こんばんは。
これでわかった!世界のいまです。
今世界で起きている出来事をこれで分かったとなるまで徹底的に考えます。
きょうのゲストはこの方です。
デーモン閣下です。
デーモン閣下は海外に住んでいたことがあるんですね。
アメリカに3年ほどです。
何歳のときですか。
世をしのぶ仮の4歳から7歳のときです。
閣下が住んでいたアメリカが関わるニュースがありました。
まず1時間目です。
アメリカとキューバです。
国交化正常化交渉がありました。
ポリオ分かりやすく解説します。
そして2時間目です。
南太平洋のバヌアツです。
サイクロンで大きな被害を受けました。
3時間目は、世界のヒットソングを通して、お国柄を見ていきます。
早速いきましょう。
日本時間のけさキューバとアメリカに歴史的な瞬間が訪れました。
歴史的な会談って何がそんなに歴史的?キューバを長らく率いたフィデル・カストロ前議長。
超大国アメリカと国交を断絶して50年以上も対立を続けました。
まさに反米の象徴のような国だったんです。
でも、実際にキューバをのぞいて見ると。
水着の女性に。
青い海。
音楽とお酒を愛し。
葉巻で一服。
街には、古きよき時代のアメ車が走り。
バーにはアメリカの文豪ヘミングウェー。
なんとなく、そこはかとなくアメリカのにおいがしない?反米だったはずなのに一体、どうなってるの?まずキューバの場所を確認しましょう。
番組特製の地球ボールです。
日本はここです。
キューバは移動しまして、アメリカの南東のこちら、カリブ海にある島です。
距離はフロリダ半島からおよそ150キロぐらい、東京・静岡くらいです。
近いですね。
キューバといえば、何を思い浮かべますか。
葉巻とかクラシックカーですね。
キューバは明るい楽天的なイメージなのにアメリカとは60年くらい国交を断絶されていたんですね。
大ニュースになりましたね。
ヨーソロー。
オレは7つの海を旅するMr.シップ。
国際情勢で分からないことはあんまりない。
2つの国の間には長い長い歴史があるんだが、俺が特別に2分11秒で説明しヨーソロー。
ア・ロングタイム・アゴー。
時は1950年。
キューバではアメリカの会社が砂糖とかバナナでおいしい商売してたんだ。
最先端のアメ車だってビュンビュン走ってた。
かっけー。
これに怒ったのが後の最高指導者フィデル・カストロ。
もうかるのはアメリカだけで国民は貧しいままだとキューバ革命を起こしたんだヨーソロー。
そんでアメリカ企業をこれは俺たちのものだと国有化。
新生キューバでは医療費は基本タダ。
教育費も大学までタダ。
革命ばんざーい。
そしたら。
アメリカはカンカンになって国交断絶。
貿易も禁止。
アメリカ人がキューバに行くことも禁止。
絶交されたキューバはアメリカの当時の敵、ソビエトとお近づきになった。
核ミサイルの基地をキューバに作ろうとしてあわや核戦争寸前に。
世に言うキューバ危機ってやつだ。
ところが頼みの綱だったソビエトが崩壊してからは様相が一変。
生活に必要なものが入ってこなくなった。
だから古いアメ車をすり切れても使い続けているのさ。
時が止まったような街に住む人々は貧しくなる一方。
もう、こんな暮らしは嫌だとキューバ市民の97%は国交正常化を願ってきたんだヨーソロー。
意外に分かりやすくてびっくりしました。
キューバがアメリカと仲直りしたいのは分かりました。
ですがアメリカは、許さなくてもいいんじゃないですか。
長年ずっと対立していたわけですから簡単に仲直りできないんじゃないですか。
その疑問に答えてくれる先生をお呼びしています。
今週はこの人です。
アメリカ担当、油井秀樹デスク。
イラク戦争では従軍取材、アメリカを知り尽くした男が、真相に迫る。
国際部の油井デスクです。
お若いですね。
もう45歳です。
年相応ではないですか。
それでは解説にいきましょう。
最初のVTRで握手していましたよ。
そううまくいくのかなという疑問があります。
そんなに簡単ではありません。
模型で説明させてください。
アメリカとキューバの間には、このように大きな壁があります。
オバマ大統領は、この断絶の壁を壊して国交正常化を目指しています。
どういう壁があるかといいますと、このように3つの壁があります。
解決しなければいけない問題なんです。
まず最初の壁です。
両国に、外交関係、つまりそれがないので大使館がないんです。
アメリカがキューバをテロ支援国家に指定していることも問題です。
キューバからすると危険な国というレッテルをはられているんです。
3つ目です。
アメリカは同じくキューバに対して科している経済制裁です。
ずっと続いているんですか。
そうなんです。
この影響でキューバは、貿易などの経済活動が制限されています。
今回、両国首脳が歴史的な会談に臨んだんです。
こちらをご覧ください。
日本時間の早朝、歴史が動きました。
アメリカのオバマ大統領とキューバのカストロ前議長の弟ラウル・カストロ国家評議会議長。
国交断絶以来初めての首脳会談です。
およそ1時間にわたった会談。
ホワイトハウスによりますと両首脳は、できるだけ早い時期に国交を回復し、お互いの大使館を再開できるよう努力することを確認しました。
またキューバが求めているテロ支援国家の指定の解除についてオバマ大統領が近く判断するとカストロ議長に伝えたということです。
会談を終えたオバマ大統領は。
ニュースは世界を駆け巡りました。
キューバの首都ハバナではアメリカの国旗が。
車のフロントガラスにも。
歓迎ムードに包まれています。
もう一度この模型で確認しましょう。
今回の首脳会談では、この3つの壁のうち、どの壁を最初に壊すかということを巡って、両国の立場の違いが表れていました。
アメリカは、この最初の壁、国交を回復して、大使館を再開させる、これを早くやりたかったんです。
一方のキューバは、国交の回復もいいけれども、この問題も忘れてもらっては困るちゃんとやってくださいということで、アメリカに求めました。
アメリカにとってこの壁を壊すのはどのくらい難しいかといいますと、これが結構、難しいんですね。
それをオバマ大統領に見立てたハンマーで、再現していきます。
いちばん上からいきます。
国交の回復、大使館の再開ですが、これは大統領権限でできるんです。
簡単に飛びましたね。
オバマ大統領1人で壊すことができるんです。
次のテロ支援国家指定の解除、これもオバマ大統領の権限でできます。
ここまでは簡単ですね。
ところが経済制裁の解除、キューバがいちばん望んでいることですが、しっかりくっついていますね。
これは、オバマ大統領の1人の力では動かせないんです。
ある協力が必要なんです。
何だと思いますか。
キューバの相撲かな。
違います。
実はアメリカ議会なんです。
連邦議会ですね。
経済制裁を解除するには、アメリカ連邦議会の承認が必要なんです。
しかしアメリカ議会は今、上下両院とも野党共和党、オバマ大統領と対立している野党の共和党が多数を占めています。
行政と議会のねじれですね、野党共和党はカストロ政権は一党独裁政権で民主的ではないとして経済制裁の解除には、基本的には反対なんです。
ということは、共和党を説得するのはなかなか大変なんですね。
仮に頑張って説得しました。
そしてこの壁がなくなって動くかどうかです。
実は、まだまだ課題があるんです。
それはこちらです。
キューバはアメリカに対して要求しているものがあるんです。
これまでの経済制裁で被った損害の補償をしてほしいとアメリカに求めているんです。
それはずっと求めてきたんですか。
そうです。
今回もカストロ議長は言っているんですか。
今回は言っていません。
今回の交渉ではそういう話はありませんでした。
ですが、キューバは求めているんです。
日本円でおよそ14兆円です。
なかなか簡単には応じられませんよね。
アメリカにとっては到底、受け入れられないと思います。
このように、一部の壁を取り払うことはできてもすべての壁を壊すのはなかなか難しいんです。
正常化交渉は一筋縄ではいきません。
そんな大変なのに、なぜオバマ大統領は国交正常化を進めようとしているんですか。
それはこちらの黒板で説明します。
もともとアメリカは、キューバを孤立化することを目的に、キューバをテロ支援国家に指定して経済制裁を科してきました。
しかし、中南米の国々は、キューバはそんなに危険な国ではないと、アメリカの経済制裁は行き過ぎだと反発を強めてきました。
それは最近ですか。
いえ、結構前からです。
キューバを孤立化させたかったんですが、アメリカは結果的に自分が孤立化してしまったんです。
中南米諸国がわりとキューバと仲よくしているということですね。
アメリカは孤立化してしまったんですが、重要なのは、この中南米の国々で、存在感を高めてきた国があるんです。
千里子さん、先週、勉強しました。
中国ですか。
そのとおりです。
中国は、習近平国家主席が、キューバをはじめ中南米の国々を訪問して、関係を強化しているんです。
オバマ大統領はこうした中国の動きを警戒しています。
このため、キューバとの国交正常化にかじを切ることで、アメリカの裏庭ともいえる中南米の国々との関係を再構築したい、アメリカの影響力を取り戻したいというねらいがあるんです。
だからこそ、アメリカにとっては、足元を固めるという意味で、キューバとの仲直りが、非常に重要なんです。
チャイムが鳴りました。
アメリカとキューバの国交正常化交渉について油井デスクでした。
再びこちらです。
今度はこちら、南太平洋の島国バヌアツ、日本がこちらですね。
ここから下がって、オーストラリアの東。
83の島が点在しているんですけれども先月ここに猛烈な、風を伴うサイクロンが上陸しました。
離島が多いので被災者への物資の配給が遅れたんですが、今さらに追い打ちをかけるように各国からの支援が縮小されつつあるんです。
子どもたちが笑顔を振りまいています。
しかし、学校の校舎に入ると。
屋根は吹き飛ばされたまま。
教室にあった教材も使い物にならなくなりました。
授業は再開されましたが、子どもたちの多くがサイクロンのショックから立ち直れていません。
猛烈なサイクロンがバヌアツを襲ったのは先月です。
死者は11人に上り、多くの家屋が倒壊しました。
人口の60%にあたる16万人以上が被災しました。
サイクロンによって農作物に大きな被害が出ました。
バヌアツの人の主食、バナナの木です。
木の真ん中から大きく折れ曲がっています。
まもなく1か月がたち、持ち上がっているのが食糧の問題です。
バヌアツではおよそ8割の人が農業による自給自足で暮らしています。
農作物の被害は将来の生活に直結するんです。
バヌアツ政府が今、準備を急いでいるのが野菜などの種です。
数か月後には一定の収穫ができ農業の立て直しにつながると考えました。
しかし、バヌアツには83の島があり、首都から数百キロ離れた被災地もあります。
飛行機が足りず、外国の支援がなければ種を届けることさえできません。
ところが当初は続々と被災地に入っていた各国の支援隊の姿はほとんど見られなくなっています。
おととしのフィリピンの台風などに比べ被害規模が小さいと判断されているからです。
それでも現地に残る日本人がいます。
医療ボランティアに携わるNPOです。
この日は、感染症を予防するため住民に手洗いや歯磨きを教える講習会を開いていました。
現地では、歯磨きの習慣がありません。
子どもたちからは明るい笑い声があがりました。
さらに、日本のラジオ体操も紹介されました。
サイクロンの襲撃で受けた住民たちのストレスを減らすためです。
バヌアツには、今もサイクロンの大きな傷痕が残っています。
私たちに見せた笑顔とは裏腹に、住民たちは復興の見通しが立たない状況に今も苦しみ続けています。
人口の60%、16万人の方が被災されていて被害は小さくないですね。
被害者の数だけで言ってしまうと少ないかもしれませんが、点在している島に、みんな被害を受けたんですね。
印象に残ったことはありましたか。
笑顔の絶えないということを売り物にしている国ですね。
またあの笑顔が、戻って続いていくこと。
そういう環境を作ってあげることが必要ですね。
経済規模が大きくない国です。
自分たちだけで立ち直ることは難しいです。
今後も国際社会の支援が必要です。
この1週間、世界ではさまざまな出来事が起こりました。
政府側と反体制派の戦闘が続く、中東のイエメン。
政府側の要請で周辺のアラブ諸国も反体制派を空爆。
市民も巻き込まれて640人以上が死亡し、33万人以上が避難を余儀なくされているとみられています。
首都の道路には何重にも車が列をつくっています。
目的は、ガソリンスタンドですが空爆の影響で、ガソリンの供給は止まったままです。
水道も使えず、停電も続き、医薬品も足りません。
10日になって、ようやく支援物資が首都に届きました。
しかし戦闘や空爆がやまないかぎり、いつ支援が止まってもおかしくない状況です。
この透き通った人たちは、亡霊?国会議事堂の前で亡霊たちが訴えたのは。
表現の自由。
たくさんのプラカードを掲げています。
実はこれ、ホログラムを使った仮想の抗議デモなんです。
こちらは、本物のデモ。
各地で政府の緊縮財政への抗議が相次いだことから政府は、新たな法案を成立させてデモを制限しようとしています。
たとえ、デモが制限されてもこのやり方があるぞとばかりに抗議の声を上げました。
おもしろい発想ですね。
人が来ていないんですね。
お化けかなと思いました。
ここまで世界の1週間についてお伝えしました。
続いては音楽の授業です。
ここからは、私が紹介していきます。
歌は世につれ、世は歌につれ、まさに世も末、世紀末、ということで、世界で今どんな歌が、どんな音楽がはやっているのか、その国の文化や社会情勢を探っていきたいと思います。
あの男が紹介します。
ヨーソロー、再び登場、Mr.シップだ。
まずは、南アフリカから。
黒人グループのトロンピーズ。
曲名は、ボルボだ。
多民族国家の南アフリカ。
歌詞には、黒人の民族が使う4つのことばが盛り込まれているんだぜ。
アパルトヘイトの撤廃から20年余り、今も黒人の多くが教育や就職などさまざまな格差を感じているんだ。
トロンピーズのメンバーはいずれも黒人居住区だった地区の出身。
成功を収めたヒーローなんだ。
4つの言語が使われた歌詞。
みんな仲よく聴いてほしいという思いが込められているんだ。
続いては、さっきも紹介したキューバから。
人気バンド、クリマックスが歌うトド・エスタ・ビエン。
すべて順調という意味だ。
リーダーはドラマーのヒラルド・ピロト、52歳。
キューバ音楽界のキングと呼ばれているんだぜ。
アメリカの経済封鎖で停滞してきたキューバ。
今、ようやく国交正常化という道が見えてきた。
うまくいってほしいという願いが陽気で楽天的な歌のヒットにつながっているんだ。
キングことピロトさんに会ってきたぜ。
今は新曲作りの真っ最中。
いつもそばで聴いてくれるのは、30歳以上も年下の奥さんだ。
気になるのは、やっぱりアメリカとの国交正常化交渉。
新曲もキューバとアメリカの音楽を融合させた歌にして、世界に打って出たいと考えているんだ。
ピロトさんはすてきですね。
陽気な音楽で私は好きでした。
最初の南アフリカのものは、リズムはとても軽快ですがメロディーの感じは切ない感じがしました。
なんとなく思ったのは、いろんな人種のことばを盛り込んでいること。
アパルトヘイトが解除されたけれども、やっと20年ぐらいたってこういう歌がやっと歌えるようになったんだ、そういうふうに感じは受けました。
裏にはいろんな思いがあるということですね。
キューバのほうは、すべてうまくいっているぜ。
あれは皮肉に聞こえましたね。
まだアメリカとキューバの国交正常化交渉は始まったばかりです。
あの曲はとっくにできているんですね。
正常化しそうかなという前にはできているんですね。
最後にもう1つ、このニュースでお別れです。
世界では今もイスラムを名乗る過激派組織、武力派組織によるテロや戦闘が続いています。
こうした中で1つのある試みが東京で行われました。
東京・六本木、ホテルにある会場です。
お互いの宗教の理解を深める会議が開かれています。
会場にいるのはイスラム教や仏教、それにキリスト教など異なる宗教の人たちです。
中東やアジアなど8か国から、およそ300人が集まりました。
2015/04/12(日) 18:10〜18:42
NHK総合1・神戸
これでわかった!世界のいま▽なぜ米国とキューバが急接近?国交正常化へ3つの壁[字]
1961年の国交断絶以来激しく対立してきたアメリカとキューバ。なぜいま国交正常化へ動き出したのか?その道のりに立ちはだかる3つの壁とは?【ゲスト】デーモン閣下
詳細情報
出演者
【ゲスト】デーモン閣下,【キャスター】井上裕貴
ジャンル :
ニュース/報道 – 定時・総合
ニュース/報道 – 海外・国際
ニュース/報道 – 解説
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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