裁判所から出てきた奥本死刑囚の母、和代さん。
これで息子の死刑が確定することになった。
弁護士に頭を下げる父、浩幸さんの姿もあった。
突きつけられた現実に涙をぬぐっていた。
厳しい判決だろうなとは思っていましたが、現実に、この現実を受け止めなければいけないというのがとっても厳しいです。
一審で遺族側に立って判断した裁判員の男性が再び取材に応じた。
裁判員が死刑判決出す負担も訴えた。
最高裁判決の翌日、記者との面会はこの日が最後となった。
落ち着いた様子で面会室に現れた奥本死刑囚。
前日の夕方にラジオのニュースを聞いて判決結果を知ったと言う。
残念な気持ちは少しはありますが、やっぱり自分は死ぬべきだと思っています。
3人の命を奪ったのですから。
昨日は、改めて自分の罪を痛感し、申し訳ない気持ちでいっぱいでした。
この日は死刑を執行される夢を見て目が覚めたと言う。
首に縄をかけられ、踏み板が外され下に落ちたところで目が覚めました。
冷や汗が出ていました。
残された家族についてはこう話した。
おばあちゃん、両親、そして2人の弟まで犯罪者の家族にしてしまいました。
弟は結婚などでも不利益を受けるかもしれません。
それでも幸せに、幸せになってほしいです。
奥本死刑囚の目から涙がこぼれた。
記者に見せた初めての涙だった。
ここでは決して泣くまいと決めていたのですが、すみません。
二度と見ることができない故郷を思い、奥本死刑囚は、このはがきを宮崎拘置所の中で書いた。
最高裁の判決後、遺族のAさんが面会に来た。
奥本死刑囚はAさんに改めて謝罪したと言う。
奥本には最後まで反省を深めてほしいです。
だけど、奥本が死んだらすべてが終わりです。
反省もそれ以上深めることができないんです。
それを思うと悔しくてやり切れなくて奥本と会った日は1人でやけ酒を飲んでしまいました。
奥本死刑囚の両親は、亡くなった3人が眠る寺を訪れた。
位牌には、3人の命日が記されている。
あの日から5年が経過した。
死刑執行の刑場がある福岡拘置所に移送された奥本死刑囚。
年を越してからはいつ死刑が執行されてもおかしくないと感じています。
特に朝はいつも緊張します。
歯を磨いたりひげをそるときに、これが最後かなと思います。
その日の面会が始まる時間になるとその緊張から解放されます。
ああ、今日は執行されなかったと感じる時間です。
極度の緊張にさらされながらも3人の冥福を祈っての写経は一日も欠かしたことがないと言う。
生きていれば5歳になった長男に俺もすぐにそっちに行くからと伝えました。
3人を殺してしまった罪と最後までしっかり向き合って生きること。
それが僕にできる唯一の償いだと思っています。
スタジオには取材に当たった西村記者です。
死刑囚を取材するというのはいろんな面で難しかったと思うんですが、実際に言葉を交わしてみて、今、どういった思いがありますか?最初はかなり緊張して面会に臨みましたが実際に会ってみるとびっくりするくらい物腰がやわらかくて穏やかな青年で、なぜこんな彼があんな残酷な事件を起こしてしまったのか不思議でなりませんでした。
そもそもなぜこの奥本死刑囚を取材しようと思ったんですか?これまで死刑判決をめぐる報道では被害者側からの視点というのは多くありましたが、加害者側の視点というのはほとんどありませんでした。
しかし、死刑判決というのはとても重い判決です。
それは加害者のみならず、判決を下さなければならない裁判員にとっても同じです。
今は裁判員制度が始まり、誰もが裁判員になる可能性があります。
だからこそ、その死刑判決を受ける加害者の現実も知った上で、裁判員が判決を下すことが重要だと考え取材を進めました。
被害者の側に立つっていうのは、割と言葉を、誤解を恐れずに言うと割とみんなそっちの方に寄り添いやすいというかね。
ただ加害者の視点というのは実は、刑を定める上ではとっても大事な視点だと思うんですけど、VTRの中にあった一審の段階で強く死刑を求めていた被害者の遺族のAさんですよね、Aさんが最高裁の段階になってからやっぱり生きて償ってほしいと一審の裁判をやり直してほしいと言いましたね。
その考えを変えていった意味というのはとても大きいと思うんですが、時間ですよね、時間というものについて、西村さんはどういうふうに考えましたか?それを一番問題点として感じましたね。
取材をした上で一番強く感じたことは、まず初公判から求刑までわずか6日間という短さだったということです。
奥本死刑囚自身が自分の家族内に対する思いを整理できたのは、一審で4カ月間にわたって行われた心理鑑定の場でした。
このため一審の段階ではわからないという証言を繰り返し、遺族のAさんは反省がないと感じ、死刑を強く求めました。
裁判員の負担を考えると仕方がない部分もあるかもしれませんが今回の事件に関して見れば、加害者遺族ともに審理期間は短過ぎたという印象を持っています。
この後はスポーツ、林さんです。
ゴルフの祭典、マスターズ。
4度目の出場となる松山選手。
3年ぶりの決勝ラウンド進出。
まずは世界最高の夢舞台に集まった世界最高の選手たち。
2日目にもスーパーショットが飛び出し、パトロンを喜ばせる。
その中で決勝ラウンド進出を目指す松山英樹は2番。
自身マスターズ初のイーグルを奪う。
後半、アーメンコーナーの12番。
続く13番と連続バーディー。
アーメンコーナーを攻略した松山は3年ぶりの決勝ラウンド進出を決めた。
41位タイから巻き返しを図るウッズはここまで復活できた自分のプレーを誇りに思うとスコアを3つ伸ばし、予選を通過した。
首位スタート21歳スピースはこの日もショット、パットがかみ合う。
36ホールでの大会新記録となる通算14アンダー。
記録を塗り替えたことは最高にうれしいとメジャー初制覇へ勢いをつけた。
プロ野球、広島の黒田博樹が復帰後3試合目のマウンド。
2回、苦手とする阪神・福留を迎える。
やはり相性の悪さは今日も。
今シーズン初めてのホームランを浴びる。
しかし、ここで崩れないのがメジャーを知る40歳。
変化球を決め球に粘りのピッチング。
5回まで阪神打線をホームランの1点に抑える。
この踏ん張りに応えたい打線は6回、阪神から復帰した新井がタイムリーツーベース。
勝ち越しに成功するとピッチャーの黒田も…復帰後、初打点。
投げて、打って、大活躍の黒田は2勝目。
チームを3連勝に導いた。
続いて競泳の日本選手権。
背泳ぎのエース・入江選手が得意の200mに登場。
勝てば世界選手権代表が決まる大事なレース。
入江陵介は前半、余裕を持った泳ぎで100mをトップで折り返す。
その後も、世界一美しいと呼ばれるフォームでトップを独走。
入江はロンドンオリンピック銀メダリストらしい貫祿の泳ぎで優勝。
歴代最多タイとなる日本選手権9連覇を達成した。
東京6大学野球春季リーグが今日開幕。
リーグワースト86連敗中の東京大学は、明治大学と対戦した。
1回裏、東大の先発を任された3年生の山本がピッチャー強襲のヒットを浴びて先制点を許してしまう。
その後も毎回ランナーを出すが、守備陣の好プレーで粘りを見せる東大。
逆転の機会をうかがうが打線が振るわず、0−2の完封負けワースト記録更新の87連敗を喫した。
昨日の東京株式市場、日経平均株価が一時2万円を回復しました。
この一時2万円回復というのは2000年4月以来およそ15年ぶりのことなんです。
街の声ですと、これで景気もよくなるという声もあればいやいや、一部の投資家だけじゃないの、恩恵に預かるのはと。
様々な声が上がってますけどね。
私は15年前、北京にいたんでほとんど実感なかったんですけど、まあ今回もあんまりないですけどね。
2000年という年は思い出してみたら沖縄サミットがあったり小渕内閣から森内閣への移り変わりで、いろんなことがあったんですけどね、2015/04/11(土) 17:30〜18:50
MBS毎日放送
報道特集[字]【無人機規制のあり方▽確定死刑囚の告白】
普及進む無人機。可能性と規制のあり方を考える。△確定死刑囚が罪と向き合う日々、被害者の遺族の思いなどに迫る。
詳細情報
番組内容
【普及広がる無人機 あり方は】
災害現場などでも活躍し注目を集める小型無人機。一方で利用者マナーの問題や墜落事故の危険性も指摘され、政府によるルールづくりも始まった。現状と規制のあり方を考える。
【確定死刑囚の告白】
家族3人を殺害し、罪と向き合う日々を送る確定死刑囚。10回にわたる記者との面会で何を語ったのか。かつては極刑を望んだ被害者の遺族の思いは・・。
出演者
【キャスター】
金平茂紀(TBSテレビ報道局)
日下部正樹(TBSテレビ報道局)
小林悠(TBSテレビアナウンサー)
林みなほ(TBSテレビアナウンサー)
制作
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ジャンル :
ニュース/報道 – 特集・ドキュメント
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
福祉 – 文字(字幕)
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
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