「SWITCHインタビュー達人達」。
今夜はこの人。
惚れたとたい。
朝ドラ「花子とアン」で大ブレイク。
石炭王嘉納伝助は世の女性たちの心をわしづかみにした。
お前の身分と顔以外…どこを愛せち言うとか!あのCMにも登場。
話題を呼んでいる。
ネットとセットでお得ですまねえ。
すまねえ。
ここ何県だっけ?島根県。
今やテレビに映画に出演作がめじろ押し。
そんな吉田が指名したのは…。
このお話頂いた時に…その時にもう本当にびっくりしたんですね僕。
え〜っと…この方は松平健さんですよね。
いえいえこの「マツケンサンバ」を作った人なんです。
おかっぱにメッシュがトレードマーク。
アキラさんのキャラクターでもおなじみです。
アキラさんと吉田鋼太郎の出会いは17年前に遡る。
新潟で上演された市民ミュージカル…吉田はプロの俳優として客演した。
吉田鋼太郎当時39歳。
ちょっとだけ踊った。
・「自分の体のように妻を愛しなさい」ちょっとだけ歌った。
宮川はこのミュージカルの全ての曲を作曲。
生演奏を指揮した。
やっぱそのあの本当に…一回あなたはなぜこんな事ができるんだって話をしたいなとは思ってたんですけどもずっとそれが結局できずじまいでいてそれはもう単純に聞いてみたいですね。
一方吉田からのオファーを受けた宮川は…。
すごい興味あったんでね。
僕はずっと不思議に思ってたんだけど…どうにか「ああだからか」っていうふうに納得したいんですよ。
夜8時。
宮川が訪れたのは現在吉田が取り組んでいる舞台の稽古場。
お〜もうセットが組んであるんだ。
吉田は現在初の本格ミュージカルに挑戦中。
宮川と組んだ17年前の舞台以来だ。
ミュージカル「デスノート」。
吉田は死神を演じる。
作曲はブロードウェイの鬼才フランク・ワイルドホーン。
独唱パートもたっぷりある。
・「バカだからだろうそれしかないさ」
(2人)・「哀れな人生」・「見てられない」・「退屈すぎる」・「これじゃ気がめいるばかりだ」・「やつらで少し遊んでみるか」・「これはどうだ」リューク。
(拍手)どうもご無沙汰で。
どうも。
上からすいません。
いえいえ。
俳優吉田鋼太郎と作曲家宮川彬良。
売れない時代から互いをよく知る2人によるぶっちゃけトーク。
いきなり間違えましたが。
(笑い声)あの時の…もともと劇団四季とはいえ…。
半年しかいなかったから。
クラシックバレエの練習が朝の9時から1時間半みっちりある。
どうしてもはきたくなくて。
なるほど。
これもう音楽じゃない?ある意味。
宮川が生み出す音の秘密に吉田が迫る。
「俺とつきあってくれ」みたいな事を…吉田の最新作「デスノート」。
人気コミックが原作のミュージカルだ。
あっ!俺のノート!フッフッフ!ただのノートじゃねえって分かってるよな?吉田が演じるのは死神リューク。
リュークはある日気まぐれを起こし名前を書いた人間を死なせる事ができるデスノートを人間界に落とす。
偶然デスノートを拾った高校生夜神月はノートを使って犯罪者を抹殺し理想の世界をつくり上げようとする。
世界中の人間が感じ始めてるんだ。
誰かが正義の審判を下してるって。
吉田演じる死神リュークは狂言回しとして物語の鍵を握る。
そうなると世界中に悪党はお前しかいなくなるな。
吉田は3時間近い舞台にほぼ出ずっぱり。
4つの曲を歌い上げる。
・「自分の夢にだまされて」あっ本当。
歌ってた?気持ちよかないんだけどね。
あそう?いやでも…ほらこういう事を分かってないんです。
全然分かってない。
全く分かってない。
要するに全くそういう専門…今アキラちゃん言ったみたいにバリトンだとかどういう音符を使ってるとかなんて事は…読めないからね分からないから「耳で覚えて歌うしかないような男だよ俺は」って最初言ってるから。
でもそれでもいいと。
歌が…好きだよね?好きっていうか…。
歌はもちろん好き好き。
ただそれをね人様に…。
まあ今度日生劇場な訳よ。
そこで歌うのがね…。
そこで果たして歌えるかどうか。
確かにね。
で作曲がさあの…。
フランク・ワイルドホーン。
ワイルドホーンっていう…。
要するに書き下ろしなんでしょ?書き下ろし。
オリジナルっていう事。
それを…初演を日本でやるという事は…。
オリジナルキャストっていう。
そうそう。
ミュージカルのオリジナルキャストなの。
だよね。
で要するにまあもくろみとしては…そういう事も当然…。
視野には入っているのかもしれないよね。
もしかするとね。
ねえ。
ハハハハハ!上り詰めたね。
ハハハハ!劇団四季に半年しかいなかったのに。
吉田が演劇の世界に魅せられたのは高校2年の時。
上智大学在学中二十歳で劇団四季のオーディションに合格。
半年間だけ在籍した。
劇団四季を辞めたっていうのは何か一説によると練習がやだとかって…。
それは歌じゃなくて四季はやっぱり踊りもね厳しくたたき込まれるので…みっちりやる。
それがちょっとつらかったっていうね。
タイツをはいてここをこうギュッと引き上げて。
(笑い声)どうしてもはきたくなくて。
それなのに今その劇団四季のスターだった鹿賀丈史さんそれから濱田めぐみさんと一緒にお仕事をする事になったっていうさまあ何か妙な運命っていうか…。
いやこれは運命だけじゃないよ。
もちろん運命は大きいと思うけどね。
でも僕はね…あの〜むしろ「ハムレット」ね。
はいはい…。
あの時の鋼太郎さんは…。
あれ歌ったっけ俺?結構歌いましたよ。
あんまり覚えてないんだよね俺。
そうだっけ?宮川が手がけた音楽劇「ハムレット」。
吉田はハムレットの父を殺し母をめとって王位についたクローディアスを演じた。
吉田の当たり役の一つである。
兄殺し祈る事もできない。
祈りたいのはやまやまだがこの呪われた手に兄の血が分厚くこびりついているとしたら天は恵みの雨を降らせ雪のように白く清めてはくれないのか。
罪と面と向かってこそ慈悲だろうに!祈りの功徳とは我々が罪を犯す事を食い止め犯した罪を許す!その両方ではないのか!旅芸人の一座が登場するシーン。
吉田は劇中歌を歌う。
・「ピラスの刃」・「目前にて夫の五体を切り刻む」・「后の喉よりほとばしる慟哭」俺は何かね歌歌ってたっていうよりどっちかっていうとセリフしゃべってたっていう感覚で覚えてるんだけど。
でもクローディアスだったでしょ。
だからもう本当にセリフが大量だし大変じゃないですか。
張るところも多かったし。
声もちょっとねかれちゃったりなんかするしね。
だけどあの長いね劇中劇のシーンを全部歌でやったんですけど僕らは。
あれをもう最後…ああそう。
歌がどんなにうまくても歌を聴いてますっていうふうにお客さんがなっちゃう歌い手さんと…2種類あると思うのね。
それはもう圧倒的に後者の方だったから。
それしかできないってとこもあるからね。
もちろんそうですよね。
だけど…音楽の勉強をしてじゃあオペラ歌手が音楽的にセリフが言えるかってこれはとんでもなく逆にちょっと遠いぐらいの事がよくあります。
だけど鋼太郎さんは…僕はそれをねこういう話を飲みに行くと必ずしないから。
フフフフ…しないね。
うん。
お話はね。
記憶にないんですよ。
いやいやいや…。
そうだよね。
だから今日はいいチャンスだなと思って。
でもやっぱりシェークスピアじゃないかなって思うんですけどねそれはね。
基本…そうそうそう。
詩になってて。
それはでも日本語でもそうですか?やっぱりそうですね。
原語でやってた訳じゃないんでしょ?シェークスピアをやる劇団に学生の時に入った時に演劇サークルみたいな。
原語で上演するっていう事がまず基本の劇団だったんで。
ああそう。
2本ね「十二夜」っていう芝居と「ロミオとジュリエット」って芝居を原語でやりましたね。
そこでたたき込まれたのが朗誦なんだよね。
朗誦って何?「朗らかに誦ずる」っていう…。
ふんふんふん。
朗誦なんだよね。
なるほど。
それ…そうかそうかそうか。
「ロミオどうしてあなたはロミオなの?」っていうセリフがあるとすればそれは普通だったら「ロミオロミオどうしてあなたはロミオなの?」って言うのをそれが「おおロミオロミオどうしてあなたはロミオなの?」って言わなきゃいけない。
これが朗誦だ。
そうそうそう。
それは何?その時の劇団の演出家に教えてもらったの?絶対イギリスのシェークスピアをやる時は「iambicpentameter」っていうそういう言葉決まってるのね。
弱強弱強弱強でしゃべるっていう。
それをとにかく体得しなさい。
なるほど!じゃあそれがまさに音楽の…。
多分それは音楽なんだと思う。
うん。
「十二夜」のセリフがあるんだけどそれが…セリフがあるんだけど弱強でいくと「Ifmusicbethefoodoflove,playon」って言うのね。
これもう音楽じゃない?ある意味。
そういうのをやらされてたっていうのはあるかもしんない。
だけど…そうかやらされてたのか。
そうそうそう。
じゃあ後で…そういう事だね。
ええか!よ〜く聞け!蓮子のこつはこれでしまいにする。
あいつはこの嘉納伝助が一度は惚れて嫁にした女やき。
手出しするやつがおったら俺がただじゃおかんぞ!末代まで一言の弁明も無用!それはじゃあ世の俳優さんみんなやってる事なの?いや多分それはやってないと思う。
ですよね。
うん。
やっぱりそのお客さんにとって…そうですよね。
じゃあそうなんですよ。
まさに僕が今聞きたい事が2つ出てきちゃったんだけど一つは…お〜。
要するに…そういう雰囲気あるじゃない。
うん。
ただね要するに…蜷川さんシェークスピアライフワークでやってらっしゃるじゃない。
歌わなきゃいけない時もあるのね。
そう。
そこが2つ目の聞きたいと思ったとこ。
つまり朗誦する時にリアリティがなくなっちゃう人が…。
ただ歌ってるだけ。
きっと多いんだ。
だったと思う。
だけどじゃあそれはどうして…。
じゃあもう一個リアリティ…リアリズムリアリティっていうふうに要求してきた人がやっぱりいた訳?リアリティに関して言えばその事で誰かにすごく注文つけられたとかそういうふうにリアリティ持ってしゃべってるって事はあんまないよね。
それはやっぱり…あ〜そうか。
それには気付いた訳ね。
それにやっぱ気付かないと蜷川さんにボロカス言われるっていう。
そうか。
でも逆に僕なんかからするとその両方を持ってる人がいかに少ないか。
それ本当に諸刃の刃的なところがあるよねその朗誦っていうのはね。
それをできるようになるには一番必要なものは何なんでしょうね?やっぱりあれかな人生経験の…。
まあね。
ちなみに今結婚してらっしゃる?今独りです。
はい結局独りになってしまいました。
確か出会った頃…。
…はしてたと思うんです。
何かこういう…指を折る雰囲気…。
今でもお独り?今独り。
あっそうですか。
50…いくつに…?今56ですけども56で独りは…ごじゆうっていうより不自由ですか?ええいろんな事に。
ゴミ出さなきゃいけない…。
何か大変ですね。
「花子とアン」の石炭王嘉納伝助。
吉田は粗野で無教養だが人間味あふれる男として演じた。
食うか?おっ?あまりの人気ぶりに本来なかった再登場シーンが急きょ用意された。
蓮子…しゃん。
はい…。
今…幸せか?はい。
そうか…。
元気でな。
あなたもお元気で。
さあ!今夜は神楽坂中の芸者呼んでどんちゃん騒ぎたい!まあこんな感じでねやってた訳ですね。
ハハハハッ。
屋台でね。
いやいや屋台じゃなくても。
まあねそこは…それは無駄になってないよね〜。
できないんじゃないですか普通の役者さんには。
あ〜。
あれはね…やっぱり。
あれが最後のシーンだったんで。
ものすごく自然でしたよね今。
本当に?吸い寄せられるように…吸い付くように。
そうだね…。
いや〜よかったね鋼太郎さん。
だって…要するに何か猫かぶったのがよかったとか魚かぶったらよかったとかそういうんじゃないんだから。
魚かぶってないけどね。
だって本人ありのまま。
割と…一回この「花子とアン」に出てる男性キャラクター誰が一番好きかってアンケートか何かがあって…もくろみどおり。
人生最後詰め将棋。
そうだね。
それまでちょっと劣勢と見せかけておいて。
全然…。
そうなの。
次は男性票って事になるんですか。
男性票も結構集めたね。
悪くはなかった?悪くなかったね。
やっぱり要するに…40代後半50代?俺が演じた嘉納伝助っていう人物像もまああんまり今ではいないタイプの純情な男気のある…。
豪快で。
そうそう。
そういう人だったんでそのキャラクターをやってたって事も。
そのキャラクターがみんなに愛されたって事も手伝って。
もちろん。
そうそうそう。
どっかで僕も思ってたね。
僕の方が早くてさ。
「何で俺より先早く出てきたんだ」。
僕はもちろん役者じゃございませんけど。
ないけど。
出るご縁になっちゃって。
いや正直僕だって「マツケンサンバ」が図らずも…。
あれびっくりしたもん。
・「オーレオレマツケンサンバ」アキラちゃんにいろんな引き出しがあるとは思ってたけど…「そこできたか〜」みたいなびっくりもあったから。
あれは別に…はるか前に作ったのがなぜかあのタイミングで売れたという事なんで。
ちょっと分かるような気がするんですよ。
やっと「宮川さんって何作った人?」って言われた時に一応…ただやっぱりアキラちゃんの話で本当にそう思ったんだけど…いろんな事ありますよ。
補足したくなるよね自分でね。
それはあると思う。
僕もやっぱり「花子とアン」で嘉納伝助って役をやったんだけども…なるほどね。
いまだにですか?言われる。
ちっちゃい女の子とかにもね小学校3年生4年生の…もっとちっちゃいかな…その時は「ああ悪い気はしないな」と。
こんなちっちゃい子たちも喜んで見ててくれたんだなって純粋に楽しんでくれたいろんな層の方たちがっていうそういう意味ではありがたいしうれしいっていう感じは…。
そうですよね。
ただやっぱり映像という世界はあまりにもたくさんの方がね舞台に比べて見てらっしゃるから…次々にこうハードルが高くなっていく。
一つ得るとその次にまた課題が出てくるっていうのはそれはなるほどなと今思ったけど…う〜ん…。
失ったものはないんじゃないかと思うんだけど…失ってもあんまり気付いてないのかもしんないけど…。
しかも映像に関してテレビとか映画に関してはまあとりあえずやらなくていいやっていうぐらいの気持ちでいたもんだから要するに自分には縁がない世界だ。
ああいうものは要するにすごく有名な方たちがお客を呼べる方たちがやるもんだと。
視聴率を取れる方たちがやるもんだと。
その事と演劇をやるって事とあまり関係がないというふうに俺は決めてたっていうか思ってたとこがあるんで。
分かります分かります。
でも今その渦中にやっぱいる訳じゃない?元に戻りたいと?そうだよねそうだよね。
4月からスタートした新番組。
「所さん!大変ですよ」
吉田はナレーターとして毎週軽妙な語り口で盛り上げている。
夫は東京で会社を経営。
なのにこの女性は6年前ここに1人で移り住んできたという。
一体なぜ?
う〜ん…私吉田鋼太郎56歳。
他人事とは思えません。
自分では意識してないんだけどしてなかったんだけど何かちょっとずつ出て…今度ミュージカル出る事もそうなんだけど何でずっとやんなかったミュージカルを結構毛嫌いしてたミュージカルを自分でやる事を毛嫌いしてたミュージカルを…やってみるともちろん歌える歌えないとかそれは置いといて。
それはある意味…。
そうなんですよ。
お客さんもそうだし作り手なんかもっとそうですよ。
もちろん演者も…。
うんうんうんうん…。
何かそれすごく俺はいい言葉だと思う。
すごくいつも僕は…集合って分かる?数学でさ…。
それぐらい分かるよ集合ぐらい。
円がこう…重なり合った。
分かる分かる。
才能とか人生とかみんな持ち寄って…やっぱりどうしてもストレートプレーじゃない分…歌で表現していく。
そうするとでも割愛はできない。
歌にいかに説得力なりその人の人間が出るなりしてそこに何かやっぱりある…リアリティですよね。
それがやっぱりこの吉田鋼太郎にはたっぷりある訳ですよ。
なるほど。
だから出ていい。
いいですか?許可しましょう。
ありがとうございます。
いやしゃべった。
よかった〜。
えっ僕が!?そんな訳ないでしょ!そんな事ないですよ。
もうちゃんとさ自然にしゃべっていながら全部質問事項をきっちり全部クリアしていく。
そんな事ないよ。
やべえ。
後半は舞台をスイッチ。
ミュージカルや舞台音楽を数多く手がけ高い評価を受けている宮川彬良。
代表作の一つ「ザ・ヒットパレード」は戦後の歌謡曲黄金時代を描いたミュージカルだ。
見せ場の一つは宮川の巧みなアレンジで60年代から70年代のヒットソングが万華鏡のように連なっていくシーン。
さあそれでは早速この「ラジオ体操」の音楽を分析してまいりましょう。
一方で宮川は古今東西の名曲の秘密を独特の切り口で解き明かす達人でもある。
皆さん朝6時半に目覚めるとまず何します?
(あくび)あくびでしょ?ちゃんとこの音楽の中にあくびの音が入ってるじゃありませんか。
ね!はいここよく見て下さい。
横曲げ運動から腰になるところですね。
ここでなんとほれ!転調してるんですよ。
すごいでしょ!体操中に転調するんですよ。
こんな高度な技術をなぜ用いたか?これはね作曲者の粋な計らいなんですよ。
腰をかばってらっしゃる方って世の中に多いでしょ。
そうなんですよ。
そこで転調してちょっと気分を変えて腰の具合を見る。
そのための転調なんですよこれは作曲者の思いやりなんです。
1,000万人のヘルニア防止のための転調なんですよ。
深夜11時。
お邪魔します。
どうぞどうぞ。
吉田が訪ねたのは宮川の仕事場。
かつて父が使っていた仕事場に仮住まいしているという。
はは〜。
ここがですね…。
そう。
あの〜。
でお父さんがここで仕事を…。
ここでお仕事なさってたんですか。
宮川の父は昭和を代表する…
(拍手)先生先生!先生すいません。
あのガラスです。
危ない。
びっくりしたよ。
「宇宙戦艦ヤマト」やザ・ピーナッツの「恋のバカンス」など数多くのヒット曲を世に送り出した名物作曲家だ。
・「パヤドコドコドンタララタヤドコドコドンドンドン」・「パヤドコドコドン」例えばこれでいくと…。
・「パヤドコドコドンタララタヤドコドコドン」幼い頃から父は憧れの存在であり作曲の道に進んでからも宮川の目標であり続けてきた。
この部屋で撮った子ども時代の写真も残っています。
今日みたいに夜会をやってた。
夜会だった?昼間だったかね記憶があってピンポンって。
「沢田です」って。
えっ!沢田研二。
ジュリー?ジュリーがまず来て。
いきなりジュリー。
これは今日はすげえぞ。
で「木の実ナナと申します」。
わ〜っすごい。
ピンポン。
ガラッ。
「こんばんは森進一です」。
本当なんですよこれ。
うちはもてなしを知らないんで。
今もお茶も出してないけどね。
おすしを取ってみんなに振る舞うしかなかったのね。
でそれで…もうミーハー状態。
おふくろはどっちかっていうと。
でも分かるそれ。
ジュリーが使った箸はそんな捨てられないよね。
捨てられないですよね。
捨てられない捨てられない。
まあいずれはねそりゃ捨てるんだろうけどさ。
あそう。
こないだ計算したんですよこのころおやじが何作ってたか。
したらね「ゲバゲバ90分」って知ってますか?もちろんよく知ってる。
・「タンタンタンタラッタラ」ここで?ここで。
この部屋で。
多分ね。
感動するねその話。
でしょ。
でなぜ覚えてるかっていうと…あれはね土曜か日曜の番組で次の月曜日に…僕は小学校3年でしょ。
するとその表を同級生とか同じ学校の生徒がうち通学路の真ん前なんで通る訳。
その時に全員ですよ全員・「タンタンタンタンタッタラッタラ」って歌いながら…。
これに僕はもう…あそう。
そうだね。
一夜にしてみんながその歌を覚えて歌っていると。
それでねその年ですよ恐らく。
何をやったらいいか分かんなくて結局やらないまま8月30日ぐらいを迎えてしまって。
迎えてしまったうん。
そこでやおら…すごいね!またその話もね。
また何か素朴ないい歌だね。
・「ドシドレソミレミファレ」・「ミソラソドレミレミレド」あ4小節だ。
作ってたの。
それは何?どうやって作ったの?まあ鉛筆なめなめ…。
楽譜書いたの?そう一応書いた。
でこう持ってった訳ですよ。
ちょっとドキドキしながらね。
そしたらそれ…何かこういう…発表されるのか張り出されるんだね。
へえ〜!5重丸を初めてもらったっていう事でもう大騒ぎになっちゃって。
あそう。
帰りなんか行列ですよ僕の後ろにね。
「ねえ宮ちゃん『朝のすずめ』を歌って歌って」。
・「朝のすずめがあらよっと」とか言って。
「ええじゃないか」みたいになって。
あそう。
それは今の現在の宮川彬良っていう作曲家にとってはやっぱ大きな出来事だったの?振り返ってみれば。
振り返ってみればね。
その原点みたいな。
中学高校時代の宮川はロック少年。
オリジナル曲を作ってバンド仲間と演奏していた。
宮川の人生を変えたのが映画「ウエスト・サイド物語」。
「こんな音楽を作りたい」。
瞬く間にミュージカルのとりこになった。
それでこれはまあ何かクラシックの勉強をしなきゃいけないみたいだぞと。
…ってなると芸大を受けるとかそういう道になってくるらしいと。
だんだん道が見えてきて。
ただ僕は好きじゃないから。
そこで週に1回レッスンが始まったんだがこれが全然やっぱり根がロックだから伸びない訳。
1回落ちたの?あそうなんだ。
俺はてっきりストレートで行ったのかと思った。
ちょっと何か安心した俺。
勉強として音楽が。
例えばベートーベンのジャジャジャジャ〜ンって誰でも知ってるよね?あれは何を物語ってるっていうとさ音が下がるって事を物語ってる。
ジャジャジャジャ〜ンって下がってるじゃん。
ジャジャジャジャ〜ンって次も下がってる。
全部下がってる。
うわ怖いですね。
下がるぞ〜。
下がるぞ〜。
人生にいろんな事ございますね。
下がる局面がよくありますね。
そういう事をこの音楽に込めてるんでございますね。
そうすると五月雨式にいろんな下がるとまずい事が連想ゲームですね。
ほら音が全部下がってますね。
そうしますと天から聞こえてきますが…。
ここまで封印しておりましたフレンチホルンの音に奏でられましてよく見てみなさい。
あなたが下がっていたその音は…。
よく出来てますね〜そうですベートーベンはここまで考える訳です。
君が下がれたという事は君はよくやった。
その前は上がっていたんだよという事でございます。
だんだん気付きが参りますね。
もう上がるも下がるも同じ事だと言っております。
上がったり下がったり上がったりするのはもうどうでもいいんだよ〜!そうか。
そうなれば今度は堂々と下がろう。
急にハッピーな音になってまいりましたね。
もう堂々と下がってまいりました。
もうまるで「失楽園」だねこれ。
下がろう下がろう。
どうでもいいから下がったうれしいと。
このようにベートーベンさんは自問自答を繰り返していたのでございました。
まあそうだねお芝居と一緒だよね。
人間がどんどんどんどん変わってく瞬間なんですよ。
そういうふうに聴けば…。
そういうふうに僕は捉える。
それを音楽は…でも鋼太郎さんにさここの8小節間の何とか動機が導音に導かれて主音にいった時に解決した和音がって言われても…。
でしょ?だから俺もほぼ同じようにむしろ嫌いだったぐらい。
だけど今はそれが「ああだからクラシックの作曲家ってこうやって作ってたんだ」って事が手に取るように…。
分かんないものももちろんあるけどねでもすごく分かる訳。
なんとかこれを…。
涙流しながらブラームスのスコアを見ながらレコードかけて…アキラちゃんは普通じゃない。
とにかく掛値なしにもろ手を挙げて尊敬するのはねその音楽家の方を。
そうなんですよ。
確かにそうですね。
今日から俳優って言っちゃえば俳優なんですよ。
だから俺たち言ってみれば言葉は悪いけどインチキですよ。
例えばアキラちゃんが芝居の音楽作るじゃない。
そうすると一番最近で言うと…あるいは一番僕が一番多く演じてきたお芝居「ムサシ」という。
あれ時代劇な訳よね宮本武蔵と佐々木小次郎の話だから。
そこでまあみんなが剣術の稽古をしているうちにそれがダンスになっていくという場面があるじゃない。
あそこは面白かったですね。
井上ひさし作の舞台「ムサシ」。
宮本武蔵と佐々木小次郎が巌流島での決闘後再会するという設定だ。
斜め左へ!武蔵と小次郎が敵討ちを目指す娘に剣術の稽古をつけるのだが…。
この場面に宮川が用意したのはなんとタンゴ。
右左右左直れ!確かに…。
ああいうのはどっから出てくるの?井上ひさしさんの本という事。
井上ひさし…。
そうどっかに証拠のブツがあるけどね井上先生あのあとすぐ亡くなられたじゃないですか初日をご覧になって。
そのあと僕ね人づてに井上先生はこう言ってましたよっていうお手紙をもらったの。
そこに…へえ〜。
…いう事を言ってくれて。
でも僕にもね全く実感があったの。
あったんだ?あったの。
そうなんだ。
何でか分かんないんだけど僕は井上ひさし狂でもないし。
だけど…じゃああの音楽はタンゴにするっていう構想が出てきたのは台本読んだらもう本当にすぐ出てきた?あれにしようこれにしようって悩んだ末ではなくて。
あっそう。
ええ。
それは何だろうね。
それは…う〜ん…まああの井上ひさしがいつもほかの時に語ってる…。
あるよね。
ねえ。
「むずかしいことをやさしく…」みたいな。
それだ!あれなんですよ。
「むずかしい…」あれちゃんと言えますか?ちゃんと言えないけどそういう事だよね。
井上ひさしさんはとにかく音楽が好きだったんだよね。
何か書いてる時に音楽を感じながら書いてるっていうのが分かるんですよ。
分かる。
なるほどね。
でもそれであのシーンがさアキラちゃんがタンゴつけたさすり足でみんながダンスを続ける…。
要するに…まあニューヨーク行きロンドン行きシンガポール行き韓国行き…。
あのシーンがとにかく大爆笑な訳。
ものすごくウケる訳。
要するに完全に各国全国で共通言語になる訳あれが。
それが…。
ダイ…ダイ。
そうなんです。
宮川は今かつてない超大作に挑んでいる。
それは…。
自ら歌って踊りながらの熱血指導。
2年がかりで作曲に取り組むオペラの原作はなんと手治虫の「ブラック・ジャック」。
(一同)「ブラック・ジャック!」。
「ジャ〜ック!」。
「ジャック!」じゃなくて。
「ジャ〜ック!」。
神の手を持つ無免許の天才外科医ブラック・ジャック。
命の意味を問う名作漫画だ。
5年ぐらい前から「やってくれやってくれ」って言ってきて僕はたださすがに…頼むからああいう声が嫌いだからみたいに…。
「あ〜」っていうのはね得意じゃないと言って逃げてたんだけどどうも…例えばねこれは「ブラック・ジャック」の台本なんですけどこんなだって普通のセリフだと思うじゃない?「お前と俺とでは…」。
「ひとつ俺とつきあってくれ。
本気でなくてもしゃれでもいいから。
ようつきあえよ」。
「私つきあう訳にいかないの」。
これを全部歌だね。
全部作曲しなきゃいけないんだもんね。
「『私あなたよりずっと早く死ぬの』。
『ちょっと待てよ。
分からねえよ。
俺より早く死ぬってどういう事だい?』。
『私がんだったの』。
『この前の検査入院は済んだって』。
『何でも知ってんのね。
でも本当は本当は本当はね…』。
ここで初めて込み上げてくる。
『あと2か月あるかないかだよ。
転移してるんだって』」。
そうなるとさバ〜ンって歌い上げるじゃない?でワ〜ッてなったら…ちょっとそこは休みたいね。
ね。
「どうして私なの?」。
「平気だよ。
俺は聞いた事がある。
ブラック・ジャックっていう先生がいるんだ」って。
つらいねそれ。
つらい。
つらいね。
制作段階の途中で行われたオペラ「ブラック・ジャック」のプレイベント。
第一幕と第三幕の一部が仮上演された。
往年の名女優ベティが若さと美貌を取り戻そうと大金を積んでブラック・ジャックに手術を依頼する。
ブラック・ジャックは依頼を断るがベティは自殺未遂という賭けに出る。
生命と時間を主題とするオペラ「ブラック・ジャック」は全三幕3時間に及ぶ大作だ。
今年8月の上演を目指しこれからオーケストレーションに取りかかる。
ブラック・ジャック!
(拍手)すっごく大きな事を…なるほどね。
そうだね。
多分シェークスピアの文字なんかもそうなんじゃないですか。
そうだと思う多分。
なるほど!ここはいいや。
ちょっとくらい聞こえなくてもいいやみたいなところは出てくる。
なるほど。
あっ役者としてね。
そうそうそうシェークスピアはね。
ああなるほどね。
押しつけちゃいかんから。
お客さんも逆にそうなのよ。
ですよね。
だから「さあオードブル何とかと何とかと何とかだよ」って言って「はいちょっと箸休めしたら気が付いたら中華料理になってたよ」。
「ああ北京ダックおいしかったね。
北京ダックといえば鴨南蛮でしょ」みたいな…。
ハハハハ…。
分かりやすいねその例え。
いやそういう事だよね。
そうだよね。
でも逆に言えばさ楽しいんじゃない?自分は中華も料理できるし和食も料理できるしさ。
そうだよね。
もう楽しくてしょうがない。
アキラちゃんだったらさどんどん出てくるでしょ。
やりがいはあるわいろんな手は使えるわさいろんな曲作れるわでもうすごいの見つけちゃったじゃないオペラ。
見つけちゃったね。
それは気持ちいいだろうね。
気持ちいいだろうねそれは。
でもねやっぱアキラちゃんはすごいよ。
しゃべってると。
ねえクセがありますよね。
いやいや。
でも本当に楽しかったです。
ありがとうございました。
ありがとうございました。
すっごい楽しかったです。
もう本当僕も。
4月6日。
吉田鋼太郎が初めて挑む本格ミュージカルの幕が開いた。
(2人)・「哀れな人生」・「見てられない」・「退屈すぎる」東京名古屋大阪と2か月にわたる公演が待っている。
おおりんご大好物!頂くぜ。
ヘヘヘ…センキュー。
・「ベイビー」う〜わうめえ!宮川彬良もまた指揮棒を片手に舞台に立っていた。
父宮川泰が作曲した名曲「宇宙戦艦ヤマト」をジャズアレンジした。
音楽の楽しさを発信し続けていく。
2人が再び舞台で共演する日も近いかも。
2015/04/11(土) 22:00〜23:00
NHKEテレ1大阪
SWITCHインタビュー 達人達(たち)「吉田鋼太郎×宮川彬良」[字]
「花子とアン」の伝助さまで大ブレイクした吉田鋼太郎は今、ミュージカルに挑戦中。無名時代を知る人気作曲家・宮川彬良と、しゃだつな大人のぶっちゃけトークを繰り広げる
詳細情報
番組内容
17年前宮川が作曲を手がけた市民ミュージカルに客演、ちょっとだけ歌って踊ったことがある吉田。バレエのレッスンでタイツをはくのに耐えられず名門劇団を逃げ出した過去から、音楽的かつリアリティーあふれるセリフ回しの秘密、あの名場面「おでこにチュー」の舞台裏まで語り尽くす。宮川が明かす大作曲家の父・泰のもとに大スターたちが日参してきた少年時代、そして手塚治虫原作のオペラ「ブラック・ジャック」の製作秘話とは
出演者
【出演】俳優…吉田鋼太郎,作曲家・舞台音楽家…宮川彬良,【語り】吉田羊,六角精児
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – インタビュー・討論
ドキュメンタリー/教養 – ドキュメンタリー全般
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
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