真相報道 バンキシャ! 2015.04.12


皆さん、こんばんは。
真相報道バンキシャ!です。
けさ、東京・千代田区のJR秋葉原駅近くにある線路脇の支柱が倒れ、この影響で山手線と京浜東北線はダイヤが大幅に乱れ、9時間半後にようやく全線で運転が再開されました。
JR東日本によりますと、きょう午前6時ごろ、JR秋葉原駅と神田駅間の線路脇で、高さおよそ7メートルの鉄製の支柱が倒れているのを運転士が見つけました。
この影響で、山手線と京浜東北線は、一時、全線で運転を見合わせ、およそ9時間半後に全線で運転を再開しました。
なんか柱が倒れていて、運転ができないと、再開も15時ごろなので、ちょっとどうしようかなと思って。
誠に申し訳ございませんでした。
架線設備改良工事の施工により、今後、撤去を予定しておりました。
すぐに倒れるということには至らないであろうと。
一方、JR東日本はおとといの夜、柱が傾いているのを確認し、あす夜に改修工事を行う予定だったことを明らかにしました。
山手線が通過していれば、ぶつかった可能性もあったということです。
山手線と京浜東北線は、現在も大幅な遅れが出ていますが、あすの始発から、通常運行を行う予定です。
確認された数は、156頭に上りました。
おととい、茨城県鉾田市の海岸で、大量に打ち上げられているのが見つかったイルカ。
地元住民のほか、県外から駆けつけた人たちによる救助活動も行われました。
なぜこれほど多くのイルカが打ち上げられてしまったのか。
実は、現場付近では過去にも多くのイルカが打ち上げられたケースも。
調べを進めると、ある共通点が浮かび上がってきました。
きのう午前7時半。
せーの!
Tシャツ姿でイルカを引っ張る男性たち。
午前3時に仕事を終えたあと、100キロ以上離れた西東京市から駆けつけたという。
テレビで見て、なんか役に立てればなと思って。
おととい、茨城県鉾田市と鹿嶋市の海岸およそ10キロにわたって、多くのイルカが打ち上げられた。
その数、156頭。
地元の小学生、そしてボランティアたちが懸命の救助活動を行う。
なんとか助けたいですよね。
大量の打ち上げ。
一体、なぜなのか。
実は、過去の事例を見てみると、ある共通点が。
それは。
いた、いた、いた。
おととい午後7時、暗闇を行くと。
ここにもいますね、イルカ。
目、開けてるね。
目、開けてる。
イルカの打ち上げが確認されてから12時間半。
まだ生きているイルカの姿が。
近くでは2人の男性がなんとかイルカを助けようとしていた。
しかし。
うわー、戻ってきちゃった!あー。
戻ってきちゃいますね。
なぜ、浜辺から沖へ泳いで行けないのか。
イルカっていうのは、ひれを上下に振るものですから、あんまり浅いと下に振ったときに地面っていうか海底に着いてしまうんで、振ったわりには、先に進まないんですね。
さらに衰弱しているため、荒波で戻されてしまうという。
一方で生き延びられると獣医が判断した3頭は、海上保安庁の船に乗せられ、沖合に放たれた。
しかし、大半は死んでしまった。
国立科学博物館が現段階で考えられる死因は、低体温などから肺に血液が回らず、酸素を全身に運べなくなったためと見ている。
今回、打ち上げられたのはカズハゴンドウ。
体長およそ2.5メートル前後、体重は200キロほど。
100頭から500頭程度の群れで行動するという。
なぜ今回、茨城県の海岸に打ち上がったのか。
きのう、海洋生物学の専門家らが死んだ17頭を解剖し、その原因を調査した。
調査に当たった国立科学博物館の山田名誉研究員。
要因の一つとして、あることが想定されるという。
例えば想定としてですね、彼らの本来の生息域よりも水温が低い状態に遭遇した可能性があるなとちょっと考えてるんですけど。
これは、平年と比べて海水温がどれだけ差があったのかを示した図。
おととい、関東から福島県沖は青く示され、平年より3度低くなっていた。
2月から3月の海水温に近いという。
この水温差が大量の打ち上げに関係している可能性を、専門家は指摘する。
日本鯨類研究所の西脇参事によると、カズハゴンドウは温帯から熱帯の海に生息。
実は、水温が18度より低い場所には行かないという。
日本の南岸に沿って流れる暖流の黒潮。
カズハゴンドウもこの流れに乗って、茨城県沖に来ていたと見られる。
その後、本来ならば黒潮とともに、東の沖のほうへ進もうとしていたと見られる。
だが、親潮の冷たい水が平年より南下。
カズハゴンドウの行く手を阻んだため、黒潮から枝分かれした暖かい海流に乗って、岸のほうへ向かった可能性が考えられるという。
実は、茨城県沿岸では、2000年以降だけでも3回、カズハゴンドウの大量打ち上げが起こっている。
いずれも海水温の低い冬の時期だった。
さらに、遠浅の海岸に迷い込んだことで、イルカが本来持つ機能がうまく働かなかった可能性も。
それは、エコロケーション。
エコロケーションとは、イルカが頭部から音波を出し、対象物との距離感をつかむこと。
しかし、遠浅の海岸では。
砂自身が恐らく、音波をある程度吸収する。
さらに45度よりも緩いと、自分には返ってきません。
砂地が音波を吸収。
さらに、遠浅の海底では角度が緩やかだと音波が反射しにくく、岸に迷い込んでしまう。
さらに突発的な要因も。
今出た、今出た。
これは2年前、長崎県対馬市沖で撮影された映像。
逃げ惑うイルカの群れ。
よく見ると、イルカの後ろにいるのは、シャチ。
実は、シャチなどの天敵に追われて、海岸に打ち上がるケースもあるという。
今回の海域でも。
3回だったと思うんですけど、沖合にシャチの群れがいたという情報があとから分かったことがあるんですけど。
イルカが大量に打ち上げられた際、シャチの群れが目撃されたという報告がある。
では、ここでこよいのご意見番、ご紹介いたします。
まずは直木賞作家の山本一力さんです。
こんばんは。
こんばんは。
そして、作家、画家、映画監督など、幅広く活動中の大宮エリーさんです。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
よろしくお願いします。
さて、海岸に打ち上げられたイルカ。
私たち人間と同じ哺乳類でありますから、肺呼吸をしているわけです。
呼吸は噴気孔と呼ばれる頭の上にある穴から行うんですが、打ち上げられた際、この穴に水が入ってしまうと、溺死することもあるそうです。
山本さん、このイルカの大量死、どうご覧になりますか?
これ、冬が戻ったような寒い日でしたよね、起きたのは。
そのときに遠くからみんな助けようとして、人が集まってくれてるじゃないですか。
こういうことをきちんと世界に報じてやってほしいですね。
日本人がどれだけ、ちゃんとした国民であるかっていうのを。
もうイルカ漁のことばかり言われるのは、ちょっと違うと思う。
なるほど。
大宮さん、いかがですか?
見てるだけでつらい気持ちになるじゃないですか。
きっと子どもたちとかね、みんな、一生懸命助けても、助けられなかったら、すごくつらかっただろうなと思って、なんか海流の原因だっていうふうにあったから、あれ、どうにかならないんですか?分かってたらね。
水温がね。
水温を防止するみたいな、できないんですかね。
なにぶん海のあれですからね。
いろいろな説があるようですからね。
なお、打ち上げられ、死んでしまったイルカは、きのうのうちにすべて砂浜に埋められたということです。
続いては上田さんのニュースコーナーです。
お伝えします。
沖縄県沖縄市で、NPO法人代表の女性が殺害された事件で、警察が重要参考人として行方を追っていた少年が、窃盗などの疑いで愛知県内で逮捕されました。
捜査本部がある沖縄警察署前から中継です。
武井さん。
逮捕された18歳の少年の身柄は、まもなくこちらに到着し、本格的な取り調べを受ける見通しです。
この事件は、今月9日にNPO法人代表の上江田静江さん63歳が、沖縄市の自宅で、背中を刃物で刺されて死亡していたものです。
現場に残された指紋などから、沖縄県出身の18歳の少年が捜査線上に浮上。
警察は、重要参考人として行方を追っていました。
また少年は、近所で起きた窃盗事件で関わったとして、全国に指名手配されていました。
上江田さんの自宅と窃盗事件の現場に残されていた指紋は、いずれも少年のものと一致したということです。
やんちゃでよく先生方に怒られてたんですけど、明るくて活発的な子でした。
盗みだったり、空き巣をしてたりとか、いろいろあったみたいでね。
少年は昨夜9時過ぎ、愛知県内の名鉄線の駅のトイレにいるところを見つかり、逮捕されました。
少年は窃盗について、容疑を認めているということです。
警察は今後、上江田さん殺害に関与したかどうかについても、慎重に捜査することにしています。
以上、中継でした。
おととい、北海道函館市の歩道で、親子3人が車にはねられた事件で、逮捕された男が、親子を羨ましく思ったなどと供述していることが分かりました。
殺人未遂の疑いで逮捕された函館市神山3丁目の中村孝容疑者の身柄は、けさ、検察に送られました。
中村容疑者はおととい、函館市富岡町の歩道で、親子3人を軽乗用車ではね、殺害しようとした疑いです。
中村容疑者は近所の人に嫌がらせをされて、いらいらしていたなどと供述していましたが、警察のその後の調べで、幸せそうな親子を見て、うらやましく思ったなどとも話していることが分かりました。
警察では、動機について、詳しく調べています。
ゴルフの松山英樹選手が、スーパーショットです。
アメリカ男子ゴルフのメジャー大会、マスターズ3日目。
松山選手、8番パー5の第3打。
スーパーショットでイーグルを奪った松山選手。
10位タイに浮上し、最終日に臨みます。
ニュースは上田さんでした。
取材方法は適切だったのでしょうか。
NHKのクローズアップ現代で、やらせが指摘された問題。
調査の中間報告が発表されました。
その中で、NHKは、一部に誤りがあったことを認めました。
番組に出演した多重債務者とされる男性。
そして、ブローカーとされた男性。
この2人を取材すると、不可解な取材の実態が浮かび上がってきました。
きのう、バンキシャが向かったのは、東京・渋谷にあるNHK放送センター。
番組の観覧に来た人は。
誤解を招くような放送は、せえへんほうがいいと思いますので。
受信料頂いているということを考えて、ちゃんとやってほしいと思いますけれども。
NHKの番組、クローズアップ現代で取り上げられた男性が、番組にやらせがあったとして、NHKに対し放送で訂正するよう求めている問題。
木曜日の午前。
NHKがクローズアップ現代の問題に関する中間報告を行いました。
NHKは、番組で誤りがあったことについて、一部認めた。
さらに、その日の放送では。
取材が不十分だったもので、部屋の借り主と視聴者の皆様におわびいたします。
だが、問題の核心部分はまだ不透明だ。
番組の中で、やらせはあったのか。
きのう、バンキシャは大阪へ。
クローズアップ現代のやらせ問題で、番組に登場した多重債務者とされた男性を取材した。
NHKの方には、申し訳ないなと思っています。
早くこの騒動、収まってくれたらいいなと思ってますね。
この男性が登場するのが、追跡出家詐欺・狙われる宗教法人という、去年5月に放送されたもの。
番組では多重債務者を出家させて、戸籍の名前を変え、金融機関から金をだまし取る出家詐欺という手口を伝えている。
多重債務者がブローカーを訪ね、ブローカーは出家をあっせんする。
その2人を記者が取材するという内容だ。
ところがブローカーとして取り上げられた男性が、放送後、自分はブローカーではないと主張。
私、本当にブローカーでもなんでもないですから。
私は真実しかしゃべってませんし。
中間報告によると、記者は、8、9年前から知り合いだった多重債務者とされる男性から、ブローカーとされる男性を紹介された。
この男性は、手口を詳細に語り、みずからをわれわれブローカーなどと話したことなどから、記者は、ブローカーに間違いないと思ったと説明。
両者の主張は食い違っている。
NHKの関係者らによると、この記者は事件を中心に取材し、ほかの人がなかなか取材できないような人物のインタビューもこなしてきた記者だという。
また中間報告では、番組の一部に誤りがあったことを認めた。
たどりついたのは、オフィスビルの一室。
看板の出ていない部屋が活動拠点でした。
この場所を、ブローカーの活動拠点と伝えたナレーション。
ブローカーの拠点というビルの一室。
しかし、ブローカーとされた男性は。
記者とX氏が先導した形で、私が後ろからついていって、で、そのビルに入って、エレベーターに乗ってそのフロアに降りて、ここなんだっていうことでしたね。
ブローカーとされた男性は、この場所を自分は知らないと主張する。
一方、多重債務者とされる男性は木曜日の取材でこう答えている。
私が用意しました。
用意したのはNHKの記者から依頼があったからですか?
ないです。
これは絶対もってないですね。
それをすると、番組が終わってしまうんで。
ここブローカーの事務所ですかって言われたような気がしますね。
それに対してなんと答えたんですか?
拠点ですと言いました。
それは撮影当日の会話ですよね?
はい。
もううそっぱち言いました。
記者にうそを伝えたという多重債務者とされる男性は、その部屋について。
健康食品を売ろうと言って、友人に借りてもらった事務所で、自由に使っていいよと言われてたんで、使わせてもらいました。
中間報告でNHKは、活動拠点とコメントしたことは誤りであり、裏付けが不十分だったと結論づけた。
クローズアップ現代の制作に関わったことのある元NHK職員は。
まずね、知りたいのは、出家ブローカーに記者がどこまで取材をしていたのか。
なぜもっと詳しく聞かなかったのかとかね、あるいはなぜそういう、あそこを借りることができたのかということも追及していかなきゃならないと思うんですけど。
さらにブローカーとされた男性は、記者から役を演じるように依頼されたという。
多重債務者、いろんな借金で首が回らない人が、そういうふうに相談に来たという体で、その流れに沿ってやってほしいというような演技指導じゃないですけど、そういう内容だったと。
つまり、番組の中でやらせがあったと告発したのだ。
中間報告によると、ブローカーとされる男性が、演技の依頼はあったと主張。
これに対し記者は、演技の依頼はしていないと一貫して否定。
多重債務者とされる男性も、記者が演技を依頼したことはないと話しているという。
バンキシャは、多重債務者とされる男性に、放送された番組を一部見てもらった。
映像は、詐欺拠点とされた部屋の様子を窓のブラインド越しに外からカメラで捉えている。
これは多重債務者がブローカーに相談に行く場面だ。
こちらさんにさえ来れば、もう一度やり直せると伺ってきたので。
何件ぐらい?
もう7、8件つまんで、もうこれ以上は首つるしかないとこまでいってますけど。
多重債務者とされる男性は、バンキシャの取材には、記者からの演技指導はなかったと繰り返した。
その一方で。
こんなような、いつもあれですか、話し方なんですか?結構…。
違います。
違います?
はい、親しい話し方をすれば、人物が特定できるから、新鮮な演技ができるプロじゃないから、初めて会ったようにやってくれというふうな感じでしたね。
それは誰に言われました?
それは×××ですね。
誰が言っているかがばれてしまうと?
そうです、そうです。
危険だから。
こうして行われた撮影。
NHKの中間報告によると、部屋には2人のほかに記者本人がいたというのだ。
その取材テープには、10分か15分、やり取りしてもらってと話す、記者の声が収録されていた。
また、ふたりのやり取りが終わると、記者が、お金の工面のところのやり取りがもうちょっと補足で聞きたいと声をかけた。
さらに放送では、記者とはもともと知り合いである多重債務者とされる男性が、外で記者に追われ取材されるシーンもあった。
NHKは取材・制作のチェック態勢や、取材内容に見合った妥当な構成や演出であったのか、調査をするとしている。
バンキシャでは問題の番組に関わるもう一人の当事者、NHKの記者にも取材をするべく、NHKの広報に問い合わせをしましたが、現在、NHKが全力で調査をしている調査途中の案件の当事者である。
普通に考えてお受けできない、ご期待には添えないと、取材は断られました。
山本さんは今回のこの問題、どのようにご覧になってますか。
私がまだ10代のころに、アメリカのミステリーの短編を四だ中に、アメリカの地方にいる新聞記者が、特ダネを認めてもらいたくて、自分で事件を起こしてそれを報ずるっていう短編があったんですよ。
この方がそうだとは言いませんけれども、流れを見てて、今のVTRを見てても、道見てもやっぱり、不自然ですよね。
だから、報道に携わる人は、特ダネを求める前に、高い倫理観が当然必要でしょう。
でね、このやらせ、やらせということばかりが歩いていって、実際にこの出家詐欺っていうのは一体どうだったのっていうのが、何も伝わってこないのは、よく分かりませんね。
そうですね。
大宮さんはいかがですか?
そうですね、ちょっとショックっていうか、やっぱり報道って、作品じゃないじゃないですか。
なんか、記者さんの、今のVTR見たら、作品を作っているように思えちゃうっていうかね、何か事実を伝えようということではなくて、なんですかね、そういう正義感でもってやってたら、ああいうふうにはならないと思うんですよね。
真実を伝えるというものを、自分のなんか、エンタテインメントとか映画とかみたいな手法にしちゃってる感じがして、やっぱり、真実を伝えるものだったら、その手段を、作り方も誠意を持ってやってほしいなと思いましたね。
正義感、倫理観が問われるところでありますが、なお、NHKは今回のこの問題について、今後も調査を行い、改善策を盛り込んだ調査報告書をできるだけ早い時期に公表するとしております。
続いてはこちらです。
11年前、学校の校庭で子どもが蹴ったサッカーボールが、フェンスを越えて、道路に飛び出し、バイクで通りかかったお年寄りがボールをよけようとして転倒。
その後、亡くなるという事故がありました。
この事故を巡り、親の賠償責任が問われた裁判で、最高裁は、親は責任を負わないという判断を初めて示しました。
今回の裁判で、今後、親の監督責任の在り方はどう変わるのでしょうか。
バンキシャは、子どもが引き起こすさまざまな事故を検証しました。
木曜日、バンキシャは都内の公園へ。
こちらの公園、フェンスで一面覆われています。
中では、子どもたちがドッジボールをしていた。
実は都内ではフェンスの中でしか、ボールを使った遊びができない公園が多いという。
滑り台などの遊び場と分けるため作られた、ボール遊びのスペース。
フェンスで覆われているため、ボールが外に飛び出して、他人にけがをさせるなどの心配がないという。
サッカーとか、やっぱり子ども、やりたがるので、ちょっと安心して、そこの公園に行くというときは行ってらっしゃいと。
木曜日、子どもが起こした事故について、どこまで親が責任を負うのかが争われた裁判に、決着がついた。
事故が起きたのは、11年前。
愛媛県今治市の小学校の校庭で、当時11歳の少年がサッカーをしていたときだった。
放課後の校庭で友だちと遊んでいた少年。
ゴールに向けて蹴ったボールが、高さ1.3メートルの門を越え、道路に出てしまった。
そのとき、オートバイで通りかかった85歳の男性が、ボールをよけようとして転倒し、足を骨折。
寝たきりとなり、1年4か月後、死亡した。
亡くなった85歳の男性の遺族は、少年とその両親に賠償を求め、提訴。
裁判所は、両親が監督義務を怠ったとして、1審、2審とも1000万円を超える賠償を両親に命じていた。
民法の規定では、監督義務を尽くしたといえない場合、子どもの代わりに親が責任を負うと定められている。
これまでの裁判では、ほぼ無条件に親に責任があるとして、高額の賠償が命じられてきた。
子どもが起こした事故で、親はどこまで責任を負わなければいけないのか。
バンキシャは、弁護士の立ち会いのもと、シミュレーションした。
先月31日、サッカーボールの事故で、1審、2審とも賠償責任があるとされた少年の父親に話を聞くことができた。
最高裁の判決を前に、何を思うのだろうか。
そのとき子どもがね、おじいさんが通ってるとか、通ってないとか分からんまま蹴ったと思うんですけど。
あっと思ったときにはおじいさんがこけたことに対して、びっくりしたんで、お宅の子どもが蹴ったボールで、こけたんだから、おたくが悪い、お金を払いなさいという裁判されたんですけど、なんかつらくなりましたね。
事故から11年、木曜日、最高裁は通常、人に危害が及ばない行為で偶然起きた事故については、親が事故を予見できた場合以外は監督責任を負わないと判断したのだ。
今回の判決を受け、今後は親の監督責任について、どう変わるのか。
弁護士の立ち会いのもと、シミュレーションした。
公園で友だちと2人でキャッチボールをする少年。
いくよ。
あっ。
たとえボールが遠くに飛んでいっても、あまり人がいないため、気兼ねなくキャッチボールができる。
こうした場所で、偶発的に事故が起こったとき、親に賠償責任があるのか。
通常の使い方という、今回の判決でありましたけど、公園という所で想定されている使い方の範囲内であれば、親としてもそれ以上は注意しようがないというような考え方ですね。
公園の使用方法として、通常の行為であれば、親の監督責任は問われない可能性が出てきたという。
ただし、球技禁止とされている場所や、周りに別の子どもたちがいて、ボールが当たる可能性がある場合、つまり、危険が予見可能なときは、親が監督責任を問われる可能性が高いという。
さらに、偶然ではなく、わざとボールを外に蹴りだした場合なども、監督責任を問われる可能性が高いという。
過去には、ボール遊びの事故だけではなく、自転車での事故でも、親に賠償命令が下されていた。
7年前、神戸市で小学生が乗った自転車が、女性に衝突し、女性が寝たきりになった事故。
2013年、神戸地裁は小学生の母親におよそ9500万円の賠償を命じた。
高額な賠償の負担を軽減することはできないのか。
こちらの店では、自転車を購入する人に、あるサービスを紹介していた。
TSマークっていう事故に遭ったときの、車とかオートバイでいう自賠責保険みたいなのがありまして。
4歳の息子に初めて、自転車を購入するという父親。
事故を起こしたり、逆に起こされたりしたことを考えると、安全のために、安心のために入りました。
TSマークとは、自転車を購入するときに、年間1000円から3000円ほど払えば、最大5000万円まで補償してくれるという保険。
ここ数年、TSマークの交付枚数は増え、神戸市の自転車事故の賠償判決が出た2013年度は、前の年よりおよそ40万枚増え、250万枚を超えた。
自転車の事故も今回の判決で解釈は変わるのだろうか。
自転車で出かけるの?車に気をつけてね。
はーい。
それと人にはぶつからないようにね。
うん。
自転車の事故でも、親の賠償責任が問われないケースも出てきそうだ。
子どもが運転する自転車が、死角から出てきた歩行者と衝突したケース。
このような歩道であっても、13歳未満の子どもであれば、自転車で走れる場所も多い。
そこで、交通ルールを守り、偶然起きた事故であれば、親の賠償責任が問われない可能性があるという。
今回の判決を受け、少年の父親の代理人が会見した。
私たち夫婦、息子にとって苦悩の10年でした。
われわれの主張が認められたということで、ひとまず安どしています。
ただ、被害者の方のことを考えると、われわれの苦悩が終わることはありません。
これまで被害者救済の観点から、ほぼ無条件に親に賠償が命じられてきたが、今回の判決で、親の監督責任は、従来より限定されることになる。
今回の判決について、遺族側の弁護士は、被害者救済を後退させた残念な判決です。
従来の法律の解釈を突然変更して、1審、2審の判決を帳消しにする判決を下したことに対して、満たされない思いを抱いておりますなどとコメントしています。
山本さん、今回の事故から判決が出るまで、どのようにご覧になっていますか。
これはとにかく長すぎますよ、時間がね。
もうみんな、その間、被害者の方も、加害者という言い方は違うと思うんだけども、ボールを蹴った少年も、まだ11歳から始まったわけでしょう。
それはもうね、世の中、例えば悪意のない過失に対しては、法律うんぬんの前に、もう少し違うやり方があるんじゃないかなというのを思えてなりませんね。
もうこれは、法律でどんどんどんどん突き詰めていっても、結局出てくる答えってこういうことになるしかなくなってしまう。
でも、人の判断というのは、自分が生きてきた経験の中で考えていく道義がありますから、そこをもっと大事にしていけば、この長い時間を過ごさずに済んだと思えてなりませんね。
大宮エリーさんは、いかがお考えですか?
そうですね、こういう例が過去にもたくさんあって、皆さん、親御様、払われてたわけじゃないですか。
状況は多々ね。
今回ずっと11年間闘ったということで、たぶん、お父様出られてましたけど、お子さんのなんかこう、お子さんを守りたかったんじゃないかなと思いましたね。
国から君のせいだよって、もちろん過失ではあったと思うんですけれども、ずっとそれを、背負っていくっていうことから守りたかったんじゃないか、闘って、本当につらかったでしょうけども、なんかそういう正義感みたいなものを感じましたね。
非常に難しい問題ではありますが、皆さん方はいかがお考えでしょうか。
それでは、今週の顔、続けてまいりましょう。
国交断絶後、初めての首脳会談を行った、アメリカのオバマ大統領と、キューバのカストロ議長。
自由と民主主義の国、アメリカと長らく独裁体制を取ってきたキューバ。
それぞれのトップは、どのようなことばを交わしたのでしょうか。
中米、パナマ。
日本時間のきょう午前4時ごろ、歴史的な会談が実現した。
オバマ大統領との会談を終えたカストロ議長が今、記者団に囲まれています。
ラウル・カストロ議長83歳。
キューバ革命の立て役者、フィデル・カストロ前議長の弟だ。
にこやかな表情、きょう、どんなことばが交わされたのか。
この前日に行われたカストロ議長の演説。
与えられた時間は8分だったが。
48分話させてください。
歴史的な会談に先駆けて開かれた、第7回米州首脳会議。
南北アメリカと、カリブ海の35か国が集まるが、キューバはここに初めて呼ばれた。
私に与えられたのは、8分の演説と言われていますが、過去6回の会議で私をのけ者にしたのだから、6回分かける8分ということで、48分頂きましょう。
笑いを誘う場面も。
しかし、次第に熱の込もった口調になる。
国民がこんなに困窮しているのに、支援をしているなんてことがあるでしょうか。
アメリカにテロ支援国家指定の解除を改めて求めた。
私は、オバマ大統領は誠実な人物であると思います。
オバマ大統領への期待感をにじませる発言だ。
予定された8分の時間を大幅に超える演説をしたカストロ議長。
話した時間は、予告以上の50分間だった。
1961年の断交以来、初めて行われた首脳会談。
これは歴史的会談だ。
歴史の新たな1ページをめくり、2国間の新しい関係を発展させることができる。
両国は長く複雑な歴史があるが、オバマ大統領が話したやり方で進めていきたい。
歴史の歯車はようやく動き出した。
しかし、国交正常化までには多くの課題が残っている。
山本さんはこの歴史的な首脳会談、どうご覧になりましたか。
ケネディ大統領が海上封鎖したのが、私が中学3年のころなんですよ。
そこから始まった断交が、ここで元に戻るっていうのは、本当に歴史だなと、今、しみじみ思いますね。
確かにそうですね。
大宮さん、いかがでしょう。
かっこいいですよね。
ちゃんと8分だけど48分もしゃべるっていう、50分か。
ああいうリーダーっていいなと思いますね、なんか、ついていきたいってそう思いますけどね。
しかしまだキューバはキューバなりにね、いろんな経済事情のひっ迫とかあるんで、国交正常化に向けてはまだまだハードルが多々あると思いますけどね。
本当にあんな近い国ですから、やっぱり仲よくしてもらったほうが、みんないいと思いますよ。
そうでしょうね。
結果的にはアメリカ、そしてわれわれが住むいろんな経済的なチャンスが、ビジネスチャンスが増えてくるかと思われますんでね、今後の両国の成り行きには、注目していきたいと思いますが、2015/04/12(日) 18:00〜18:55
読売テレビ1
真相報道 バンキシャ![字]

バンキシャ!は毎週、注目を集めている事件・出来事について、他にない切り口で検証を加える番組です。今週もスタッフは各地に飛び、ただいま取材中。ご期待ください。

詳細情報
番組内容
真相報道バンキシャ!は福澤朗と夏目三久がお伝えする〈新型〉報道番組。日曜の夜、その1週間の起きた出来事について視聴者の方に「なるほど、そういうことだったのか」と言っていただける番組づくりを目指しています。取り上げるのは、事件・事故・政治・経済からスポーツまで、硬軟とりまぜ幅広く。ニュースの新しい見方をご提供いたします。番組への情報、ご意見は番組HPまでお寄せください。
出演者
【MC】
福澤朗
夏目三久
【ゲスト】
番組ホームページ
http://www.ntv.co.jp/bankisha/

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ニュース/報道 – 定時・総合
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