心の声
(丸尾栄一郎)…全然歯が立たない…。
こんなテニスもあるのか…!?
(飲む音)はぁ〜。
心の声これが世界標準のテニスなんだ…。
対策を考えないと!
(オープニングテーマ)
(飲む音)ぷは〜。
ん!?マーシャ!?
(マーシャ)ん〜…訳分かんないわ。
なんでこんな負けた試合のラリーを丁寧に描いてんの?え?あんたお兄ちゃんに負けて悔しくないの?負けたのに何その満足そうな顔!え?あの…お兄さんは強かったんだ。
だから強い人と試合できてうれしかったから…。
コーチ水を取ってきます。
(ケビン)オーケー。
またあとで試合入るからな。
エイチロって変な奴。
(平)日本人がみんなああじゃないから。
心の声どうすれば勝てるんだろう?あ…マイク!
(マイク)ん!?やぁエーちゃん。
相談したい事があるんですけど。
じゃ夕食前でいい?はい。
ヘイ!丸尾君!今やってる試合そろそろ終わりそうだから次俺とやろうぜ。
(クリシュナ)いいや僕の方がいいと思うよ。
(選手1)話は聞いたぜ。
キミに勝てばソージとやれるんだって?
(選手2)俺ともやってくれ!
(選手3)俺も頼むよ!心の声大人気だ…俺じゃなくて池君がだけど。
よし次!マルオとクリシュナ入れ。
はっ!はっ!クリシュナのあともう1人のプロと試合をして今日は3戦3敗。
それで分かった事はこっちの選手はとにかくボールが重いという事。
そして何より攻撃が2段階なので仕掛けが早いんです。
欧米ではこれが主流なんですか?うん正解だね。
さすがエーちゃん大した分析力だよ。
これは近代テニスの大きな流れといってもいいだろうね。
選手は体格がよくなってパワーとスピードがどんどん進化してきた。
こうなってくるとリスクの高い前に出るよりリスクの低い後ろからガンガン決めにいった方が効率的なんだ。
いかにリスクを避けて決定力を上げるか世界のトップの選手たちが突き詰めていった結果この最初のラリーで様子を見るという過程はなくなったんだ。
もちろん選手の個性やコートの種類にもよるけどね。
でもこのテニスに勝つにはどうすればいいんですかね?キミもスピードとパワーをつければいい。
後ろから決めにいった方が効率的なのは分かってたんですけど決め方は決定力さえあればいいんですよね。
そうだね。
だったら決定力をスピードとパワーに頼るんじゃなくてコントロールじゃダメなんですか。
コントロール?でもスピードとパワーは鍛えれば確実に向上させられるけどコントロールの向上っていうのは難しいよ?そうなんですか!?うん。
個人差はあるけど一般的にはね。
もちろんスピードとパワーも鍛えますけど俺の場合コントロールを重視していった方がもっと効率的な気がして。
フーン。
自分で自信が持てる方を重点的にやった方がいいかと思ったんですけど…。
面白いね。
テクニカルアドバイザーにエーちゃん用の練習メニューを考えてもらうよ。
そんな事できるんですか?ここはテニスの最先端なんだよ。
スタッフはみんな新しくて面白いアイデアが大好きだからね。
ありがとうございます。
(アレックス)ん…。
ん…。
(ため息)あのアレックス…。
もう寝る。
お休み。
(ドアを閉じる音)ななんかさっきから機嫌悪くないですか?池爽児にこてんぱんにやられたらしいぜ。
あのきょうだいはそろって負けず嫌いだからな。
怒ってる時は近づかない方がいい。
アレックスの事?この中じゃあいつが一番負けず嫌いだよな。
クリシュナなんかいつもクールだし負けて喜んでる誰かさんもいるしな。
怒ってる人が一番負けず嫌いとは限らないよ。
へ?そうかな?まあとにかく機嫌直してほしいよ。
さ〜疲れたし俺らも寝るか〜。
あ俺はまだちょっとやる事あるんで。
ん!?丸尾君学校じゃ優等生でしょ。
え?心の声後ろから決めにいくなら64分の1以上のコントロールにある程度の球威もいる…。
何かいい方法ないかな〜…。
ふぁ〜…。
寝不足なの?あいや大丈夫。
コートに出ればすぐなおるから。
お前とはみんなが試合したいんだから無理すんなよ。
(マーシャ)おはよう。
ここいい?お兄ちゃん。
(アレックス)おはようマーシャ。
(マーシャ)あとエイチロこれマイクから頼まれたの。
あれだ!サンキューマーシャ。
ベ!え?何で?こら。
それ何なの?マイクがテクニカルアドバイザ−に練習法を聞いてくれたんだ。
「コントロール向上のための練習」?こんなのやった事ねぇな。
どんな練習なんだ?練習法は大きく分けて5つ…。
…え?これって…!どうした?最初の3つは今まで俺が日本でやってきた練習と同じなんですよ。
心の声1…イメージトレーニング。
コートを9分割して打ち分ける。
2…確認練習。
打ったボールの感覚軌道落下点を必ず確認するよう心がける。
3…1と2を可能な限り高いモチベーションを保って反復する。
64分の1!4は徹底的な下半身の強化。
5は自分なりの方法で自分の感覚に合ったコントロール法を身につける事。
これは意識してやっていきながら何かをつかむしかない。
1セットマッチマルオサービスプレー。
はっ!
(ペドロ)ほっ!くっ!心の声この2段階のテニスをものにしないと!今日も苦戦してるな〜。
(ケビン)ゲーム3−0ペドロリード。
心の声もっと球威を上げなきゃダメなのか?それとももっとコントロールの精度を…。
ヘイマルオ。
はい!?キミがコントロールを武器にしようとしてる事は聞いているよ。
だがコントロールを気にするあまり手元を見すぎている。
打点だけじゃなく相手もコート全体も見るんだ。
心の声「相手もコート全体も」って…そんな事できるのか?よし!相手と…コート全体を見てコントロール!ま前を見すぎた!ぷっ!何やってんだろ。
なんていうか…不器用なんだよなマルオは。
心の声
(アレックス)とても15歳から始めてここまでこられるとは思えないんだが…。
心の声ダメだもっと漠然と視界を広くしてみて…。
ほっ!心の声打点への意識を半分…もう半分は相手と打つべき方向を意識して…ん!…ストレート!はっ!
(ケビン)アウト30−0。
心の声おおっ…!今相手の動きが見えた…。
コントロールだって意外にブレなかった。
うっ!心の声よし!もう一回!うっ!あぁぁ…。
あ〜…。
心の声重いボールと2段階の攻撃。
視界を広くしてコントロール!ふん!くっ!
(ケビン)ゲームセットウォンバイペドロカウント6−2。
よし!これで池と戦える!ハァハァハァハァ…。
心の声だんだん…分かってきたぞ!心の声短期留学も折り返しの7日目。
重いボールにも慣れてきた。
2段階のテニスも身についてきている。
1発目で決まらなければ2発目。
常にやるかやられるかのテンションで考えるまもなく体を反応させる。
これが今のテニスなんだ!ふぅ〜。
あ〜今日も終わった終わった。
そういえば今年もそろそろ終わりなんだよね。
もうすぐ大みそかですね。
・
(池)お〜い丸尾く〜ん!ん!?池君!
(池)順調じゃん。
マイクも褒めてたよ「マルオは成長が早い」って。
本当に?そう言われるとうれしいな。
で俺んとこにはいつ来んの?心の声そうだ…こっちのテニスに順応できてる実感はあるけどまだ1勝もできてない。
1週間以内に必ず行きます!そうかそうか…。
楽しみにしてるよ。
うん!1セットマッチマルオサービスプレー。
心の声本当に強くなってるならそろそろ結果が欲しい。
クリストファーは15歳のプロ志望。
この前は6−2で負けたけど今日は勝ちにこだわっていく。
ここにいる全員に勝つつもりでいく。
…いや絶対に勝つ!はっ!
(クリストファー)うっ!心の声重いボールは後ろからコントロールで決めにいく!うっ。
うっ!おなかなか調子いいじゃん。
(クリシュナ)本当に良くなったよね。
うっ。
はっ!くっ!はっ!あっ!
(ケビン)ゲームマルオ1−0。
(ラリーの音)心の声チャンス!はっ!
(ケビン)アウト!ゲームクリストファー6−5。
クソっ…。
はっ!心の声ここを返してタイに戻せば!あっ!く〜っ!
(ケビン)ゲームセットウォンバイクリストファーカウント7−5。
よし!心の声でも今までで一番いい試合だった。
次はいける!
(ケビン)マルオ次はロジャーと。
はい!心の声今日も3戦3敗。
これで24戦全敗…。
格上の選手ならまだしも実力差のない相手にここまで負け続けるなんて…。
今日こそ勝つ!くっ!
(ケビン)ゲームセットウォンバイロビーカウント6−4。
ゲームセットウォンバイペドロカウント7−5。
うっ!うっ!心の声調子は悪くない。
…なのにここぞって時にポイントが取れない。
(ケビン)アウト!ゲームセットウォンバイアツシカウント6−4。
ハァ…ハァ…ハァ…。
心の声これで27戦全敗…。
何で…?心の声新しく覚えた事はできるようになってきてる…。
いいところまでいける時もあるのに何で勝てないんだ!?マルオ。
マルオ。
心の声1セットぐらいいけそうなのにこの3−530−30でのコントロールミスがイタかったな〜!今までよりリスク覚悟とはいえ何でこういうターニングポイントでミスるんだ!?マルオ。
ハイ!?さっきから呼んでるんだけど。
あ…。
マルオはプロになりたいんだよね?ははい。
だったら…Believeinyourself.え…!?心の声…自分を信じろ?焦っても落ち込んでも何も変わらないよ。
リラックスしてポジティブにだ。
あうん。
じゃあお休み。
お休み。
心の声ありがとうアレックス。
だけど…俺は自分を信じられなくなってきてる。
はっ!心の声人より頑張れる自信はあるけど人よりできる自信なんて最初からない。
(ケビン)ゲームウォンバイロビーカウント6−4。
心の声何で?何でこうまで勝てないんだ…。
マルオ。
あはい。
キミのテニスは確実に進歩している。
それはチーフコーチである私が保証する。
ただ今のキミには負け癖がついているんだ。
「負け癖」?勝敗を左右する重要なポイントになると勝ちたいあまり余計な力が入る。
そのせいで勝てないから更に力が入る。
悪循環だね。
そんな…。
モニタールームに行きたまえ。
マイクが待ってる。
心の声負け癖?そんなのどうしたらいいんだ…。
そもそも負け癖って何だ?あエイチロ!勝ちを意識しなければいいんだろうけど…。
シャキッとしなさい!ちょっと!あ〜。
ん!?何でマーシャが一緒なの?付き添い。
だそうです。
試合の映像を見てキミの負け癖の原因がはっきりしたよ。
負け癖?エイチロが?勝てそうで全然勝てないんだ。
欧米の新しいテニスに慣れるためにキミは勝ちにこだわらず試合でそれを身につけていった。
おかげでこっちのテニスには早く慣れて技術は向上した。
だけどその代償としてキミの本能は負け続けるうちに自信を失っていったんだ。
え?そしてキミの理性はそろそろ勝ちたくなり勝ちを意識するようになったけれど本能は自信を失ったまま回復しない…。
これが負け癖の正体さ。
て事は本能の自信を回復させられればいいんですか?そう。
つまりは自分を信じられればいいんだ。
自分を信じる?ゆうべアレックスにも同じ事を言われましたけど…。
お兄ちゃんだって同じだよ。
プロになって勝ち負けが生活に関わるようになってから負けが続いてる。
家族のために賞金を稼がなきゃってプレッシャーに苦しんでるんだと思う。
アレックスが…。
心の声…そんな崖っぷちでやってたのか…。
俺がもしプロになれて毎日がテニスになってそしてこんなに負け続ける事があっても同じようにあんな事言えるのかな?回想Believeinyourself.すごいなアレックスは…。
でもみんな同じだよ。
プロでやりたいけど誰だって負けが続く事がある。
でもプロの世界は負けた人じゃなくて自分を信じられなくなった人が脱落していくんだ!ってよくお兄ちゃんに怒られる。
マーシャ…。
大体あんたなんてい!?私と一緒でまだプロでもないくせにクヨクヨしてんじゃないわよ!ま〜ま〜。
それでマイク本能に自信を取り戻させるにはどうしたらいいんですか?これは勝ちたいと強く思う多くの人が通過するスランプだが心の問題だから抜け出し方は人それぞれで正解はないんだ。
正解がない?頑張ってるキミに「頑張れ」とは言わない。
その代わりこう言うよ。
Goodluck!キミの幸運を祈ってるよ!…あとは運って事?Goodluck.
(ケビン)1セットマッチペドロサービスプレー!心の声でもマイクのおかげで原因はつかめた。
あとは本能が自信を取り戻すためにどうするか!うっ!うっ!うっ!うっ!うっ!
(ケビン)ゲームペドロ1−0。
はっ!アウト。
ゲームペドロ2−0。
くそ…。
エイチロ力入りすぎ。
前半なのに勝ちを意識してるね。
うっ!あ〜たっ!大丈夫か?あはい。
心の声ほどけてるのに気付かないなんて自信を持つ前に自分を見失ってる。
ガットもガタガタだ。
出だしからこんな状態なんて今までで最悪の展開じゃないか。
ふ〜…。
(ケビン)もういいか?あはい。
心の声しっかりしろ!できるだけやってダメならあとは運!うっ!ふんっ!ぬ!
(ケビン)0−15。
心の声あれ?今のは良かったね。
うん。
心の声何でだ?靴ひもが引っかかって転んでガットもガタガタで解決策もないままリターンした…。
まぐれか?でも他に何もない今と同じ事をやってみるか。
靴ひもを直す時間はないからまずガットを直して…深呼吸もしたよな。
ふ〜…。
う〜っ!うっ!ナイスリターン!ハッ。
心の声ここは2段階のテニスで攻める!よし!
(ケビン)0−30。
心の声攻めても余計な力は入らなかった。
何の根拠もないけどガットを直して深呼吸したあとはうまくいってる。
もう一回やってみる価値はあるよな。
よし!うん!うっ!はっ!
(ケビン)15−30。
30−30。
40−30。
(ケビン)ゲームペドロ3−0。
心の声良くはなったけどさすがにブレークまでは無理か。
はっ!
(ケビン)ゲームマルオ3−1。
心の声とりあえずサーブはキープできた。
ハァふ〜。
うっ!
(ケビン)15−0。
15−15。
なんかマルオの雰囲気変わった。
確かにサーブはキープしたけどブレークし返さないとまた負けだぜ。
うっ!
(ケビン)ゲームペドロ4−1。
はっ!ゲームマルオ4−2。
ゲームペドロ5−2。
ゲームマルオ5−3。
心の声次のゲームを取らないと負けだ。
ここからは重要ポイントの連続。
しかも攻撃的にいかなきゃブレークはできない。
ガット直して深呼吸なんてなんか願かけみたいだけどここで攻撃的なテニスができれば…。
ふ〜…。
心の声頼む。
なんか妙にガットを気にするようになったね。
そうか!ルーティーンか!ルーティーンって運動選手が毎回同じ動作をするっていうあれですか?そうだよ。
ルーティーンにはいつもと同じ動作をする事でいつもと同じ精神状態と身体の動きを保つ効果があるんだ。
サーブの時にやったりするよね。
ボールを毎回同じ回数ついたりして。
うっ!うっ!エーちゃんはさっき転んで時間がかかった時に自分なりのルーティーンをつかんだのかも。
転んだのにラッキー?そんなとこから新しいアイデアを見つけるのがエーちゃんだよ。
(ケビン)30−30。
フン!心の声30−30ここが最重要ポイント!うっ!はっ!うっ!心の声64分の1で…コントロール!
(ケビン)30−40。
心の声入った!いける!うっ!うっ!うっ!はっ!
(ケビン)ゲームマルオ5−4ペドロリード。
ブレークしたぞ。
うん。
余計な力が抜けてるよ。
心の声このままいきたい!戦略も動きも頭の中もできるだけ何も変えずに!ふ〜。
心の声今大切な事は勝ちたいと思って頑張る事じゃない。
(ケビン)ゲームマルオ5−5。
心の声今までやってきた事をいつもどおり自分を信じてプレーする事!
(ケビン)ゲームマルオ6−5マルオリード。
またマルオがブレーク!ん!…あっ!ハッ!フッ…。
ゲームセットウォンバイマルオカウント7−5。
心の声やっと…やっと勝てた…。
エーちゃんナイスゲーム!
(拍手)クソッ!やっとスタートラインだな。
ねぇ見てあれ。
生まれて初めて勝ったみたいだわ。
心の声アメリカに来て初勝利〜!フッ!2015/04/12(日) 17:30〜17:55
NHKEテレ1大阪
アニメ ベイビーステップ2(2)「悪循環がラッキー」[字][デ]
ふとしたきっかけでテニスに目覚めた主人公・栄一郎が、プロのテニスプレーヤーを目指し、夢に向かい努力を重ねて成長していく姿を描いたスポーツアニメ。
詳細情報
番組内容
練習初日、プロ選手のアレックスに練習試合を断られる栄一郎(えいいちろう)。しかし、栄一郎と同い年でプロの池爽児(いけそうじ)が、栄一郎に勝った者と試合をすると言い出した。そのおかげで、池と試合をしたいアレックスや多くの選手が栄一郎と試合をする事に…。アカデミーの選手たちの重いボールに苦戦する中、栄一郎は得意のコントロールを武器に戦うが、勝つことができない日々が続く。思い悩む栄一郎は…。
出演者
【声】村田太志,寿美菜子,浪川大輔,寺島拓篤,下野紘,瀬戸麻沙美,細谷佳正,神谷浩史,潘めぐみ
原作・脚本
【原作】勝木光,【脚本】千葉克彦,武上純希,高橋ナツコ,吉田伸
ジャンル :
アニメ/特撮 – 国内アニメ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
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